シクロペンタノン
シクロペンタノン(Cyclopentanone)は、化学式(CH2)4COで表される有機化合物である。環状ケトンの一つであり、揮発性をもつ無色液体である。
シクロペンタノン[1] | |
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シクロペンタノン | |
別称 ケトシクロペンタン アジピンケトン | |
識別情報 | |
CAS登録番号 | 120-92-3 |
PubChem | 8452 |
ChemSpider | 8141 |
UNII | 220W81TN3S |
KEGG | C00557 |
ChEBI | |
ChEMBL | CHEMBL18620 |
RTECS番号 | GY4725000 |
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特性 | |
化学式 | C5H8O |
モル質量 | 84.12 g/mol |
外観 | 無色透明液体 |
匂い | ペパーミント様の香り |
密度 | 0.95 g/cm3, liquid |
融点 |
-58.2 °C, 215 K, -73 °F |
沸点 |
130.6 °C, 404 K, 267 °F |
水への溶解度 | わずかに混和 |
磁化率 | -51.63·10−6 cm3/mol |
危険性 | |
安全データシート(外部リンク) | Cyclopentanone |
GHSピクトグラム | |
引火点 | 26 °C (79 °F; 299 K) |
関連する物質 | |
関連するケトン | シクロヘキサノン 2-ペンタノン 3-ペンタノン |
関連物質 | シクロプロパン |
特記なき場合、データは常温 (25 °C)・常圧 (100 kPa) におけるものである。 |
日本では消防法で定める第4類危険物 第2石油類に該当する。
合成法
編集アジピン酸に水酸化バリウムを加えて加熱するとケトン化が起き、シクロペンタノンが生成する[2]。
- (CH2)4(CO2H)2 → (CH2)4CO + H2O + CO2
利用
編集シクロペンタノンは、ジャスミンから得られるジャスモン(英語版)に関連されるように、香料の前駆体となる。2-ヘプチルシクロペンタノンや、2-ペンチルシクロペンタノンなどが好例である[3]。また、獣医学において麻酔薬として利用されるシクロペントバルビタール(英語版)の前駆体であるように、シクロヘキサノンは有用な合成中間体である[4]。
シクロペンタノンは、充血除去薬のシクロペンタミン(英語版)や、農薬であるペンシクロン(英語版)、喘息の治療薬であるペンテチルシクラノン(英語版)の原料としても利用されている[4]。
脚注
編集- ^ Merck Index, 11th Edition, 2748.
- ^ J. F. Thorpe and G. A. R. Kon (1925). "Cyclopentanone". Organic Syntheses (英語). 5: 37.; Collective Volume, vol. 1, p. 192.
- ^ Johannes Panten and Horst Surburg "Flavors and Fragrances, 2. Aliphatic Compounds" in Ullmann's Encyclopedia of Industrial Chemistry, 2015, Wiley-VCH, Weinheim.doi:10.1002/14356007.t11_t01
- ^ a b Hardo Siegel, Manfred Eggersdorfer "Ketones" in Ullmann's Encyclopedia of Industrial Chemistry, 2005, Wiley-VCH, Weinheim.doi:10.1002/14356007.a15_077