ザグレーギャツビー (The Grey Gatsby[1]) はアイルランド生産、イギリスおよびアイルランド調教の競走馬種牡馬である。主な勝ち鞍は2014年ジョッケクルブ賞(G1)、愛チャンピオンステークス(G1)。日本のメディアではザグレイギャッツビー[3]ザグレーギャッツビー[4]とも表記される。

ザグレーギャツビー
2015年シティオブヨークステークス出走時
欧字表記 The Grey Gatsby[1]
品種 サラブレッド
性別 [1]
毛色 芦毛[1]
生誕 2011年3月14日(13歳)[1]
Mastercraftsman[1]
Marie Vison[1]
母の父 アントレプレナー[1]
生国 アイルランドの旗 アイルランド
生産者 M Parrish[2]
馬主 F Gillespie[2]
調教師 Kevin Ryan(イギリスの旗 イギリス
ダーモット・ウェルドアイルランドの旗 アイルランド[1]
競走成績
生涯成績 28戦4勝[1]
獲得賞金 £2,717,026[1]
勝ち鞍
GI ジョッケクルブ賞 2014年
GI アイリッシュチャンピオンステークス 2014年
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戦績

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2014年愛チャンピオンステークス出走時

2011年3月14日にアイルランドで誕生。アルカナ・ブリーズアップセールにて12万ユーロにて落札された[5]イギリスのケビン・ライアン(Kevin Ryan)厩舎に入厩し、2013年7月にデビュー勝ちする[2]

英2000ギニーは10着に敗れたが、ライアン・ムーアとの新コンビでダンテステークスを制すると、続くジョッケクルブ賞(仏ダービー)も3馬身差で圧勝し、G1初制覇を果たす。重馬場のパリ大賞典は6着に敗れるも、イギリスに戻った英インターナショナルステークスでは英愛ダービー馬のオーストラリアに次ぐ2着に入った。次走の愛チャンピオンステークスでは先に抜け出した大本命のオーストラリアをゴール前でクビ差差し切って優勝し、G1・2勝目を挙げた[6]

4歳時はソロウゴールデンホーンといった強敵との対戦が続いたこともあって大レースで惜敗が続き、未勝利に終わる[5]。5歳時も勝ち星から見放され、不振を極めた。凱旋門賞では最下位の16着に沈んだ[1]

6歳になった2017年アイルランドダーモット・ウェルド厩舎に転厩。ウェルド師は「少しツキから見放されているだけで、何かきっかけがあれば」と語ったが[7]、全盛期の走りを取り戻すことはできなかった。秋にはアメリカ合衆国への遠征も行ったが大敗が続き、同年限りで現役から退いた[1]

全盛期は硬くて速い馬場を得意とした[4]

競走成績

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以下の内容は、Racing Post[1]の情報に基づく。

出走日 競馬場 競走名 距離 着順 騎手 着差 1着(2着)馬
2013.07.13 ヨーク 未勝利 芝6f 1着 G.リー 3/4馬身 (Brazos)
0000.08.21 ヨーク アコムステークス G2 芝7f 2着 G.リー クビ Treaty of Paris
0000.09.14 ドンカスター シャンペンステークス G2 芝7f 2着 G.リー 3馬身 Outstrip
0000.10.26 ドンカスター レーシングポストトロフィー G1 芝8f 7着 G.リー 12馬身 Kingston Hill
2014.04.17 ニューマーケット クレイヴンステークス G3 芝8f 2着 J.スペンサー 2馬身 James Garfield
0000.05.03 ニューマーケット 英2000ギニー G1 芝8f 10着 J.スペンサー 6馬身 Night of Thunder
0000.05.15 ヨーク ダンテステークス G2 芝10.5f 1着 R.ムーア 3/4馬身 (Arod)
0000.06.01 シャンティイ ジョッケクルブ賞 G1 芝10.5f 1着 R.ムーア 3馬身 (Shamkiyr)
0000.07.13 ロンシャン パリ大賞典 G1 芝12f 6着 R.ムーア 10馬身1/2 Gallante
0000.08.20 ヨーク 英インターナショナルステークス G1 芝10.5f 2着 R.ヒューズ 2馬身 Australia
0000.09.13 レパーズタウン 愛チャンピオンステークス G1 芝10f 1着 R.ムーア クビ (Australia)
2015.03.28 メイダン ドバイターフ G1 芝9f 2着 R.ムーア 4馬身1/4 Solow
0000.05.24 カラ タタソールズゴールドカップ G1 芝10.5f 4着 R.ムーア 2馬身 Al Kazeem
0000.06.17 アスコット プリンスオブウェールズステークス G1 芝10f 2着 J.スペンサー 短頭 Free Eagle
0000.07.04 サンダウン エクリプスステークス G1 芝8f 2着 J.スペンサー 3馬身1/2 Golden Horn
0000.08.19 ヨーク シティオブヨークステークス G3 芝7f 3着 J.スペンサー 3馬身1/2 Arabian Queen
0000.09.12 レパーズタウン 愛チャンピオンステークス G1 芝10f 6着 R.ムーア 4馬身3/4 Golden Horn
2016.06.15 アスコット プリンスオブウェールズステークス G1 芝10f 4着 J.スペンサー 3/4馬身 My Dream Boat
0000.07.07 ニューマーケット プリンセスオブウェールズステークス G3 芝12f 2着 J.マクドナルド 2馬身1/2 Big Orange
0000.08.17 ヨーク 英インターナショナルステークス G1 芝10.5f 6着 D.タドホープ 4馬身1/2 Postponed
0000.10.02 シャンティイ 凱旋門賞 G1 芝8f 16着 J.ドイル 22馬身 Found
0000.10.15 アスコット 英チャンピオンステークス G1 芝10f 5着 J.ドイル 5馬身1/4 Almamzor
2017.07.02 カラ 愛インターナショナルステークス G3 芝10f 4着 P.スマレン 4馬身1/4 Johannes Vermeer
0000.07.20 レパーズタウン メルドステークス G3 芝9f 5着 P.スマレン 9馬身 Moonlight Magic
0000.08.10 レパーズタウン バリーローンステークス G3 芝12f 4着 P.スマレン 4馬身1/2 Spanish Steps
0000.09.09 レパーズタウン 愛チャンピオンステークス G1 芝10f 9着 J.ドイル 8馬身1/2 Decorated Knight
0000.09.30 ベルモントパーク ジョーハーシュ・ターフクラシックステークス G1 芝12f 9着 J.ヴェラスケス 13馬身1/2 Beach Patrol
0000.10.09 ベルモントパーク ニッカーボッカーステークス G3 芝9f 9着 P.スマレン 22馬身 Blacktype

種牡馬時代

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2018年から英愛と比べてデインヒル系が主流ではないフランスのノルマンディースタッドで種牡馬入りした。初年度の種付け料は7000ユーロ[5]

血統表

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ザグレーギャツビー血統 (血統表の出典)[§ 1]
父系 デインヒル系
[§ 2]

Mastercraftsman
2006 芦毛
父の父
Danehill Dancer
1993 鹿毛
*デインヒル Danzig
Razyana
Mira Adonde Sharpen Up
Lettre d'Amour
父の母
Starlight Dreams
1995 芦毛
*ブラックタイアフェアー Miswaki
Hat Tab Girl
Reves Celestes Lyphard
Tobira Celeste

Marie Vison
2001 栗毛
*アントレプレナー
Entrepreneur
1994 鹿毛
Sadler's Wells Northern Dancer
Fairy Bridge
Exclusive Order Exclusive Native
Bonavista
母の母
Metisse
1995 栗毛
Kingmambo Mr. Prospector
Miesque
Maximova Green Dancer
Baracala
母系(F-No.) (FN:2-s) [§ 3]
5代内の近親交配 Northern Dancer5・5×4=12.50%、Mr.Prospector5×4=9.38%、Raise a Native5・5(母内)=6.25% [§ 4]
出典
  1. ^ The Grey Gatsby(IRE) 5代血統表. 2019年2月21日閲覧
  2. ^ The Grey Gatsby(IRE) 5代血統表. 2019年2月21日閲覧
  3. ^ The Grey Gatsby(IRE) 5代血統表. 2019年2月21日閲覧
  4. ^ The Grey Gatsby(IRE) 5代血統表. 2019年2月21日閲覧


脚注

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  1. ^ a b c d e f g h i j k l m n The Grey Gatsby | Race Record & Form. Racing Post. 2019年2月21日閲覧
  2. ^ a b c Form and Entries for Horse The Grey Gatsby (IRE). irishracing.com. 2019年2月21日閲覧
  3. ^ 【愛チャンピオンS】ザグレイギャッツビーが巻き返す オーストラリアは2着. 競馬ラボ(2014年9月14日付). 2019年2月21日閲覧
  4. ^ a b ライアン調教師、ザグレーギャッツビーの復活に自信. JRA-VAN ver. Wordl(2016年8月31日付). 2019年2月21日閲覧
  5. ^ a b c Martin Stevens. The Grey Gatsby to start second career at Haras du Petit Tellier. Racing Post(December 3, 2017). 2019年2月21日閲覧
  6. ^ The Grey Gatsby and Ryan Moore defeat Australia at Leopardstown. The Guardian(September 13, 2014). 2019年2月21日閲覧
  7. ^ The Grey Gatsby Joins Weld. Thoroughbred Daily News(January 21. 2017). 2019年2月21日閲覧

外部リンク

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