キャップ投げ
キャップ投げ(キャップなげ)とは、ペットボトルのキャップを弾く遊び[1]及び競技。キャップ野球とも呼ばれ、 独特の投げ方によって生み出される様々な変化球(キャップ)が存在する[2]。
キャップ投げ | |
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キャップの持ち方 | |
通称 | キャップ投げ、キャップ野球 |
起源 | 2018- |
特徴 | |
身体接触 | 無 |
男女混合 | 混合可 |
用品 | キャップ |
実施状況 | |
競技地域 | 日本 |
概要
編集2017年に京都大学に在籍していた日野湧也によるキャップ投げの動画がツイッターやユーチューブで拡散し、「キャップ投げ」という言葉で定着した[3]。
歴史
編集ペットボトルキャップを投げる遊びは昔からあったと推測されるが[誰?]、競技化されたのは京都大学の学生によって京都大学キャップ投げ倶楽部が設立されたことに起源を持つ[3]。競技としての「キャップ投げ」は主に「キャップ野球」の呼称が用いられている。
黎明期
編集初のキャップ投げ倶楽部の創立者であり、発案者の日野湧也は父の仕事の都合で1歳で渡米をしていた。ロサンゼルス郊外のミドルスクールに通っていた12歳の時、授業中、机の上に置かれていた飲み終えたペットボトルのキャップを先生の目を盗んでごみ箱目がけて投げると、見事にゴールし熱中するようになる[4]。その後、直球や変化球の投球練習、制球力を高める練習を一人でひたすら繰り返し、さまざまな投げ方を考案する[4]。
倶楽部の設立
編集日野湧也が17歳で日本に帰った後、京都大学に進学し、入学式後の法学部の新入生の前で「キャップ投げ倶楽部をつくります」と呼びかけ、立ち上げる[4]。
その後キャップ投げを実演した動画がネット上で反響を呼び、若年層を中心に日本各地でキャップ投げを嗜む団体ができる動きが起こった[5]。2019年には全国大会が開催された。(ドデカミン杯)
競技リーグの発足
編集関東地区
編集2019年にリーグが発足した[6]。年々参加チームが増加しており、2021年秋は7チーム、2022年春は2リーグ計16チームが参加した。
中部地区
編集2021年に滋賀、愛知の6チームでリーグが発足した。
関西地区
編集2022年に京都、兵庫、大阪の5チームでリーグが発足した。
一般社団法人の設立
編集2022年06月01日に一般社団法人「日本キャップ野球協会(JCBA)」が設立され、各地域の有志統括団体が集約されると同時に法人格を持つこととなった。
全国大会
編集東西統一蓋祭(とうざいとういつふたまつり/3月)
編集東西地区でそれぞれ予選を行い代表を選出し、日本一を決める全国大会。
これまでの開催履歴と各地区代表・優勝チームは以下のとおりである。
年 | 大会名称 | 西日本予選チーム数 | 西日本代表 | 東日本予選チーム数 | 東日本代表(決勝トーナメント進出) | 優勝 | 準優勝 |
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2019 | 第一回東西統一蓋祭[8] | 3 | 京都大学 | 4 | 一橋大学 | 京都大学 | 一橋大学 |
2021 | 第二回東西統一蓋祭[9] | 4 | 京都大学 | 7 | 東京世田谷(東京都/有志) 北海道連合(北海道大学,北海学園大学の連合チーム) |
東京世田谷 | 京都大学 |
2022 | 第三回東西統一蓋祭[10] | 5 | 京都大学 | 14 | 城東(東京都/有志) Eintracht(神奈川/有志) 北海道大学 |
北海道大学 | 城東 |
2023 | 第四回東西統一蓋祭 | 9 | 23 |
基本的にトーナメント方式であるが、2022年の第3回大会東日本予選では試験的にスイス式トーナメントが導入された。
蓋ざんまい/蓋ノ陣(8月)
編集地区予選を行わず、参加チームで予選リーグ、決勝トーナメントを行う方式の全国大会。 千葉県佐倉市、茨城県石岡市、千葉県長生郡、京都府亀岡市などで開催実績がある。
地域ごとに開催される大会
編集チームシャッフル大会(2月/10月)
編集所属チームの垣根を越えて親睦を深めることを目的とした、シャッフルしたチームメンバーで競う大会。
新人戦(6-7月)
編集各チームの新人(1年生)のみが出場資格を持つ予選リーグ、決勝トーナメントからなる大会。関東、関西で分けて開催される。
大福大会/三皿大会(5月)
編集福岡県で開催される予選リーグ、決勝トーナメントからなる全国大会。
特殊な大会
編集世代戦(3月)
編集生まれ年が同じ選手から選抜されたチーム同士で競うイベント。
ルール
編集現在はルール策定・考案委員会が存在し、競技ルールを定めている。
一般社団法人 日本キャップ野球協会 - 規則・規約に公式キャップ野球規則が掲載されている。
イニング
編集大会やリーグの規定によって異なるが、1試合3-6イニングで競われる。第一回公式キャップ投げ大会では予選は3回制で決勝は6回制であった。
盗塁・リード
編集塁上の走者のリード、盗塁は無し。
競技フィールド
編集- ホームから13メートルの距離に背の低いフェンスを設置。
- ホームから両翼8mの地点とマウンドを結ぶ線と、ファウルラインで形成される五角形の内側をアウトゾーンとして定めている。
- バッターボックスの終端から1.8mの距離にパスボールラインを定める。
守備について
編集- 内野の守備は投手・捕手・内野手2人の計4人である。
- アウトはアウトゾーンにキャップが停止する、三振、ノーバウンドでフライをキャッチされることによってアウトを宣告される。
チームの人数
編集- 大会やリーグの規定によって異なるが1チームの人数は5-7人。
ヒットに関して
編集- 一塁打:ヒットゾーンまでキャップが飛ぶ。
- 二塁打:後ろのフェンスまで1バウンド以上でキャップが到達する。
- 三塁打:後ろのフェンスにノーバウンドでキャップが直撃する。
- ホームラン:ノーバウンドでフェンスを超える。
デッドボール
編集長らくデッドボールはボール扱いであったが、2021年3月の大会から首と頭部へキャップが当たった場合、デッドボールという扱いになった。
振り逃げ・パスボール・ワイルドピッチについて
編集- パスボール・ワイルドピッチは投じられたキャップがパスボールラインを割ると塁上の走者に進塁権が与えられる。
- 投じられたキャップが4ボール目の場合、パスボールラインを割ってもボールデッドとなり、進塁権は発生しない。
- 投じられたキャップが3ストライク目の場合、パスボールラインを割ると振り逃げとして扱われ、打者のみが一塁への進塁権を与えられる。野球と異なり、一塁が埋まっていても振り逃げは発生する。満塁の場合は四球同様、押し出しとなる。
脚注
編集- ^ “ボトルキャップで野球をやろう!”. KODOMO新聞. 読売新聞オンライン (2019年12月2日). 2020年3月10日閲覧。
- ^ “ユニバーサルスポーツ「キャップ投げ」を普及させたい! 京都大学キャップ投げ倶楽部が活動費への支援を募るクラウドファンディング開始”. valuepress (2019年9月20日). 2020年3月18日閲覧。
- ^ a b “キャップ投げ、あきれるほど見事な競技 ハマる若者続々”. 朝日新聞デジタル (2018年6月15日). 2020年3月18日閲覧。
- ^ a b c “「キャップ投げ」もはや日本文化に…海外に進出 この魅力伝えたい!”. withnews (2018年9月18日). 2020年3月18日閲覧。
- ^ “もはやスポーツだ「キャップ投げ」 全国で競技者増、考案者に直撃取材”. J-CASTトレンド (2018年5月2日). 2020年3月10日閲覧。
- ^ “ホーム | 関東キャップリーグ”. 関東キャップ野球協会. 2020年3月6日閲覧。
- ^ “大会日程”. JCBA一般社団法人日本キャップ野球協会. 2023年2月23日閲覧。
- ^ “第1回東西統一蓋祭”. キャップ野球情報局. 2023年2月23日閲覧。
- ^ “第2回東西統一蓋祭”. キャップ野球情報局. 2023年2月23日閲覧。
- ^ “第3回東西統一蓋祭”. キャップ野球情報局. 2023年2月23日閲覧。