シャターブディー急行
シャターブディー急行(Shatabdi Express, शताब्दी एक्सप्रेस)は、インド国鉄が運行する列車種別の一つ。広義の急行列車(Express、Mail)の一種である。シャターブディーはヒンディー語における長音を反映した表記であるが、これを反映しないローマ字などの表記をもとにシャタブディ急行やシャタブディエクスプレスと呼ばれることも多い。高級設備による高運賃、ダイヤが乱れた時も他の急行列車よりも優先して運転されるなどの優遇措置があり、日本における特別急行列車に相当するとしてシャタブディ特急と訳されることもある。
(ジャン)シャターブディー急行 (Jan) Shatabdi Express | |
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ボパールシャターブディー急行 | |
概要 | |
国 | インド |
種類 |
Superfast Express / Superfast Mail (Shatabdi Superfast) |
現況 | 運行中 |
運行開始 | 1988年11月 |
後継 |
バンデバラトエクスプレス (Vande Bharat Express) |
運営者 | インド国鉄 |
路線 | |
起点 | デリー、ムンバイ、コルカタ、チェンナイほか |
営業距離 | 最大約700㎞ |
列車番号 | 原則として12000番台 |
車内サービス | |
クラス |
冷房付一等座席車 冷房付二等座席車 非冷房座席車(ジャンのみ) |
座席 | リクライニングシート(2+2列、2+3列) |
技術 | |
車両 | LHB型客車 |
軌間 | 1,676 mm |
最高速度 |
130km/h 150km/h(ボパールシャタブディ) |
本項では1988年から運行を始めた狭義のシャターブディー急行のほか、姉妹列車として後年登場したジャンシャターブディー急行(Jan-Shatabdi Express, जन शताब्दी एक्सप्रेस)についても記述する。
概要
編集首都デリー、アラビア海沿岸の大都市ムンバイ、東部の大都市コルカタ、南部の大都市チェンナイなどを起点に、アーグラ(タージマハルで著名)など地方都市まで数百km程度の距離を高速運転を行う列車として設定されている。ダイヤに特徴があり、起点駅を早朝に出発、終点で折り返し夕方から深夜にかけて起点駅に戻ってくるというものになっている。日本でも東海道新幹線開通前の東海道本線で運行されていた東京駅-大阪駅間の特急「こだま」が同じようなダイヤで運転されており、車両も座席車だけであることなど共通点が多い。
「シャターブディー」という名は、ヒンディー語で「一世紀祭」という意味で、これは運行を開始した1988年がインド初代首相のジャワハルラール・ネルー(1889-1964)の生誕100年に当たることに因む。姉妹列車ジャン・シャタブディの「ジャン」は「大衆の」という意味があり、非冷房車を連結しその車両の運賃を下げたこと、および運行路線が拡大したことで幅広い人が利用しやすくなったということに由来する。
始発と終点との間における表定速度(途中停車時間も含めた平均速度)は55㎞/h以上である。このためインド国鉄による急行列車の分類では、一般的な急行列車よりも速くて格上扱いのスーパーファスト級(superfast)の急行列車となっており加算運賃(superfast surcharge)を徴収している。5桁の数字で表される列車番号(train number)もスーパーファスト級を示す12000番台の番号が原則として割り振られている。かつては4桁表示で2000番台であった。
歴史
編集- 1988年11月 運行開始
使用車両
編集登場以来、機関車牽引の客車列車として運転されている。客車は原則として冷房の座席車だけで編成を組むが、ジャンシャダブディは非冷房の座席車を連結する。また、機関車直後と編成最後尾には荷物車、電源車、緩急車を兼ねた車両が原則として連結される。
食堂車は連結しないものの、食事を調製するパントリー車(Pantry car)を編成内に連結し車内で温かい食事を提供するサービスを行っている列車が多かった。しかし、新型コロナウイルスの蔓延やパントリー車を減らしていく国鉄の方針により2020年以降パントリー車の連結を取りやめた。
デリー・アーグラ間のシャターブディー急行はタージ急行(Taj Express)と呼ばれ、観光客向けに特に豪華な内装と旅客応対を有する列車である。
運行路線
編集- タージ急行(デリー – アーグラ間:週7便)
- デリー – ボーパール(週6便)
- デリー – アフマダーバード(週4便)
- デリー – アラーハーバード(週5便)
- デリー – コルカタ(週3便)
- デリー – ジャイプル(週5便)
- デリー – チェンナイ(週3便)
- デリー – ムンバイ(週4便)
- コルカタ – アラーハーバード(週3便)
- コルカタ – 新ジャルパイグリ – ダージリン(週1便)
- チェンナイ – イェルナークラム – コッチ(週1便)
- チェンナイ – コルカタ(週3便)
- チェンナイ – ムンバイ(週3便)
- ムンバイ – アフマダーバード(週2便)
- ムンバイ – コルカタ(週3便)
- ムンバイ – パトナー(週5便)
- ムンバイ – バンガルール – マイソール(週2便)
- ムンバイ – プネー(週5便)
脚注
編集関連項目
編集- スーパーファスト(superfast)
- スーパーファストはインドにおける急行列車(Express, Mail)の内、全区間を通しての表定速度が55㎞/h以上のものを指す。停車駅は少なく他の遅い急行列車に比べて加算運賃が設定されている。superfast express, superfast mail、もしくは略称のS.F.などと呼ばれるが、列車名にはあまり入らず名前を見ただけではわからないことが多い(駅の案内放送等ではスーパーファスト込みの名前で放送することがある)。列車番号に特徴があり、12000番台、22000番台と20000番台がスーパーファストの急行列車に指定される。シャタブディ急行もスーパーファストの一種が特別な名前を持つものである。設定本数が多く、特別な名前を持ち、シャタブディとの共通部分もあるスーパーファストには以下に挙げるようなものがある。種類、本数ともに2000年代以降拡大傾向にある。
- ラージダーニー急行 (Rajdhani Express)
- スーパーファストの一種で、1969年に運転を開始した列車で首都デリーと各地の州都を結ぶ国鉄の看板列車。全車冷房付きの寝台車で構成され、座席車は連結しない。走行距離も殆どの列車が1,000㎞~2,500㎞の長距離寝台列車である。ヒンディー語の長音を無視しラジダニエクスプレスとも呼ばれる。この列車も事実上の特別急行列車に相当することからラージダニ特急と訳されることも多い。
- ヴァンデ・バーラト急行(Vande Bharat express)
- 客車列車であるシャタブディの後継となることが予定されている全車冷房車で座席車の電車型の特急列車。2019年からデリーと750㎞離れたヒンドゥー教の聖地ヴァーラーナシーを結ぶ列車などに投入され、今後も拡大予定となっている。ダイヤはシャタブディのものと同じで、起点駅を早朝に出発し、終点で折り返し夜に起点に戻ってくるものとなっている。
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座席車とパントリー車で構成される
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車内案内表示器