コレクター (自販機本)

日本の雑誌

コレクター』は群雄社自動販売機本部門「海鳴書房」が発行していた1982年創刊のサブカルチャー雑誌。発行人は明石賢生

概要

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本誌の体裁はあくまで自動販売機用のポルノ雑誌であったが、実態は群雄社1979年から1981年にかけて発行していた伝説的自販機本Jam』『HEAVEN』の系譜を受け継いだニューウェーブ雑誌だった。

編集長が3度交代しており、時期によって誌面が大きく異なるため、便宜上3期に分ける。

第1期

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創刊当初は蛭子能収根本敬泉昌之ら『ガロ』の漫画家をはじめ、コミケ創始者の米沢嘉博コラム山上たつひこ紳士録」(単行本未収録)を執筆していたほか[1]幻の名盤解放同盟ミニコミ誌『突然変異』のスタッフが参加するなど[2]、最初からエロ要素は表紙とグラビアだけで中身はサブカルチャー系の雑誌だった[3]

第2期

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初代編集長の木村聡[4]が降板すると、2代目編集長にはロリコン漫画誌の草分けである『漫画ブリッコ』の編集者・緒方源次郎(=小形克宏)が就任する[1]。それに伴い竹熊健太郎大塚英志高取英ら『漫画ブリッコ』関係者がコラムを執筆していたほか、当時は無名同然だった女流漫画家岡崎京子桜沢エリカニューウェーブ漫画家宮西計三がイラストを寄稿するなど、後に著名になる作家陣や編集陣が軒並み顔を揃えた、今からすれば豪華な誌面が展開されていた[1]

第3期

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その後、編集長の緒方が他の仕事で忙しくなったため、編集部に遊びに来ていた女子大生を3代目編集長に指名する。以降は女性週刊誌の体裁に近い女性向け特集が増えていったという[1]。その後、1984年群雄社が倒産。それと同時に本誌も発行を停止したとみられるが、詳細は不明である。

脚注

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  1. ^ a b c d ばるぼら「日本出版史のターニング・ポイント 自販機本の世界」『エロ本黄金時代』、51 - 61頁。 
  2. ^ 谷地淳平「ミニコミ誌の思い出 番外編 自販機本
  3. ^ ピストン原田(アリス出版EVE』編集長)×木村聡(群雄社コレクター』編集長)×原芳一「【座談会】さらば! 自販機本蟹工船―中身を見せずに売る商品のありのまま」別冊宝島240『性メディアの50年―欲望の戦後史ここに御開帳!』宝島社 1995年12月
  4. ^ 竹熊健太郎のツイート 2022年7月8日