グリーンランドノルド語

グリーンランドノルド語は、かつてグリーンランドヴァイキングの入植者により、話されていたインド・ヨーロッパ語族ゲルマン語派北ゲルマン語群西スカンディナヴィア語群に属する言語である。982年頃、ノルウェー生まれ(アイスランド生まれとする説もある)のアイスランド人ヴァイキング赤毛のエイリークがグリーンランドに入植し、それ以後、定住したことによりこの言語が形成された。グリーンランドでのヴァイキングの定住者が14世紀頃から減少するとともに衰退し、15世紀後半には定住者がいなくなり、それとともに消滅したものと考えられている。

グリーンランドノルド語
話される国 グリーンランド
地域 北アメリカ
消滅時期 15世紀頃(遅くとも16世紀)
言語系統
言語コード
ISO 639-2 non
ISO 639-3 non
Linguist List non-gre
テンプレートを表示

例文

編集

1824年に発見されたウペルナビク近郊でキンギグトルスアクの石碑に書かれていた文章。この石碑は13世紀のヴァイキング作と推定されるルーン石碑で、三人のヴァイキングの名前や付近のケアンの組み立て方法などが記されていた。

原文
el=likr * sikuaþs : so=n:r * ok * baan=ne : torta=r son :
ok enriþi * os son : laukardak*in : fyrir * gakndag
hloþu * ua=rda te * ok rydu :[1]
英語に翻訳されたもの
Ellikr Sikuaþssonr and Baanne Tortarson
and Enriþi Osson, the Saturday before Rogation Sunday
made these stone cairns and cleared(?)
 
キンギグトルスアクのルーン石碑

参考文献

編集
  • Bandle, Oskar (2002). The Nordic Languages : An International Handbook of the History of the North Germanic Languages : Volume 2. ISBN 3-11-017149-X.
  • Barnes, Michael (2005). "Language" in A Companion to Old Norse-Icelandic Literature and Culture, ed. by Rory McTurk. ISBN 0-631-23502-7.
  • Jahr, Ernst Håkon and Ingvild Broch (1996). Language Contact in the Arctic : Northern Pidgins and Contact Languages. ISBN 3-11-014335-6.

外部リンク

編集

脚注

編集
  1. ^ The Rundata database, downloaded and accessed on January 12, 2008.