キャッツキルアケダクト
キャッツキルアケダクト(英語名:Catskill Aqueduct)は、キャッツキル山地のアショカン貯水池からニューヨーク市まで水道水を供給するための、トンネル構造の上水道導水路である。
全長147.2kmで[1]、世界一長いトンネルである[2](cf. 世界一の一覧#橋)。
ニューヨーク市への水道水供給の40%以上を担う。
歴史
編集建設は1907年に始まり、導水路は1916年に完成した。3つのダムと67のシャフト(立坑)を含むキャッツキル水道システム全体は1924年に完成した[3]。この水道システム全体の総工費は$1億7700万であった[4]。32マイル (51 km)の区間は技術者のFrank E. Winsorが建設を監督した。
仕様
編集導水路の全長は163-マイル (262 km)で、55マイル (89 km)の開削導水路、28マイル (45 km)以上のgrade tunnel、35マイル (56 km)の圧力トンネル (pressure tunne)、6マイル (9.7 km)の鉄のサイフォン、そして39マイル (63 km)のコンジットで構成されている。67のシャフトは174フィート (53 m)から1,187フィート (362 m)まで用途に応じて深さを変えることができる[5]。水は重力によってこの導水路を約4フィート毎秒 (1.2 m/s)の速さで流れる[6]。
給水能力は、ケンシコ貯水池 (en) より北の区間では1日あたり約5億5000万米ガロン(2,100,000m3)、さらに南のヒルビュー貯水池 (en) までの区間は1日あたり8億8000万米ガロン(3,300,000m3)[7]である。平均では1日あたり約3億5000万–4億米ガロン(1,500,000m3)の水を運んでいる。
地理
編集キャッツキルアケダクトは、ニューヨーク市から約92-マイル (148 km) 北にあるアルスター郡のアショカン貯水池 (en) を起点に南東へ流れ、アルスター郡、オレンジ郡、そしてパットナム郡を通過する。アショカン貯水池には、スカハリー貯水池 (en) からもシャンデークン・トンネル (en) を16-マイル (26 km)およびエソプス川 (en) を11-マイル (18 km) 通って水が流れ込んでいる[8]。そしてウエストチェスター郡に入り、ケンシコ貯水池 (en) へ流れ入る。この貯水池にはデラウェアアケダクト (en) からも水が流れ込んでいる。さらにこの貯水池から流れ出て、ヒルビュー貯水池 (en) まで流れ込む。この貯水池からCity Tunnel 1および2を通って、ニューヨーク市に水道水を供給する。
関連項目
編集脚注
編集- ^ History of the NYC water supply
- ^ 大連と山東を結ぶ、世界最長「渤海海峡トンネル」建設の構想
- ^ Geology and history of the NYC water supply system - Merguerian, 2000c
- ^ Catskill Water Supply: A General Description and Brief History
- ^ Geology and history of the NYC water supply system - Merguerian, 2000c
- ^ Water Supply and Distribution Timeline - Greatest Engineering Achievements of the Twentieth Century
- ^ New York City water supply system
- ^ The Hudson River Guidebook By Arthur G. Adams