コロ語 (インド)
インドで話される言語
コロ語は、インド北東部におけるごく少数者による言語。シナ・チベット語の特徴を有する。
コロ語 | |
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話される国 | インド |
地域 | アルナーチャル・プラデーシュ州 東カメン県 |
話者数 | 1,500(2011年) |
言語系統 | |
言語コード | |
ISO 639-3 |
jkr |
消滅危険度評価 | |
Definitely endangered (Moseley 2010) |
概要
編集コロ語は、シナ・チベット語族に属する言語グループである。2008年、「コロ語」の存在が明らかになった。
2010年、ナショナルジオグラフィック協会が支援する少数文化・言語研究において、言語学者がインド北東部のアルナーチャル・プラデーシュ州を訪れ、アカ語(ハニ語)およびミジ語の調査をしたおり、「コロ語」が両者とは音の組み合わせや発音などにおいてまったく系統の異なる言語であることに気づき、それまでまったく文献資料に記載されなかった言語として、2010年10月に発表された[1]。
特徴と話者
編集言語学者のチームを率いるスワースモア大学(アメリカ合衆国ペンシルベニア州)のデヴィッド・ハリソン准教授は「アカ語とコロ語の響きには、英語と日本語ほどの大きな違いがある」と指摘しており、また、他のチベット・ビルマ語派のいずれとも深いつながりがみられないとしている。コロ語は、表記のための文字を持たず、話者は800人程度にすぎないが、その大半は20歳以上であり、若年の話者がいないため消滅の危機に瀕している。若年者の多くはヒンディー語や英語への転換が顕著にみられるという。
コロ語話者とアカ語話者のいずれも共通言語を用いないが、いずれの話者も互いの言語に違いがあるとは考えていないと観察されている。少数言語の研究者であるグレゴリー・アンダーソンによれば、民族的な違いを互いに認識しないほど同化の進んだ2種族のなかに、体系の異なる別の言語が共存しているのはきわめて珍しい事例であるという[2]。
その他
編集脚注
編集- ^ “未知の「コロ語」発見 インド北東部の山岳地帯”. MSN産経ニュース. (2010年10月16日). オリジナルの2010年10月16日時点におけるアーカイブ。 2022年11月13日閲覧。
- ^ インド山岳地帯で未知の言語を確認(ナショナル・ジオグラフィック社 - エキサイトニュース2010年10月6日配信)
- ^ グーグルが「絶滅危惧」の少数言語を守るプロジェクトを開始(CNN News 2012年6月22日)2012年6月22日閲覧
外部リンク
編集- インド奥地で未知の言語見つかる 使用者わずか800人 - ウェイバックマシン(2010年10月9日アーカイブ分)(CNN2010年10月6日配信)
- インド山岳地帯で未知の言語を確認(ナショナル・ジオグラフィック社 - エキサイトニュース2010年10月6日配信)
- Science Daily: New Language Identified in Remote Corner of India(英語)
- Enduring Voices Project(英語)
- Living Tongues Institute for Endangered Languages(英語)
- Ethnologue report for language code jkr - エスノローグ