コービン・バーンズ
コービン・ブライアン・バーンズ(Corbin Brian Burnes, 1994年10月22日 - )は、アメリカ合衆国カリフォルニア州ベーカーズフィールド出身のプロ野球選手(投手)。右投右打。MLBのボルチモア・オリオールズ所属。愛称はバーンジー(Burnesy)[2]。
ボルチモア・オリオールズ #39 | |
---|---|
ボルチモア・オリオールズ時代 (2024年5月2日) | |
基本情報 | |
国籍 | アメリカ合衆国 |
出身地 | カリフォルニア州ベーカーズフィールド |
生年月日 | 1994年10月22日(30歳) |
身長 体重 |
6' 3" =約190.5 cm 246 lb =約111.6 kg |
選手情報 | |
投球・打席 | 右投右打 |
ポジション | 投手 |
プロ入り | 2016年 MLBドラフト4巡目 |
初出場 | 2018年7月10日 |
年俸 | $10,010,000(2023年)[1] |
経歴(括弧内はプロチーム在籍年度) | |
| |
この表について
|
開幕から無四球での58奪三振のMLB記録を持つ[3]。また、MLBタイ記録及びギネス世界記録である10者連続奪三振達成者[4]。
経歴
編集プロ入りとブルワーズ時代
編集2016年のMLBドラフト4巡目(全体111位)でミルウォーキー・ブルワーズから指名され[5]、6月16日に契約を結び[6]プロ入り。契約後、傘下のルーキー級アリゾナリーグ・ブルワーズでプロデビュー。A級ウィスコンシン・ティンバーラトラーズでもプレーし、2球団合計で12試合(先発6試合)に登板して3勝0敗、防御率2.02、41奪三振を記録した[6]。
2017年はA+級カロライナ・マドキャッツとAA級ビロクシ・シャッカーズでプレーし、2球団合計で26試合に先発登板して8勝3敗、防御率1.67、140奪三振を記録した[6]。
2018年にMLB.comが発表したプロスペクトランキングでは、ブルワーズの組織内では2位にランクインした[7]。シーズンでは開幕からAAA級コロラドスプリングス・スカイソックスでプレーし、19試合(先発13試合)に登板して3勝4敗、防御率5.15、81奪三振を記録した[6]。7月8日にメジャー契約を結んでアクティブ・ロースター入りし[8]、10日のマイアミ・マーリンズ戦でメジャーデビュー。そのデビュー戦では4番手で登板して2回を無失点に抑え、初セーブを挙げた[9]。この年メジャーでは30試合に登板して7勝0敗、防御率2.61、35奪三振を記録した[6]。
2019年の開幕に向けて、先発ローテーションに組み込まれることが発表された。しかし、先発では不振に陥り、3試合の先発登板で11本塁打を浴びてしまった。その後、ブルペンに戻ることが発表された。だが、26試合の登板で防御率9.00とブルペンでも良い結果を残すことは出来なかった。7月15日に、肩の違和感により故障者リストに入った。
2020年はCOVID-19の影響で60試合の短縮シーズンとなる中で先発ローテーションの一角を担い、オールMLBチームの候補にも選出された。
2021年4月20日のサンディエゴ・パドレス戦で開幕からのシーズン40奪三振無四球のMLB記録を樹立した[10]。その後も記録を更新し続けたが、5月13日のセントルイス・カージナルス戦で無四球での連続三振記録が58で途切れた[3]。7月4日に選手間投票で自身初となるオールスターゲームに選出された[11]。7月13日に開催されたオールスターゲームでは2回表に先発投手のマックス・シャーザーの後を受けて2番手として登板したが、ブルージェイズのマーカス・セミエンに失点をされた[12]。3回表も続投したが、同じくブルージェイズのブラディミール・ゲレーロ・ジュニアに本塁打を打たれ、3回表限りで降板し敗戦投手となった[12]。8月11日のシカゴ・カブス戦でMLBタイ記録(史上4人目)の10者連続奪三振を達成[13]。これはギネス世界記録に認定されている[4]。9月11日のクリーブランド・インディアンス戦でジョシュ・ヘイダーと共に継投でのノーヒットノーランを達成した[14]。MLB全体では9度目、球団としては1987年以来2度目の快挙だった[14]。最終成績は11勝5敗、防御率2.43とFIP1.63はナ・リーグトップだった[6]。 オフの11月18日に全米野球記者協会(BBWAA)から球団史上3人目、自身初となるサイ・ヤング賞を受賞した[15]。11月23日に自身初めてオールMLBチームのファーストチーム先発投手の1人に選出された[16]。
2022年は自身初となる開幕投手を務めたが、5回3失点で勝敗はつかなかった。2年連続2度目となるオールスターゲームに選出されている。最終成績は12勝8敗、防御率2.94だった。前年に比べて防御率やFIPは数字を落としたものの、投球イニング数は大幅に増えた。 オフの11月16日にBBWAAから2位票が1、3位票が2、4位票が1、5位票が8の計20ポイントでサイ・ヤング賞7位となった[17]。
2023年7月8日にスペンサー・ストライダーの辞退に伴い、代替選手としてオールスターゲームに選出された[18]。7月は6試合に先発登板し、39回を投げて、防御率1.85、47奪三振を記録[19]。この成績が評価され、8月2日に自身初となるピッチャー・オブ・ザ・マンスを受賞した[19]。
オリオールズ時代
編集2024年2月1日にDL・ホール、ジョーイ・オルティス、2024年の戦力均衡ラウンドAドラフト指名権(全体34位)とのトレードで、ボルチモア・オリオールズへ移籍した[20]。
選手としての特徴
編集球種 | 割合 | 平均球速 | 最高球速 | ||
---|---|---|---|---|---|
% | mph | km/h | mph | km/h | |
カッター | 55.5 | 95.1 | 153.0 | 99.5 | 160.1 |
カーブ | 18.4 | 81.6 | 131.3 | ||
チェンジアップ | 9.8 | 90.3 | 145.3 | ||
スライダー | 9.2 | 88.1 | 141.8 | ||
シンカー | 6.8 | 96.3 | 155.0 | ||
フォーシーム | 0.2 | 96 | 154.5 |
速球と変化球(スライダー、カーブ)を巧みに操り、どの球種も回転数が高い。2018年はスライダーの空振り率が対右打者に限れば50%台に達している[21][22]。
詳細情報
編集年度別投手成績
編集年 度 |
球 団 |
登 板 |
先 発 |
完 投 |
完 封 |
無 四 球 |
勝 利 |
敗 戦 |
セ 丨 ブ |
ホ 丨 ル ド |
勝 率 |
打 者 |
投 球 回 |
被 安 打 |
被 本 塁 打 |
与 四 球 |
敬 遠 |
与 死 球 |
奪 三 振 |
暴 投 |
ボ 丨 ク |
失 点 |
自 責 点 |
防 御 率 |
W H I P |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
2018 | MIL | 30 | 0 | 0 | 0 | 0 | 7 | 0 | 1 | 3 | 1.000 | 152 | 38.0 | 27 | 4 | 11 | 2 | 3 | 35 | 2 | 1 | 11 | 11 | 2.61 | 1.00 |
2019 | 32 | 4 | 0 | 0 | 0 | 1 | 5 | 1 | 4 | .167 | 235 | 49.0 | 70 | 17 | 20 | 0 | 0 | 70 | 2 | 0 | 52 | 48 | 8.82 | 1.84 | |
2020 | 12 | 9 | 0 | 0 | 0 | 4 | 1 | 0 | 0 | .800 | 240 | 59.2 | 37 | 2 | 24 | 0 | 3 | 88 | 5 | 0 | 15 | 14 | 2.11 | 1.02 | |
2021 | 28 | 28 | 0 | 0 | 0 | 11 | 5 | 0 | 0 | .688 | 657 | 167.0 | 123 | 7 | 34 | 0 | 6 | 234 | 5 | 0 | 47 | 45 | 2.43 | 0.94 | |
2022 | 33 | 33 | 0 | 0 | 0 | 12 | 8 | 0 | 0 | .600 | 797 | 202.0 | 144 | 23 | 51 | 0 | 13 | 243 | 10 | 0 | 73 | 66 | 2.94 | 0.97 | |
2023 | 32 | 32 | 0 | 0 | 0 | 10 | 8 | 0 | 0 | .556 | 784 | 193.2 | 141 | 22 | 66 | 0 | 8 | 200 | 10 | 1 | 77 | 73 | 3.39 | 1.07 | |
2024 | BAL | 32 | 32 | 0 | 0 | 0 | 15 | 9 | 0 | 0 | .625 | 784 | 194.1 | 165 | 22 | 48 | 0 | 2 | 181 | 7 | 3 | 76 | 63 | 2.92 | 1.10 |
MLB:7年 | 199 | 138 | 0 | 0 | 0 | 60 | 36 | 2 | 7 | .625 | 3649 | 903.2 | 707 | 97 | 254 | 2 | 35 | 1051 | 41 | 5 | 351 | 320 | 3.19 | 1.06 |
- 2024年度シーズン終了時
- 各年度の太字はリーグ最高
年度別守備成績
編集年 度 |
球 団 |
投手(P) | |||||
---|---|---|---|---|---|---|---|
試 合 |
刺 殺 |
補 殺 |
失 策 |
併 殺 |
守 備 率 | ||
2018 | MIL | 30 | 5 | 2 | 1 | 1 | .875 |
2019 | 32 | 2 | 10 | 2 | 0 | .857 | |
2020 | 12 | 2 | 7 | 2 | 0 | .818 | |
2021 | 28 | 9 | 18 | 1 | 0 | .964 | |
2022 | 33 | 32 | 17 | 2 | 3 | .961 | |
2023 | 32 | 29 | 12 | 2 | 2 | .953 | |
2024 | BAL | 32 | 15 | 17 | 4 | 0 | .889 |
MLB | 199 | 94 | 83 | 14 | 6 | .927 |
- 2024年度シーズン終了時
- 各年度の太字はリーグ最高
タイトル
編集表彰
編集- ピッチャー・オブ・ザ・マンス:1回(2023年7月)
- サイ・ヤング賞:1回(2021年)[23]
- オールMLBチーム[24]
- ファーストチーム先発投手:1回(2021年)
記録
編集- MLBオールスターゲーム選出:4回(2021年、2022年、2023年、2024年)
- ノーヒットノーラン:1回(2021年9月11日、対クリーブランド・インディアンス戦)[注釈 1]
- 10打者連続奪三振(※ギネス世界記録認定)[4]
背番号
編集- 39(2018年 - )
脚注
編集- ^ “Corbin Burnes Contract Details, Salaries, & Earnings” (英語). Spotrac. 2023年8月24日閲覧。
- ^ Adam McCalvy (2018年8月9日). “See the Brewers Players' Weekend nicknames” (英語). MLB.com. 2018年10月2日閲覧。
- ^ a b Adam McCalvy (May 14, 2021). “Burnes' record streak: 58 K's before 1st walk” (英語). MLB.com. May 16, 2021閲覧。
- ^ a b c “Most consecutive strikeouts by a Major League Baseball pitcher” (英語). Guinness World Records. August 3, 2023閲覧。
- ^ Trevor Horn (2016年6月10日). “Burnes taken in fourth round by Milwaukee Brewers” (英語). Bakersfield.com. 2018年10月2日閲覧。
- ^ a b c d e f MLB公式プロフィール参照
- ^ Mike Rosenbaum (2018年2月22日). “Hiura headlines new-look Brewers Top 30 Prospects list” (英語). MLB.com. 2018年10月2日閲覧。
- ^ Mike Rosenbaum (2018年7月9日). “What to expect from Burnes with Brewers” (英語). MLB.com. 2018年10月2日閲覧。
- ^ “Milwaukee Brewers at Miami Marlins Box Score, July 10, 2018” (英語). Baseball-Reference.com. 2018年10月2日閲覧。
- ^ Adam McCalvy (April 21, 2021). “40 K's, 0 walks by Burnes has no precedent” (英語). MLB.com. April 26, 2021閲覧。
- ^ Sarah Langs, Thomas Harrigan (July 11, 2021). “Your 2021 MLB All-Stars by position” (英語). MLB.com. July 13, 2021閲覧。
- ^ a b Adam McCalvy, Do-Hyoung Park (July 14, 2021). “Burnes, Peralta anchor Brewers at ASG” (英語). MLB.com. July 29, 2021閲覧。
- ^ "ブルワーズのバーンズが史上4人目の10人連続奪三振". スポーツ報知. 報知新聞社. 12 August 2021. 2021年8月12日閲覧。
- ^ a b c Anthony Castrovince (September 12, 2021). “Crew combines on record-breaking no-hitter” (英語). MLB.com. September 14, 2021閲覧。
- ^ a b “Brewers’ Corbin Burnes wins tight Cy Young race” (英語). BBWAA – Baseball Writers' Association of America (November 17, 2021). November 17, 2021閲覧。
Adam McCalvy (November 17, 2021). “Burnes crowned NL Cy Young in close vote” (英語). MLB.com. November 18, 2021閲覧。 - ^ Anthony Castrovince (November 24, 2021). “The '21 All-MLB Team is here. And it's stacked” (英語). MLB.com. November 24, 2021閲覧。
- ^ “Marlins’ Sandy Alcantara rolls to unanimous victory in Cy Young race” (英語). BBWAA – Baseball Writers' Association of America (November 16, 2022). November 17, 2022閲覧。
- ^ Theo DeRosa (July 8, 2023). “5 pitchers named as All-Star Game replacement players” (英語). MLB.com. July 9, 2023閲覧。
- ^ a b Shanthi Sepe-Chepuru (August 2, 2023). “Monthly award winners for July announced” (英語). MLB.com. August 3, 2023閲覧。
- ^ “Brewers trade former Cy Young winner Burnes to Orioles” (英語) (February 2, 2024). February 2, 2024閲覧。
- ^ 「2018 プロスペクト・ランキングTOP101」『月刊スラッガー』2018年5月号 日本スポーツ企画出版社 47頁
- ^ 「2018プレーオフ選手名鑑 ミルウォーキー・ブルワーズ」『月刊スラッガー』2018年11月号 日本スポーツ企画出版社 56頁
- ^ “Cy Young” (英語). MLB.com. November 19, 2021閲覧。
- ^ “All-MLB Team” (英語). MLB.com. November 27, 2021閲覧。
注釈
編集関連項目
編集外部リンク
編集- 選手の通算成績と情報 MLB、ESPN、Baseball-Reference、Fangraphs、The Baseball Cube、Baseball-Reference (Register)
- Corbin Burnes stats MiLB.com
- Corbin Burnes (@Burnes16) - X(旧Twitter)
- Corbin Burnes (@corbinburnes) - Instagram