カスピエル
鬼神学の伝統におけるデーモンもしくは天使
カスピエル(Caspiel)は、鬼神学の伝統におけるデーモンもしくは天使である。その名は「神に閉じ込められた」を意味し、月を司る。
ラッド博士の『天使魔術論』ではソロモン王の使役した善霊・悪霊のひとつに挙げられており、「南方を支配する偉大な皇帝」とされ、200人の大公爵と400人の小公爵を従えているとされる[1]。15世紀のドイツの聖職者トリテミウスの文献『秘密書法』に記載された精霊のひとつでもあり、昼と南を司るという。このように、よく南に関連づけられる精霊である。
ローズマリ・エレン・グィリーによれば、ソロモン王に率いられる「ソロモンの精霊」(aerial spirit of solomon)と呼ばれる31人の内[2]の1人である。
ヘブライ語の『第三エノク書』に現れる天使カフシエル(Qafsiel)はカスピエル(Qaspiel)とも呼ばれ、メルカバーの幻視に至る途上の天上の第七の宮殿の門番のひとりである[3]。この天使は『天使ラジエルの書』にも月界の天使として記載されている。
31人の精霊で彼の部下としては、南東を支配するアシリエル(asyriel)[4]、南の王バルミエル(Barmiel)[5]、西の支配者マセリエル(Maseiel)[6]、副司令官であるゲディエル(Gediel)[7]がいる。
脚注
編集参考文献
編集- 『悪魔事典』 新紀元社、2000年、96-97頁。
- フレッド・ゲティングズ 『悪魔の事典』 大瀧啓裕 訳、青土社、1992年。
- ローズマリ・エレン・グィリー『悪魔と悪魔学の事典』原書房 2016年