ザガワ族
ザガワ族(ザガワぞく、Zaghawa)は、スーダンおよびチャドに住むスーダン人部族。チャドのイドリス・デビ大統領は、ザガワ人である。サハラ諸語(Saharan; ナイル・サハラ語族の項も参照)に分類されるザガワ語を話す[1]。自称はベリ(Beri)であり[1]、ザガワはアラブ系からの他称である。
Beri | |
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総人口 | |
80,000(1978年) | |
居住地域 | |
スーダン・チャド | |
言語 | |
ザガワ語 | |
宗教 | |
イスラム教 |
居住地
編集スーダンのマラ山地北部の乾燥したサバンナとチャドに住んでいる。9世紀末にはこの地域でザガワ王国を建国しており、11世紀頃にはイスラム化した[2]。
生活
編集乳製品を主食としている。ウシ、ヒツジを飼い、ラクダを輸送の手段として、牧草や水を求めて移動生活を送っている。
家畜製品を、近隣の定住民の品物と交換している。
2010年代後半、定住している農耕民との軋轢が高まり、しばしば死者を出す規模の武力衝突を起こすようになっている。2019年8月には、ワダイ州で37人以上が死亡する衝突が発生。デビ大統領は、記者会見の中で「コミュニティー間の紛争が国家的な懸念となっている」と言及している[3]。
脚註
編集- ^ a b Lewis, M. Paul; Simons, Gary F.; Fennig, Charles D., eds. (2015). Ethnologue: Languages of the World (18th ed.). Dallas, Texas: SIL International.
- ^ 「チャド盆地の地域史と農牧業」p240-241 石山俊(「朝倉世界地理講座 アフリカⅠ」初版所収)、2007年4月10日 朝倉書店
- ^ “チャドで農耕民と牧畜民が衝突、37人死亡 「国家的懸念」と大統領” (2019年8月10日). 2019年8月10日閲覧。
参考文献
編集- 『世界の民族 2』《熱帯アフリカ》平凡社、1978年。