クリスエヴァートクリスエバート(Chris Evert1971年 - 2001年)はアメリカ合衆国競走馬繁殖牝馬1974年ニューヨーク牝馬三冠馬エクリプス賞最優秀3歳牝馬。1988年アメリカ競馬名誉の殿堂博物館に殿堂馬として選出された。

クリスエヴァート
欧字表記 Chris Evert
品種 サラブレッド
性別
毛色 栗毛
生誕 1971年
死没 2001年1月8日(30歳没)
Swoon's Son
Miss Carmie
母の父 T.V. Lark
生国 アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
生産者 Echo Valley Horse Farm
馬主 Carl Rosen
調教師 J.A.Trovato(アメリカ)
競走成績
生涯成績 15戦10勝
獲得賞金 679,475ドル
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経歴

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カール・ローゼンはキーンランドイヤリングセールで栗毛の牝馬を32000ドルで購入し、ローゼンの所有するスポーツ用品店のバックアップを受けていた若手のテニスプレイヤー・クリス・エバートにちなんでクリスエヴァートと名付けられた。

戦績

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1973年メイドン、アローワンスと勝利しG1競走のフリゼットステークスに駒を進めたが2着に敗れた。その後はG3競走のゴールデンロッドステークス、デモワゼルステークスと連勝し2歳シーズンを終えた。

3歳になり、緒戦は3着に敗れたものの分割競走として施行されたエイコーンステークスで前走で敗れたクリアコピーに雪辱を果たし、マザーグースステークスでも勝利。三冠目であるコーチングクラブアメリカンオークスでも勝利し史上3頭目のニューヨーク牝馬三冠馬となった。

ハリウッドオークスに勝利したミスマスケットの馬主アーロン・ジョーンズはローゼンに互いに100,000ドルずつ出し合い、勝者が全ての賞金を得るというルールでマッチレースを持ちかけた。これにハリウッドパーク競馬場がさらに150,000ドルを出して"ハリウッドスペシャルステークス"の名でマッチレースが行われることになった。賞金350,000ドルは当時行われていたどの競走の賞金よりも高かった。そして東海岸で活躍したクリスエヴァートと、西海岸で活躍したミスマスケットとのマッチレースが実現したが、レースは一方的な展開となり、クリスエヴァートがミスマスケットに50馬身もの差をつけて優勝した。

ニューヨークに戻りアラバマステークスに出走したがクビ差の2着に敗れ、牡馬相手となるトラヴァーズステークスでは2番人気に推されたが3着に敗れた。その後年末のカニヴァーステークスで復帰し勝利、4歳になると再び西海岸に行きラカナダステークスで勝利した。その後のサンタマルガリータハンデキャップでは1番人気に推されたが8着に大敗し引退した。

競走成績

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出走日 競馬場 競走名 距離 着順 騎手 着差 1着(2着)馬
1973.09.14 ベルモントパーク メイドン D6f 1着 L.ピンカイ,Jr. 1 3/4馬身 (Maud Muller)
1973.10.02 ベルモントパーク アローワンス D6f 1着 L.ピンカイ,Jr. 3 1/4馬身 (Flshing Lady)
1973.10.06 ベルモントパーク フリゼットS G1 D8f 2着 M.カスタネダ 1/2馬身 Bundler
1973.11.03 チャーチルダウンズ ゴールデンロッドS G3 D7f 1着 L.ピンカイ,Jr. 1 1/4馬身 (Bundler)
1973.11.14 アケダクト デモワゼルS G3 D8f 1着 L.ピンカイ,Jr. 1 1/4馬身 (Ambalero)
1974.05.01 アケダクト カムリーS G3 D7f 3着 J.ヴェラスケス 4 1/2馬身 Clear Copy
1974.05.11 アケダクト エイコーンS G1 D8f 1着 J.ヴェラスケス 3/4馬身 (Clear Copy)
1974.06.01 ベルモントパーク マザーグースS G1 D9f 1着 J.ヴェラスケス 1/2馬身 (Maud Muller)
1974.06.22 ベルモントパーク CCAオークス G1 D12f 1着 J.ヴェラスケス 3 1/2馬身 (Fiesta Libre)
1974.07.20 ハリウッドパーク ハリウッドスペシャルS D10f 1着 J.ヴェラスケス 50馬身 (Miss Musket)
1974.08.10 サラトガ アラバマS G1 D10f 2着 J.ヴェラスケス クビ Quaze Quilt
1974.08.17 サラトガ トラヴァーズS G1 D10f 3着 J.ヴェラスケス 4 1/2馬身 Holding Pattern
1974.12.31 アケダクト カニヴァーS D6f 1着 J.ヴェラスケス 1/2馬身 (Superstitious)
1975.02.01 サンタアニタ ラカナダS D8.5f 1着 J.ヴェラスケス ハナ (Mercy Dee)
1975.03.01 サンタアニタ サンタマルガリータH G1 D9f 8着 J.ヴェラスケス 7 1/4馬身 Tizna

引退後

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引退後はカール・ローゼンの馬産における基礎牝馬となるため、できて間もないスリーチムニーズファームで繁殖牝馬となった。母の名から、テニスに関係した名を付けられた産駒が多い。シックスクラウンズとウィンブルドンスターがステークスウィナーになったほか、産駒の5頭の牝馬は繁殖にあがったのち仔や孫にステークスウィナーを輩出するなど、その牝系は大きく発展した。特に、シックスクラウンズはチーフズクラウンやクラシッククラウンを輩出し、チーフズクラウンは種牡馬として成功している。クリスエヴァートは1990年に繁殖からも引退していたが、2001年に老化による衰弱のため安楽死の処置がとられ、スリーチムニーズファームに埋葬された。

1988年アメリカ競馬名誉の殿堂博物館に殿堂馬として選出された。

ファミリーライン

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牝系図の主要な部分(G1競走優勝馬、日本の重賞馬、その他個別記事のある馬)は以下の通り。*は日本に輸入された馬。

牝系図の出典:galopp-sieger

---クリスエヴァート系

血統表

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クリスエヴァート (Chris Evert)血統テディ系 / Bull Dog 3×5.5=18.25%、The Porter 5×5=6.25%) (血統表の出典)

Swoon's Son
1953 鹿毛
父の父
The Doge
1942 鹿毛
Bull Dog Teddy
Plucky Liege
My Auntie Busy American
Babe K.
父の母
Swoon
1942 栗毛
Sweep Like Sweep
Lady Braxted
Sadie Greenock Greenock
Silk Lady

Miss Carmie
1966 鹿毛
T.V. Lark
1957 鹿毛
Indian Hemp Nasrullah
Sabzy
Miss Larksfly Heelely
Larksnest
母の母
Twice Over
1956 黒鹿毛
Ponder Pensive
Miss Rushin
Twosy Bull Lea
Two Bob F-No.23-b


外部リンク

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