クルスク原子力発電所(ロシア語: Курская АЭС)はロシア連邦クルスクから40km西のセイム川の岸に存在する原子力発電所。原子炉建設工事開始時にすぐ近くに原発城下町クルチャトフ英語版が作られた。電力はクルスク州と19の地域に送電している。

クルスク原子力発電所
クルスク原子力発電所
クルスク原発の運転室
クルスク原子力発電所の位置(ロシア内)
クルスク原子力発電所
ロシアにおけるクルスク原子力発電所の位置
ロシア
座標 北緯51度40分30秒 東経35度36分20秒 / 北緯51.67500度 東経35.60556度 / 51.67500; 35.60556 (クルスク原子力発電所)座標: 北緯51度40分30秒 東経35度36分20秒 / 北緯51.67500度 東経35.60556度 / 51.67500; 35.60556 (クルスク原子力発電所)
現況 運転中
着工 1972年6月1日
運転開始 1977年10月12日
運営者 ロスエネルゴアトム
原子炉
運転中 4 x 1000 MW
運転中止 2 x 1000 MW
発電量
平均発電量 22,760 GWh
正味年間発電量 536,921 GWh
2007年7月22日現在
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概要

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原子炉の形式は現在では廃止されているチェルノブイリ原子力発電所と同型の黒鉛減速沸騰軽水圧力管型原子炉であった。発電所はもともと原子炉2基であったが1978年から1985年にかけて2基増設された。また、5号機を建設する計画が存在したが、計画は中止された。

クルスク原子力発電所と隣接したクルチャトフは1991年のアメリカのテレビ映画Chernobyl: The Final Warningでチェルノブイリ原子力発電所とプリピャチとして撮影が行われた。

現在、同地にクルスク第二原子力発電所を建設する計画が存在し、4基の新型VVERの導入が計画されている。

原子炉

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クルスク原子力発電所は現在までに4基の原子炉が建設されている。

原子炉[1] 原子炉形式 正味発電量 総発電量 建設開始 送電開始 商用運用 停止
1号機 (Kursk 1) RBMK-1000 925 MW 1,000 MW 1972年6月1日 1976年12月19日 1977年10月12日 2021年12月19日[2]
2号機 (Kursk 2) 1973年1月1日 1979年1月28日 1979年8月17日 Kursk II-1稼働後 (計画)
3号機 (Kursk 3) 1978年4月1日 1983年10月17日 1984年3月30日 Kursk II-2稼働後 (計画)
4号機 (Kursk 4) 1981年5月1日 1985年12月2日 1986年2月5日
5号機 (Kursk 5) 1985年12月1日 - 2012年8月15日、建設中止
6号機 (Kursk 6)[3] 1986年8月1日 1993年12月1日、建設中止
第2発電所1号機 (Kursk II-1)[4] VVER V-510 1,115 MW 1,255 MW 2018年4月29日[5] -
第2発電所2号機 (Kursk II-2) 2019年4月15日

ロシアのウクライナ侵攻と発電所

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2022年ロシアのウクライナ侵攻によりロシアとウクライナは交戦状態に陥った。当初、戦場はほぼウクライナ国内に限られていたが、2024年8月に入るとウクライナがロシア側に逆侵攻を開始したことでクルクス州一帯にも影響が及び始めた[6]。 同月17日、ロシアはウクライナがクルスク原子力発電所への攻撃を計画しているとして非難[7]。 その後、国際原子力機関は、ロシア側より使用済み核燃料の保管施設から約100メートルの場所でドローンの残骸があったとの通知を受けたことを発表[8]。これを受けて同月27日、国際原子力機関グロッシ事務局長が現地視察を実施。周辺地域で戦闘が行われていることに加え、建屋に保護ドームがないことを指摘。チョルノービリ原子力発電所と同一視することは行き過ぎとしつつも、安全性に強い懸念を示した[9]

脚注

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  1. ^ Power Reactor Information System of the IAEA: „Russian Federation: Nuclear Power Reactors“
  2. ^ ロシアでRBMKのクルスク1号機が永久閉鎖 - 原子力産業新聞 日本原子力産業協会
  3. ^ Kursk-6 on the PRIS of the IAEA
  4. ^ Kursk 2-1 on the PRIS of the IAEA
  5. ^ First concrete poured at Kursk II”. World Nuclear News (2018年4月30日). 2018年5月6日閲覧。
  6. ^ ウクライナの越境攻撃、目的は「緩衝地帯」の設置”. CNN (2024年8月19日). 2024年8月19日閲覧。
  7. ^ ウクライナがクルスク原発攻撃を計画、ロシア主張”. ロイター (2024年8月19日). 2024年8月23日閲覧。
  8. ^ 「原発に攻撃」ロシア主張 IAEAトップ、現地視察へ”. 時事通信 (2024年8月23日). 2024年8月23日閲覧。
  9. ^ ロシア西部クルスク原発「核事故の恐れ」、IAEA事務局長が視察”. ロイター (2024年8月28日). 2024年8月28日閲覧。

関連項目

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外部リンク

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