ザ・ピペッツ
ザ・ピペッツ(The Pipettes)はイギリス(ブライトン)のインディーズバンドの一つ。2003年結成。レトロ風味のガールズポップバンドであり、音楽的にはシャングリラスやロネッツといった1960年代のガールズポップスの影響が大きい。
ザ・ピペッツ | |
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基本情報 | |
出身地 |
イングランド ブライトン |
ジャンル | インディーズ |
活動期間 | 2003年~ |
レーベル |
Memphis Industries Cherrytree Records |
共同作業者 | エレクトリック・ソフト・パレード |
公式サイト | http://www.thepipettes.co.uk |
メンバー |
ライオットベッキ グウェノー(2005年に参加) ローゼイ アニ・ソーンダーズ アンナ モンスター・ボビー ジェイ セブ ジェイソン |
旧メンバー |
ジュリア ロビン・オブ・ロクスリー |
概略
編集2003年中期、プロモーターでギタリストのモンスター・ボビーによって結成された。コンセプトは、伝統的なフィル・スペクターのポップサウンドを復活させ、なおかつそこに現代的なひねりを加えるというもの。これはボビーがDJ時代に1960年代のガールグループソングをかけた時に受けがいいことから得た着想だった([3])。ボビーは、ヒットソング創作手引書『ザ・マニュアル』(KLFのメンバーであるビル・ドラモンドとジミー・コーティの共著)に霊感を受けたジュリア・クラーク=ロウズ(歌手で詩人で写真家でもある)と手を結び[1]、地元のミュージックシーンから友人をスカウトした[2]。このバンドは「人造ポップの実験」と呼ばれているが、ピペッツの場合は自作の人造ポップだった[3] [4]。男性の伴奏ミュージシャンたち(メンバーたちはピペッツの7人が一応それぞれ分かれた存在であることを強調しているけれども、この伴奏ミュージシャンたちには「カセッツ」という公称がある)はインタビューにもプロモーション写真にもほとんど登場せず、そのためヴォーカル担当の三人娘の役割が神秘的に見え、なおかつ目立って見えるという仕掛けになっている。この三人娘は水玉模様のドレスを着ており、ライブショーではお揃いの振り付けを演じるのが見所になっている。一方、カセッツは各人のイニシャルが入った黄色いタンクトップを着ていることがある。
初期はエレクトリック・ソフト・パレードのメンバーを含むラインナップで活動していたが、2004年中期には7人のメンバーがそれぞれ分かれた形態になり、今日に至る。2005年4月、結成者のジュリアが自身のプロジェクトであるインディケイツの活動に専心するために脱退。ジュリアの代わりに参加したのが、ピペッツのファン出身で元ウェールズ語エレクトロポップソロアーティストのグウェノーである。2005年、メンフィス・インダストリーズとの契約に先立ち、同レーベルのザ・ゴー!チームやThe Magic Numbers、ブリティッシュ・シー・パワーといったバンドと共にツアーをおこなった直後、初回限定版のビニール盤3枚をリリース。デビューアルバム"We Are the Pipettes"は2006年7月17日に英国でリリースされ、41位を獲得した。
米国のレーベルではインタースコープ・レコーズの一部門であるチェリートゥリー・レコーズと契約を結び、米国最大の音楽見本市サウス・バイ・サウスウェスト(SXSW)に連続出演した。2007年8月28日には北米でアルバムがリリースされる。これに先立って、2007年6月5日、EP"Your Kisses Are Wasted On Me"がリリースされ、ビルボードのホット100シングルス・セールスのチャートで5位を記録している。
メンバー
編集- ベッキ・ピペット - 別名ライオットベッキ。本名レベッカ・スティーヴンズ。ヴォーカル担当。
- グウェノー・ピペット - 本名グウェノー・ソーンダース。ヴォーカルとキーボードを担当。
- ローズ・ピペット - 別名ローゼイ。本名ローズ・ドゥーガル。ヴォーカルとキーボードを担当。
- モンスター・ボビー - 本名ボビー・バリー。ギター担当。
- ジョン・カセット - 本名ジョン・ファルコーネ。ベース担当。
- セブ・カセット - 本名セブ・ファルコーネ。キーボード担当。
- ジェイソン・カセット - 本名ジェイソン・アドリーニア。ドラム担当。
ジェイソンは'Teasing Lulu'を脱退して2007年7月にピペッツのメンバーとなった。初代ドラマーのロビン・オブ・ロクスリーは、自身のバンドJoe Lean And The Jing Jang Jongに専念するためにピペッツを脱退した。
ベッキ・ピペット、ローズ・ピペットは、ピペッツを脱退したことが2008年4月18日正式に発表された。後任はAniとAnnaの2人。
他の活動
編集- ベッキとローズとジュリアは、2005年のブレイクスの曲"Sometimes Always"にヴォーカルで参加している。"Give Blood"に収録。
- モンスター・ボビーは、ソロアルバム"Gaps"を2007年7月16日に英国でリリース。米国では同年7月17日にリリースされた。
- ピペッツのフォーラムやBBCラジオウェールズのDJアダム・ウォールトンによると、グウェノーは2007年リリース予定のソロアルバムに向けて始動中。このアルバムは、グウェノーの表現によると"The Postal ServiceのプロデュースによるAce of Base"であるという。
2008年のメンバー交代
編集2008年4月18日、ピペッツのMyspaceにて、ベッキとローズが「他の音楽企画での活躍を期して」バンドを脱退し、その代わりにアンナとアニ(グウェノーの妹)が加入することが発表された。このラインナップは2008年の夏にライブデビューする予定であり、同時にセカンドアルバムのリリースも見込まれている。これによって、オリジナルメンバー(ジュリア、ローズ、ベッキ)は全員がピペッツから去ることになる。
ディスコグラフィ
編集アルバム
編集年次 | 題名 | UKアルバムチャート |
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2006年 | We Are the Pipettes | 41 |
シングル
編集年次 | 歌 | UKシングルチャート | アルバム |
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2004年 | Pipettes Christmas Single* | - | - |
2005年 | "I Like a Boy in Uniform (School Uniform)" | - | - |
2005年 | "ABC" | - | - |
2005年 | "Judy" | - | - |
2005年 | "Dirty Mind" | 63 | We Are the Pipettes |
2006年 | "Your Kisses Are Wasted on Me" | 35 | We Are the Pipettes |
2006年 | "Pull Shapes" | 26 | We Are the Pipettes |
2006年 | "Judy" (new version) | 46 | We Are the Pipettes |
*註:2004年12月のギグでは、"In the Bleak Midwinter"という歌を含む限定盤のCDが200枚、通し番号つきで無料配布された。当時、この曲のアカペラ版がAudiojunkiesにてダウンロード可能だった。
EP
編集- 2006年 - Meet the Pipettes
- 2007年 - Your Kisses Are Wasted on Me(米国のみ)
その他
編集- 2005年 - Kiss Kiss Bang Bang
- 2006年 - Rough Trade Counter Culture Compilation 2005
- 2006年 - The Memphis Family Album
来日公演
編集- 2007年
- 8月9日 原宿アストロホール
- 8月11日サマーソニック07 東京
- 8月12日サマーソニック07 大阪
- 12月11日 恵比寿リキッドルーム
- 12月12日 名古屋クラブダイアモンドホール
- 12月13日 大阪心斎橋クラブクアトロ
註と出典
編集- ^ Barton, Laura. "Leaders of the pack", The Guardian, 1 November 2006 (link)
- ^ CMU's Chris Cooke Interviews the Pipettes
- ^ Pipettes Popworld Interview ([1])
- ^ The Observer Pipettes interview ([2])