ク11は、日本小型飛行機(日本小型)が大日本帝国陸軍向けに試作した輸送用滑空機軍用グライダー)。

概要

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1941年(昭和16年)末、日本小型は陸軍航空技術研究所に対して兵員輸送用滑空機ク11の開発を提案し、社内名称「K-11」として開発を開始した。設計は宮原旭技師が担当。試作一号機(ク11I)は1942年(昭和17年)7月に立川飛行場で初飛行し、審査後に改修を加えたク11IIの試作機2機が制作された。しかし、ク11IIの完成および生産準備が遅れたため、陸軍は四式特殊輸送機の量産を優先しク11の開発中止を命じた。1945年(昭和20年)になり金属資源が欠乏すると、全木製機であるク11の生産が再開されたが、部品の生産段階で終戦を迎えた。

機体は全木製、一部羽布張りで、降着装置は投下式車輪と橇。横に開く機首から兵員12名を乗降させることが可能であり、高い曳航速度を誇る。曳航機には九七式重爆撃機が用いられた。

諸元(ク11II)

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  • 全長:12.8 m
  • 全幅:18.0 m
  • 全高:2.3 m
  • 主翼面積:40.0 m2
  • 自重:1,260 kg
  • 全備重量:2,500 kg
  • 最大曳航速度:300 km/h
  • 乗員:2名
  • 輸送兵員:12名

参考文献

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  • 野沢正 『日本航空機総集 九州・日立・昭和・日飛・諸社篇』 出版協同社、1980年、95・96頁。全国書誌番号:81001674
  • 佐原晃『日本陸軍の試作・計画機 1943〜1945』イカロス出版、2006年、180,181頁。ISBN 978-4-87149-801-2