サクセステック・アカデミー銃撃事件
サクセステック・アカデミー銃撃事件(サクセステック・アカデミーじゅうげきじけん)は、2007年10月10日に、アメリカ合衆国・オハイオ州クリーブランドにあるオルタナティブスクールでのサクセステック・アカデミーで発生した校内銃撃事件である。
サクセステック・アカデミー銃撃事件 | |
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場所 | アメリカ合衆国・オハイオ州クリーブランド |
日付 |
2007年10月10日 午後1時6分ごろ[1] (EST) |
攻撃手段 | スクールシューティング |
武器 | |
死亡者 | 1(実行犯) |
負傷者 | 5(内4人は銃撃による負傷) |
犯人 | エイサ・H・クーン |
実行犯は14歳の新入生のエイサ・H・クーン(Asa H. Coon)で、建物の4階で自殺するまでの間に、2人の学生と2人の教師を銃撃した。
銃撃
編集2007年10月10日の午後1時ごろ(以下、現地時間)、エイサは銃2丁(22口径リボルバーと38口径リボルバー)と2ダッフルバッグを持って[2][3]、5階建ての校舎に立ち入った。ダッフルバッグには、2丁の拳銃の銃弾を入れた箱と3本の折り畳みナイフが入っていた[4]。身なりは、マリリン・マンソンのコンサートTシャツに黒のジーンズをし、手の爪は黒で塗られていた[5]。校舎に立ち入ると、4階の男子トイレに入り、そこで2丁の拳銃に銃弾を装填した[6]。
被害者 [7] |
1。 マイケル・ピーク 、14歳、学生。 |
2。 ダーネル・ロジャース 、17歳、学生。 |
3。 マイケル・グラッシー 、42歳、社会科教師。 |
4。 デビッド・カチャドリアン、57歳、数学教師。 |
銃撃は校舎の4階で、午後1時6分ごろから始まった。最初に、14歳の生徒のマイケル・ピーク (Michael Peek) が廊下を歩いていたところエイサとぶつかってしまったため、マイケルはエイサの顔面を殴った。そのままマイケルが立ち去ったところで、エイサはマイケルの腹部を撃った[2][8][9]。17歳の同じく学生のダーネル・ロジャース (Darnell Rodgers) は、マイケルが撃たれた廊下で撃たれ、弾丸は肘をかすめていった。 社会科教師のマイケル・グラッシー (Michael Grassie) は、エイサが教室内に入ろうとしたときに、胸部を撃たれた。数学教師のデビッド・カチャドリアン (David Kachadourian) は、廊下で学生を避難させていたところを、肩の後ろを撃たれた[2][10]。 銃撃の間、エイサは「呪われている」と口にしていた[5]。その後、エイサが別の部屋に入り、自身の頭部左側面を撃って、銃撃は終了した[6][11][12]。
銃撃から間もなく、学校は救急措置として封鎖された。教師2人はメトロヘルス・メディカル・センター (MetroHealth Medical Center) で治療を受け、生徒2人はレインボー小児病院 (Rainbow Babies&Children's Hospital) で治療を受けた[13]。加えて、14歳の学生の Trinnettay も、避難している学生に踏みつけられ、膝と背中に傷を負ったため入院した[14]。5人とも数日以内に退院した[15][16][17]。
動機
編集エイサは、神の存在について別の生徒と口論したため、事件の2日前に3日間の停学処分を受けていた [18][19]。エイサの叔父であるラリー・ルーニー (Larry Looney) によれば、エイサは言い争いについての話について、教師が聞く耳を持たなかったため怒っていると言っていたという[20]。同級生と複数の教師によると、エイサはゴシック・ファッションと基地外じみた立ち振る舞いのために、学校で他の学生からいじめを受けていたという。明らかにゴシックの出現と風変わりな行動のために学校の生徒によるいじめの標的となっており、銃撃の前の週には学生と教師の前で暴力を受けそうになっていた[3][12][21]。エイサの友人であるジョセフ・フレッチャー (Joseph Fletcher) は、彼は「奥へと押し込まれた」と言っており、教師らは彼の悩みに手を貸せなかったという[22]。 エイサの教師の一人であり、今回撃たれたマイケル・グラッシーは、クーンは世界史の授業の成績が落ちたために苛立ち、[23]それが彼を戦いへと駆り立ててしまったのではないかと語った[17]。少年裁判所の記録によると、エイサには犯罪歴があり、2005年からは精神面での問題も抱えており、2006年夏には精神病院にいたときは自殺の可能性があった[12][24]。
事後
編集事件発生のおよそ2時間後となる午後2時50分に、クリーブランド市長のフランク・G・ジャクソン (Frank G. Jackson) が会見を行い、サクセステックアカデミーの銃撃事件で学生3人を含む5人が負傷したことを発表した。また、うち4人は銃で撃たれたものの、学生は「安定」状態にあり、大人はより「高い」状態にあるとも発表した[25]。
クリーブランドメトロポリタン学区 (Cleveland Metropolitan School District) 内の学校は2日間休校となり、15日から再開された。事件のあったサクセステック・アカデミーでも16日から授業が再開された[26]。クリーブランドの公立学校システムは、学生の危険な行動を報告するための匿名ホットラインを設けた。また、クリーブランド内のすべての公立学校に金属探知機を設置し、キャンパスをパトロールするための武装警備員を雇う計画を発表しました。これらの計画に掛かる費用は330万ドルの費用がかかるとみこまれている[26]。
脚注
編集- ^ “Report: Teen shoots four; kills self at Cleveland high school”. Associated Press. CNN. (2007年10月10日) 2009年3月6日閲覧。
- ^ a b c O' Malley, Michael; Gabriel Baird (October 11, 2007). “Four shot at school, gunman kills himself”. The Plain Dealer. オリジナルのApril 13, 2009時点におけるアーカイブ。 2009年3月1日閲覧。
- ^ a b Maag, Chris; Ian Urbina (2007年10月10日). “Student, 14, Shoots 4 and Kills Himself in Cleveland School”. The New York Times 2009年2月25日閲覧。
- ^ “Police: Suspended boy shoots 4 at Ohio school”. MSNBC. (2007年10月10日) 2009年2月25日閲覧。
- ^ a b "5 Hospitalized After 14-Year-Old Goes on Shooting Rampage at Cleveland High School"
- ^ a b Miller, Donna (October 11, 2007). “SuccessTech shooter shot himself in the head”. The Plain Dealer 2009年1月24日閲覧。
- ^ Kollar (2007年10月11日). “School shooting victims on the mend”. WKYC. 2007年10月12日閲覧。
- ^ “New Video Shows Student Terror in Ohio”. Fox News. (October 11, 2007) 2009年8月17日閲覧。
- ^ “Shooting rips Cleveland tech school”. eSchool News (October 11, 2007). 2009年2月7日閲覧。
- ^ Stephens, Scott (2007年10月12日). “Wounded SuccessTech teacher shepherded students to safety” 2009年3月16日閲覧。
- ^ “Ohio school shooter had history of problems”. CNN. (October 11, 2007). オリジナルの2007年10月11日時点におけるアーカイブ。 2007年10月11日閲覧。
- ^ a b c Milicia, Joe (2007年10月11日). “4 Hurt, Gunman Killed in Ohio School”. The Washington Post 2009年3月7日閲覧。
- ^ “An inside account of school shooting”. The Plain Dealer. (2007年10月10日) 2009年3月16日閲覧。
- ^ Maag, Chris; Ian Urbina (2007年10月11日). “Student, 14, Shoots 4 and Kills Himself in Cleveland School”. The New York Times 2009年3月11日閲覧。
- ^ “Video From Cameras Inside School To Be Reviewed”. WEWS-TV. (2007年10月11日). オリジナルの2007年10月29日時点におけるアーカイブ。 2009年3月16日閲覧。
- ^ Kaufman, Gil (2007年10月16日). “Cleveland School Reopens After Shooting; Teacher Recalls Look Of 'Total Anger' On Gunman's Face”. MTV News 2009年3月16日閲覧。
- ^ a b “Teacher: Cleveland School Shooter Upset About Failing History”. Associated Press. Fox News. (2007年10月15日) 2009年3月7日閲覧。
- ^ Stephens, Scott; Rachel Dissell (2007年10月11日). “School shooter has record of violence, suicidal talk but was called genius by some”. The Plain Dealer 2009年3月7日閲覧。
- ^ “New Video Shows Student Terror in Ohio; Gunman's Brother Arrested”. Associated Press. Fox News. (2007年10月11日) 2009年2月28日閲覧。
- ^ Milicia, Joe (2007年10月12日). “Gunman's uncle: Teen upset with teachers”. USA Today 2009年3月3日閲覧。
- ^ “School gunman had access despite threats”. Associated Press. CTV News. (2007年10月11日) 2009年3月7日閲覧。
- ^ O'Donnell, Patrick (2007年10月10日). “Shooter "pushed too far"”. The Plain Dealer 2009年3月7日閲覧。
- ^ Wagner, Joseph L. (2007年10月16日). “Shooter Asa Coon was failing, says wounded SuccessTech teacher Michael Grassie”. The Plain Dealer 2009年3月7日閲覧。
- ^ Milicia, Joe (2007年10月11日). “Cleveland boy shoots 4, himself at school”. The Press Democrat 2009年3月7日閲覧。
- ^ “School shooting: 4 shot; gunman takes own life; police say teen led troubled life”. WKYC. (2007年10月10日) 2009年3月15日閲覧。
- ^ a b Tinsley, Jesse (2007年10月15日). “Cleveland schools reopen today, with new security plan”. The Plain Dealer 2009年3月7日閲覧。