コールドミラー
構造・特徴
編集ガラスに、屈折率に差異(大小)のある物質を厚さ「λ(波長)/4」で交互・多層に真空蒸着させた反射鏡[2]。蒸着膜の材料は「二酸化チタン(TiO2 )と二酸化ケイ素(SiO2 )の組み合わせ」「五酸化タンタル(Ta2 O5 )と二酸化ケイ素(SiO2 )の組み合わせ」「硫化亜鉛(ZnS)とフッ化マグネシウム(MgF2 )の組み合わせ」などが用いられている[3]。
可視光を反射し、赤外線(熱線)を透過させる特徴を持つ[2]。
用途
編集機器内部の温度上昇の抑制[4]、照明用途での熱線の影響の軽減[5]、などの用途で用いられる。具体的には、映画用映写機[2](1960年ごろ実用化[6])、液晶プロジェクター[7]、医療用照明器具(昭和40年代に実用化)[5]などに用いられている。
脚注
編集- ^ 「コールドミラー」『デジタル大辞泉』 。コトバンクより2021年11月18日閲覧。
- ^ a b c 山田幸五郎『光学の知識』東京電機大学出版局、1966年2月1日、325-326頁。ISBN 9784501603908 。2021年11月18日閲覧。
- ^ 菅原登、青木智則「薄膜材料」(PDF)『光学』第24巻第2号、日本光学会、1995年2月、79頁、ISSN 03896625、2021年11月18日閲覧。
- ^ 「コールドミラー」『世界大百科事典』 。コトバンクより2021年11月18日閲覧。
- ^ a b 関紀夫「どうなる手術用無影灯」(PDF)『照明学会誌』第81巻第12号、照明学会、1997年12月1日、1075頁、doi:10.2150/jieij1980.81.12_1072、ISSN 0019-2341、NAID 130006762627、2021年12月19日閲覧。
- ^ 原和雄「多層薄膜」(PDF)『真空』第4巻第11号、日本真空学会、1961年11月20日、473頁、doi:10.3131/jvsj.4.470、ISSN 0559-8516、NAID 130000871392、2021年12月19日閲覧。
- ^ 香西周二、稲葉豊、森和義、横尾義彦、鈴木章、浅田晃一「液晶カラービデオプロジェクタ」(PDF)『テレビジョン学会技術報告』第13巻第53号、映像情報メディア学会、1989年10月27日、51頁、doi:10.11485/tvtr.13.53_49、ISSN 0386-4227、NAID 110003684762、2021年12月19日閲覧。
関連文献
編集- 杉浦稔、吉池久夫「赤外反射膜材料」(PDF)『照明学会誌』第69巻第1号、照明学会、1985年1月1日、29-32頁、doi:10.2150/jieij1980.69.1_29、ISSN 0019-2341、NAID 130006761716、2021年11月19日閲覧。