キム・コリンズ
キム・コリンズ(Kim Collins、1976年4月5日 - )は、セントクリストファー・ネイビスの陸上競技選手。100mの40歳以上世界最高記録保持者(9秒93)。2003年世界選手権男子100mの金メダリストである。
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2009年撮影 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
選手情報 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
フルネーム | キム・コリンズ | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
ラテン文字 | Kim Collins | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
国籍 | セントクリストファー・ネイビス | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
種目 | 短距離走 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
生年月日 | 1976年4月5日(48歳) | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
身長 | 180 cm | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
体重 | 77 kg | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
成績 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
オリンピック |
100m 6位 (2004年) 200m 6位 (2008年) 4x100mR 予選2組4着 (1996年) | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
世界選手権 |
100m 優勝 (2003年) 200m 3位 (2001年) 4x100mR 3位 (2011年) | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
地域大会決勝 |
コモンウェルスゲームズ 100m 優勝 (2002年) | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
最高世界ランク | 100m 7位 9秒99 (2003年) | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
自己ベスト | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
50m | 5秒75 (2009年) | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
60m | 6秒47 (2015年) | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
100m | 9秒93 (2016年) | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
200m | 20秒20 (2001年) | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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編集 |
経歴
編集コリンズは、1997年の世界選手権でメジャーな大会にデビューしている。このときは1次予選で予選落ちした。その後、力をつけてゆき、2000年シドニーオリンピックでは、決勝進出を果たし、7位入賞を果たした。
2001年は、世界選手権の200mにおいて20秒20を記録し、セントクリストファー・ネイビス初となる銅メダルを獲得した。2002年のコモンウェルスゲームズの100mで、9秒98で走り、メジャーな大会で初の金メダルを獲得した。しかし、レース後のドーピング検査で陽性と判定される。だが、これは彼が数年間摂取している薬に反応したものであり、彼が報告を怠っていただけということで失格とはならなかった。
2003年には、ついに世界選手権の100mで金メダルを獲得した。この大会は、準決勝で優勝候補のモーリス・グリーンが敗退するなど、波乱の展開であった。決勝は、0.02秒の間に上位4人がゴールするという接戦で、その接戦をコリンズが制し、セントクリストファー・ネイビス初となる世界選手権での金メダルを獲得した。
2004年アテネオリンピックでは、セントクリストファー・ネイビス選手団の旗手を務め、前回大会の7位を上回る6位入賞を果たしている。2005年の世界選手権ではアメリカのジャスティン・ガトリン、ジャマイカのマイケル・フレイターに次いで3位に入り銅メダルを獲得。3大会連続の表彰台の栄誉に輝いた。
2009年9月、現役引退を発表したが[1][2]、体調良好を理由に2011年1月29日に現役復帰を果たした。
2011年の世界選手権では、ジャマイカのウサイン・ボルトがフライングで失格になる波乱の展開の中、3位に入り銅メダルを獲得。また、400mリレーでも3位に入り、この大会で2つの銅メダルを手にした。
2012年ロンドンオリンピックの開会式では、アテネ大会以来2大会ぶりにセントクリストファー・ネイビス選手団の旗手を務めた。しかし、大会期間中に妻との面会を代表団指導部から断られ、それを不服として100mに出場せず、数日間行方不明になっていた[3]。その結果、100m以外に200mと4×100mRに出場予定だったが代表から外された[4]。
2013年7月4日に行われたダイヤモンドリーグのアスレティッシマ100mにおいて9秒97(+2.0)をマークし、自身の持つセントクリストファー・ネイビス記録を11年ぶりに0秒01更新した。この時のコリンズの年齢は37歳90日で、これは最年長9秒台記録であり、リンフォード・クリスティと並ぶ35歳以上世界最高記録でもあった。6日後に行われたハンガリー国際グランプリ100mでも9秒99(+0.2)をマークして、35歳以上で9秒台を2回マークした初の選手となった[5]。
2014年2月25日にプラハで行われた室内60mにおいて6秒49のセントクリストファー・ネイビス記録を樹立すると[6]、7月20日にロンドンで行われた100mでも9秒96(+1.0)のセントクリストファー・ネイビス記録(35歳以上世界最高記録)を樹立し[7]、自身の持つ最年長9秒台記録を38歳106日に更新した。
2015年2月1日にモスクワ、3日にトルンで行われた室内60mにおいてセントクリストファー・ネイビス記録となる6秒48をマークすると、同月17日にウッチで行われた室内60mでは更にタイムを縮める6秒47の中央アメリカ・カリブ海タイ記録をマークした[8]。5月30日に行われたダイヤモンドリーグ第3戦ユージーン大会プレフォンテインクラシック100mでは9秒99(+1.5)をマークし、自身の持つ最年長9秒台記録を39歳55日に更新すると、6月13日のセントクリストファー・ネイビス選手権100mでは39歳と69日に更新する9秒98(+1.8)をマークした。8月22日には世界選手権100mに出場し、トロイ・ダグラスが保持していた男子100mの最年長出場記録(38歳と248日)を39歳と139日に塗り替えた[9]。
2016年3月18日にポートランドで開催された世界室内選手権の60mに出場し、男子60mの最年長出場記録(38歳と26日)と最年長ファイナリスト記録(35歳と337日)を39歳と348日に塗り替え[10]、決勝では6秒56で8位に入った。40歳になってから約1ヶ月後の5月7日に100mで10秒09(+1.0)をマークし、トロイ・ダグラスが保持していた40歳以上世界最高記録(10秒29)を塗り替えると、5月29日には100mで自身の持つセントクリストファー・ネイビス記録を0秒03塗り替える9秒93(+1.9)をマーク。最年長9秒台記録も40歳と54日に塗り替え、40歳以上で9秒台をマークした初の選手となった[11][12]。
主要大会の結果
編集年度 | 大会 | 場所 | 種目 | 記録 | 結果 |
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1996 | オリンピック | アトランタ(アメリカ) | 100m | 10.34(-0.2) | 2次予選 |
400mR | 40.12 | 予選 | |||
1997 | 世界選手権 | アテネ(ギリシャ) | 100m | 21.73(-0.6) | 1次予選 |
1999 | 世界選手権 | セビリア(スペイン) | 100m | 10.50(-0.9) | 1次予選 |
200m | 20.95(+0.1) | 1次予選 | |||
2000 | オリンピック | シドニー(オーストラリア) | 100m | 10.17(-0.3) | 7位 |
200m | 20.57(+0.3) | 準決勝 | |||
2001 | 世界選手権 | エドモントン(カナダ) | 100m | 10.07(-0.2) | 5位 |
200m | 20.20(+0.1) | 銅 | |||
2002 | コモンウェルスゲームズ | マンチェスター(イギリス) | 100m | 9.98(+0.2) | 金 |
200m | DNS | 1次予選 | |||
2003 | 世界室内選手権 | バーミンガム(イギリス) | 60m | 6.53 | 銀 |
2003 | 世界選手権 | パリ(フランス) | 100m | 10.07(0.0) | 金 |
2004 | オリンピック | アテネ(ギリシャ) | 100m | 10.00(+0.6) | 6位 |
2005 | 世界選手権 | ヘルシンキ(フィンランド) | 100m | 10.05(+0.4) | 銅 |
2007 | 世界選手権 | 大阪(日本) | 100m | 10.21(+0.3) | 準決勝 |
2008 | 世界室内選手権 | バレンシア(スペイン) | 60m | 6.54 | 銀 |
2008 | オリンピック | 北京(中国) | 100m | 10.05(-0.1) | 準決勝 |
200m | 20.59(-0.9) | 6位 | |||
2009 | 世界選手権 | ベルリン(ドイツ) | 100m | 10.20(-0.4) | 2次予選 |
200m | 20.84(0.0) | 2次予選 | |||
2011 | 世界選手権 | テグ(韓国) | 100m | 10.09(-1.4) | 銅 |
200m | 20.64(-1.0) | 準決勝 | |||
400mR | 38.49(2走) | 銅 | |||
2012 | オリンピック | ロンドン(イギリス) | 100m | DNS | 予選 |
2015 | 世界選手権 | 北京(中国) | 100m | 10.16(+2.1) | 予選 |
2016 | 世界室内選手権 | ポートランド(アメリカ) | 60m | 6.56 | 8位 |
オリンピック | リオデジャネイロ(ブラジル) | 100m | 10.12(+0.2) | 準決勝 | |
400mR | 39秒81(2走) | 予選 | |||
2018 | 世界室内選手権 | バーミンガム(イギリス) | 60m | DNS | 準決勝 |
年次ベスト
編集年 | 100m | 風速 | 備考 |
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1995年(19歳) | 10秒63 | ||
1996年(20歳) | 10秒27 | +0.1 | |
1997年(21歳) | 21秒73 | -0.6 | |
1998年(22歳) | 10秒18 | +0.5 | |
1999年(23歳) | 10秒21 | -0.1 | |
2000年(24歳) | 10秒13 | +0.6 | |
2001年(25歳) | 10秒04 | -0.2 | |
2002年(26歳) | 9秒98 | +0.2 | 同タイムを3回マーク(+0.2,+1.6,+2.0)。 |
2003年(27歳) | 9秒99 | +1.3 | |
2004年(28歳) | 10秒00 | +0.6 | |
2005年(29歳) | 10秒00 | +1.0 | |
2006年(30歳) | 10秒33 | +0.1 | |
2007年(31歳) | 10秒14 | +1.7 | |
2008年(32歳) | 10秒05 | -0.1 | |
2009年(33歳) | 10秒15 | +0.6 | |
2010年(34歳) | 10秒20 | +0.4 | |
2011年(35歳) | 10秒00 | +0.4 | |
2012年(36歳) | 10秒01 | +1.4 | |
2013年(37歳) | 9秒97 | +2.0 | |
2014年(38歳) | 9秒96 | +1.0 | |
2015年(39歳) | 9秒98 | +1.8 | |
2016年(40歳) | 9秒93 | +1.9 | セントクリストファー・ネイビス記録、40歳以上世界最高記録 |
2017年(41歳) | 10秒20 | +0.3 | |
2018年(42歳) | 10秒37 | +2.0 |
年 | 60m | 備考 |
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1999-2000 | 6秒53 | |
2000-2001 | 6秒58 | |
2002-2003 | 6秒58 | |
2004-2005 | 6秒54 | |
2007-2008 | 6秒54 | |
2008-2009 | 6秒58 | |
2010-2011 | 6秒50 | |
2011-2012 | 6秒56 | |
2012-2013 | 6秒53 | |
2013-2014 | 6秒49 | |
2014-2015 | 6秒47 | セントクリストファー・ネイビス記録、35歳以上世界最高記録 |
2015-2016 | 6秒49 | |
2016-2017 | 6秒52 | 40歳以上世界最高記録 |
2017-2018 | 6秒60 |
自己ベスト
編集- 50m - 5秒75 (2009年2月10日)
- 60m - 6秒47 (2015年2月17日) セントクリストファー・ネイビス記録、35歳以上世界最高記録
- 100m - 9秒93 (2016年5月29日) セントクリストファー・ネイビス記録、40歳以上世界最高記録
- 200m - 20秒20 (2001年8月9日)
最年長記録
編集脚注
編集- ^ Thanks For The Memories: Kim Collins Retires - Winn FM (St. Kitts Nevis) News. 2009年9月15日
- ^ Collins, 2003 World 100m champion, retires. - Raynor, Kayon (2009-09-29). IAAF
- ^ 陸上元金メダリストが妻に会うため競技に不参加 The Voice of Russia 「ロシアの声」 (2012-8-4). 2014年12月3日閲覧。
- ^ コリンズ、代表から外される…練習を何度も休む 読売新聞 YOMIURI ONLINE (2012-8-5). 2014年12月3日閲覧。
- ^ “Kim Collins wins in Hungary”. Classified World News (2013年7月11日). 2014年12月3日閲覧。
- ^ “KIM COLLINS RUNS PERSONAL BEST”. The St. Kitts-Nevis Times facebook (2014年2月25日). 2015年2月19日閲覧。
- ^ 従来の35歳以上世界最高記録はリンフォード・クリスティの9秒97だった。
- ^ “Whiting, Collins and Ortega set world leads in Lodz”. 国際陸上競技連盟 (2015年2月17日). 2015年2月19日閲覧。
- ^ “Beijing 2015 Statistics Handbook (41ページのYOUNGEST & OLDESTを参照)”. 国際陸上競技連盟. 2016年3月19日閲覧。
- ^ “Portland 2016 Statistics Handbook (25ページのYOUNGEST & OLDESTを参照)”. 国際陸上競技連盟. 2016年3月19日閲覧。
- ^ “Kim Collins Runs Personal Best to become fastest man in history over Age 35 years”. Times Caribbean (2016年5月29日). 2016年5月30日閲覧。
- ^ “40 is just a number, says on-fire Kim Collins”. Jamaica Observer (2016年6月8日). 2016年6月10日閲覧。
外部リンク
編集- キム・コリンズ - ワールドアスレティックスのプロフィール
- キム・コリンズ - Olympedia
- TBS「世界陸上ヘルシンキ」 天然系仰天スプリンター キム・コリンズ
記録 | ||
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先代 リンフォード・クリスティ (9秒97) 1995年9月23日 |
男子100m 35歳以上世界最高記録保持者 (9秒96 - 9秒93) 2014年7月20日 - 2017年8月5日 |
次代 ジャスティン・ガトリン (9秒92) 2017年8月5日 |
先代 トロイ・ダグラス (10秒29) 2003年6月7日 |
男子100m 40歳以上世界最高記録保持者 (10秒09 - 9秒93) 2016年5月7日 - |
次代 未定 |
先代(タイ記録保持者) レローン・クラーク (6秒47) 2012年2月18日 |
男子60m 室内中央アメリカ・カリブ記録保持者 (6秒47) 2015年2月17日 - 2016年3月18日 |
次代 アサファ・パウエル (6秒44) |
先代 Stefan Burkart (38歳230日) 1996 アトランタ |
オリンピック男子100m 最年長出場記録保持者 (40歳131日) 2016 リオデジャネイロ |
次代 未定 |
先代 リンフォード・クリスティ (33歳135日) 1993 シュトゥットガルト |
世界選手権男子100m 最年長メダリスト記録保持者 (35歳145日) 2011 大邱 |
次代 ジャスティン・ガトリン (35歳176日) 2017 ロンドン |
先代 リンフォード・クリスティ (35歳126日) 1995 ヨーテボリ |
世界選手権男子100m 最年長ファイナリスト記録保持者 (35歳145日) 2011 大邱 |
次代 ジャスティン・ガトリン (35歳176日) 2017 ロンドン |
先代 トロイ・ダグラス (38歳248日) 2001 エドモントン |
世界選手権男子100m 最年長出場記録保持者 (39歳139日) 2015 北京 |
次代 未定 |
先代 ドウェイン・チェンバース (35歳337日) 2014 ソポト |
世界室内選手権男子60m 最年長ファイナリスト記録保持者 (39歳348日) 2016 ポートランド |
次代 未定 |
先代 Tony Ichiou (38歳26日) 2003 バーミンガム |
世界室内選手権男子60m 最年長出場記録保持者 (39歳348日・41歳332日) 2016 ポートランド・2018 バーミンガム |
次代 未定 |
オリンピック | ||
先代 Diane Francis 1996 アトランタ |
セントクリストファー・ネイビス選手団 旗手 2000 シドニー / 2004 アテネ |
次代 Virgil Hodge 2008 北京 |
先代 Virgil Hodge 2008 北京 |
セントクリストファー・ネイビス選手団 旗手 (開会式*) 2012 ロンドン |
次代 アントワーヌ・アダムス 2016 リオデジャネイロ |