シャンタル諸島(シャンタルしょとう、露:Шантарские острова)はオホーツク海西部にあるロシア領の諸島。行政区分としてはハバロフスク地方に属する。

シャンタル諸島とその位置

概要

編集

大小約15の島で構成され、地理的には外満洲の一部でもある。諸島の総面積は2,500平方キロメートル。諸島とロシア本土との最も近いところは4kmほどしか離れていない。諸島内の最大の島はボリショイ・シャンタル島であり1,766平方キロメートル・標高720mである。定住人口はない。

シャンタルという名前は、ニヴフ語由来である。

生物層

編集
 
リンゴルム海峡で泳ぐホッキョククジラの一群。[1]

「シャンタル諸島国立公園」が2013年に制定され[2]、同年WWFー世界自然保護基金と国内外の保護研究者達の協力の下、同国内では初の鯨類保護区となる「マガダン州海洋生物保護区」も設立された。

保護区の名にふさわしく、非常に多様な生物層が見られ、陸海空の貴重な動物類が共存している。鳥類ではシマフクロウオオワシシベリアライチョウミサゴアオシギシロハヤブサアカエリカイツブリナベコウエトピリカなど240種が確認されている。 ヒグマアカギツネカリブートナカイクロテンをはじめとするテン属ユーラシアカワウソなどの陸生哺乳類が、人間を恐れる事が少なく頻繁に海岸に寄ってくる。

磯にはアゴヒゲアザラシゴマフアザラシゼニガタアザラシトドラッコなどが休息し、流氷と共にクラカケアザラシが現れる事もある。また、人間の影響が少ないこの地では海岸から数m の距離にまで鯨類が接近してくる。ミンククジラシャチネズミイルカもよく見られるが、何よりも絶滅危惧な種類が頻繁に陸付近に現れる事が特徴である。これらはホッキョククジラセミクジラニシコククジラベルーガ等であり、どれもが極めて貴重である。陸上から観察する少人数制の観察事業も始まっている。

川ではチョウザメサケマス科など数多くの魚類が見られる。

参照

編集
  1. ^ Vladislav Raevskii. 2014年6月1日閲覧
  2. ^ w:Interfax. 2014 Govt establishes Shantar Islands National Park w:Russia Beyond The Headlines. 2014年6月2日閲覧