カルグーリー
カルグーリー(Kalgoorlie)は西オーストラリア州の州都パースの東方、約600 kmの内陸部に位置する、ゴールドフィールズ・エスペランス地域内の都市である。ゴールドラッシュの起こった19世紀末には金鉱の町として繁栄を極めたが、その後、人口は減少傾向に転じ、現在は3万人を割り込んでいる。
鉱業
編集カルグーリーが乾燥気候であるのにもかかわらず、居住者が見られるのは、ここに金山が有るからであり、20世紀を通して金(Au)の採掘が行われてきた。さらに、金だけでなく、その後、ニッケルの鉱山も操業した[1]。この場所には、鉄道が通じており、鉱産物の輸送にも使用されてきた。なお、飲料水や生活用水などは、長大なパイプラインを用いてパース方面から送られている。
政治と鉄道
編集かつてオーストラリアが連邦へ移行しようとしていた時期に、現在の西オーストラリア州の部分では、連邦には参加せずに、分離独立の動きも出ていた。しかし、西オーストラリア州がオーストラリア連邦へ加入する見返りに、ポートピリーからカルグーリーまでの鉄道が、連邦政府によって建設された[2]。
歴史
編集この付近では、1893年に金が発見された[1]。もっとも、当時はカルグーリーではなく、「イースト・クールガーディー(East Coolgardie)」という地名だった[1]。金鉱の町として栄え、一時は西オーストラリアではパースとフリーマントルの次に大きい都市であったクールガーディーの東方にあったことからイースト・クールガーディーと呼ばれた。クールガーディーにあった初期の金鉱は完全に掘り尽くされ、残されたゴーストタウンは、20世紀末以降は観光地として利用されている[1]。一方で、地域の中心地はカルグーリーに移動したが、カルグーリーの繁栄も金鉱の生産とともに衰えていった。カルグーリーの町とボールダー(Boulder)の郡は、カルグーリー=ボールダー市(Kalgoorlie-Boulder)として1989年2月1日に合併した。
名称
編集この町の「カルグーリー」という名称は、"place of the silky pears"という意味である、地元アボリジニの地名であるKarlkurla(gull-gull-la と発音)を元にしている。
関連項目
編集出典
編集- ^ a b c d ブルーガイド海外版出版部(編集)『ブルーガイド・パシフィカ ① オーストラリア(第5改訂版)』 p.179 実業之日本社 1990年12月25日発行 ISBN 4-408-00601-7
- ^ ブルーガイド海外版出版部(編集)『ブルーガイド・パシフィカ ① オーストラリア(第5改訂版)』 p.179 実業之日本社 1990年12月25日発行 ISBN 4-408-00601-7