カルテット (ハービー・ハンコックのアルバム)
ハービー・ハンコックのアルバム
『カルテット』(Quartet)は、アメリカ合衆国のジャズ・ミュージシャン、ハービー・ハンコックが1981年に録音・1983年に発表したスタジオ・アルバム。LPは2枚組だが、CDは1枚にまとめられた。
『カルテット』 | ||||
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ハービー・ハンコック の スタジオ・アルバム | ||||
リリース | ||||
録音 | 1981年7月28日 東京 CBS・ソニー信濃町スタジオ [1] | |||
ジャンル | ジャズ | |||
時間 | ||||
レーベル | コロムビア・レコード | |||
プロデュース | ハービー・ハンコック、デヴィッド・ルービンソン | |||
専門評論家によるレビュー | ||||
ハービー・ハンコック アルバム 年表 | ||||
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背景
編集ハンコックが1981年の日本公演の合間に録音したアルバムの一つである。本作の前日の7月27日には、ハンコック、ロン・カーター、トニー・ウィリアムスの3人によるアルバム『ハービー・ハンコック・トリオ'81』(同年11月21日に日本で先行発売)が録音され[2]、続く本作のセッションには、ツアーに帯同していたウィントン・マルサリスも参加した[1]。また、マルサリスのリーダー・デビュー作『マルサリスの肖像』収録曲の一部も当時の日本のセッションで録音され、カーターとウィリアムスは4曲でリズム・セクションを務めて、うち3曲にはハンコックも参加した[3]。収録曲のうち「ウェル・ユー・ニードント」と「ラウンド・ミッドナイト」はセロニアス・モンクのカヴァーで、ハンコックは後年、映画『ラウンド・ミッドナイト』のサウンドトラックで「ラウンド・ミッドナイト」を再演した[1]。
サイドマンを務めたマルサリスが人気を博したことから、本作は日本独自企画とならず、アメリカのコロムビア本社からも発売された[4]。
反響・評価
編集アメリカでは『ビルボード』のジャズ・アルバム・チャートで5位に達した[5]。リチャード・S・ギネルはオールミュージックにおいて5点満点中4点を付け「ハンコックおよびV.S.O.P.のリズム隊が、当時19歳のウィントン・マルサリスを迎え、若い世代に向けた1980年代のアコースティック・ジャズ・リヴァイヴァルへ繋げていった、極めて象徴的なアルバム」と評している[4]。
収録曲
編集- ウェル・ユー・ニードント - "Well You Needn't" (Thelonious Monk) - 6:27
- ラウンド・ミッドナイト - "'Round Midnight" (T. Monk, Bernie Hanighen, Cootie Williams) - 6:40
- クリア・ウェイズ - "Clear Ways" (Tony Williams) - 5:02
- ア・クイック・スケッチ - "A Quick Sketch" (Ron Carter) - 16:27
- アイ・オブ・ザ・ハリケーン - "The Eye of the Hurricane" (Herbie Hancock) - 8:05
- パレード - "Parade" (R. Carter) - 8:00
- ザ・ソーサラー - "The Sorcerer" (H. Hancock) - 7:17
- ピー・ウィー - "Pee Wee" (T. Williams) - 4:33
- アイ・フォール・イン・ラヴ・トゥー・イージリー - "I Fall in Love Too Easily" (Jule Styne, Sammy Cahn) - 5:53
参加ミュージシャン
編集- ハービー・ハンコック - ピアノ
- ウィントン・マルサリス - トランペット
- ロン・カーター - ダブル・ベース
- トニー・ウィリアムス - ドラムス
脚注
編集- ^ a b c d “Quartet”. herbiehancock.com. 2023年2月22日閲覧。
- ^ “Trio”. herbiehancock.com. 2023年2月22日閲覧。
- ^ “Wynton Marsalis Discography”. Jazz Discography Project. 2023年2月22日閲覧。
- ^ a b Ginell, Richard S. “Herbie Hancock, Herbie Hancock Quartet - Quartet Album Reviews, Songs & More”. AllMusic. 2023年2月22日閲覧。
- ^ “Herbie Hancock - Awards”. AllMusic. 2016年1月30日時点のオリジナルよりアーカイブ。2023年2月22日閲覧。