ケイ酸カルシウム英語Calcium silicate)とは、ケイ酸塩類の一種であり、酸化カルシウム二酸化ケイ素などが様々な割合で結合した組成物の総称である[3]。略称としてケイカルなどが知られる。石灰石珪藻土などから得られ、健康に害は見られないため食品添加物として認められている。低仮比重で、吸湿性に優れる。肥料などに使われるほか、防火性にも優れ、煉瓦断熱材、屋根瓦としても使われる。

ケイ酸カルシウム
識別情報
CAS登録番号 1344-95-2 チェック, 111811-33-7 hydrate チェック, 12168-85-3 calcium oxide チェック
PubChem 1494144154858 hydrate25523 calcium oxide
ChemSpider 14235 ×
23811 calcium oxide チェック
UNII S4255P4G5M チェック
EC番号 235-336-9
E番号 E552 (pH調整剤、固化防止剤)
KEGG D03309 ×
MeSH Calcium+silicate
特性
化学式 Ca2O4Si
モル質量 172.24 g mol−1
外観 White crystals
密度 0.29 g/cm3 (solid)[1]
融点

1540 °C, 1813 K, 2804 °F

への溶解度 0.01% (20 °C)[1]
熱化学
標準生成熱 ΔfHo −1630 kJ·mol−1[2]
標準モルエントロピー So 84 J·mol−1·K−1[2]
危険性
安全データシート(外部リンク) ICSC 1401
主な危険性 刺激性
NFPA 704
0
2
0
引火点 該当なし
許容曝露限界 TWA 15 mg/m3 (total) TWA 5 mg/m3 (resp)[1]
特記なき場合、データは常温 (25 °C)・常圧 (100 kPa) におけるものである。

化学組成例

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窯業分野で、ケイ酸二石灰( )、ケイ酸三石灰( )と呼ばれるもののほか、 , , , , , , などがある。

 にはα,αH,αL,β,γの5種類の結晶構造が存在しており,常温ではγ相が安定である.[4]

用途

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食品添加物
日本では、2008年(平成20年)に添加物に指定されており、主に固結防止剤製造用剤に使われる。
WHOが設置した「食品添加物の合同専門委員会」は、1970年(昭和45年)に「二酸化ケイ素及びその他のケイ酸化合物」の「一日摂取許容量を特定しない」と評価している[3]
建材
健康問題で注目を浴びたアスベストの安価な代替として、耐火断熱性に優れた素材として、ケイカル板などの名前で建材として使用されている。しかし、アスベストの健康問題が発覚する前に製造されたケイカル板には、アスベストを混入した製品があるため注意が呼びかけられている[5]
肥料
水稲等の好ケイ酸植物への肥料として使用した場合、葉茎を強くし、イネの光合成を高めて登熟を促進する効果や、水の吸収をよくする効果などがみられる[6]。稲に付くいもち病の抑制効果も有する[7]
いちごうどんこ病抑止効果も発見されている[8]

出典

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  1. ^ a b c NIOSH Pocket Guide to Chemical Hazards 0094
  2. ^ a b Zumdahl, Steven S. (2009). Chemical Principles 6th Ed.. Houghton Mifflin Company. p. A21. ISBN 0-618-94690-X 
  3. ^ a b 参考資料 4 分科会 幸 告品目 (食品添加物関係)厚生労働省
  4. ^ Ca2SiO4のβ→γ転移に及ぼす熱履歴の影響
  5. ^ 目で見るアスベスト建材(第2版)(国土交通省)
  6. ^ ケイ酸で気象に影響されない土づくりを!! ( JA魚沼みなみ)
  7. ^ 籾がら焼却灰は市販のケイ酸資材と同等のイネいもち病発病抑制効果を有する(農業・食品産業技術総合研究機構)
  8. ^ 島根型養液栽培におけるケイ酸質肥料によるイチゴのうどんこ病発生抑制効果島根県農業技術センター)

関連項目

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  • スラグ:鉄などを生産する時に出る残留物に、ケイ酸カルシウムが多く含まれるため、重金属など有害な物質が無い場合は、肥料などに活用されている。
  • 耐火建築物
  • バーミキュライト