カザリドリ科(カザリドリか、学名 Cotingidae)は、鳥類スズメ目の科である。

カザリドリ科
アンデスイワドリ
分類
ドメイン : 真核生物 Eukaryota
: 動物界 Animalia
: 脊索動物門 Chordata
亜門 : 脊椎動物亜門 Vertebrata
: 鳥綱 Aves
: スズメ目 Passeriformes
亜目 : タイランチョウ亜目 Tyranni
小目 : タイランチョウ小目 Tyrannida
: カザリドリ科 Cotingidae
シノニム

Cotinginae

和名
カザリドリ(飾鳥)
ビショクチョウ(美飾鳥)
英名
Cotingas

24属

カザリドリ(飾鳥)と総称される。古くはビショクチョウ(美飾鳥)とも呼ばれた[1]

特徴

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新熱帯区中南米熱帯、ただしカリブ諸島を除く)に生息する。古い資料ではジャマイカにも生息するとあるが、ジャマイカのクロカザリドリモドキ Pachyramphus niger は現在はハグロドリ科である。

性的二型を示す。雄には鮮やかな色の冠羽飾り羽肉垂れなどがあるが、雌は地味な外観である。

主に果実食だが、昆虫食などもいる。

系統と分類

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系統樹は Ohlson et al. (2007)[2]; Tello et al. (2009)[3]; ToL (2009)[4]より。

タイランチョウ小目

タイランチョウ科 Tyrannidae

カザリドリ科
fruiteaters

カンムリカザリドリ属 Ampelion

ミドリカザリドリ属 Pipreola

ズグロカザリドリ属 Carpornis

Ampelioides clade

ホオジロカザリドリ Zaratornis

ウロコカザリドリAmpelioides

Doliornis

クサカリドリ属 Phytotoma

Rupicola clade

イワドリ属 Rupicola

アカクロカザリドリ属 Phoenicircus

? Snowornis

core cotingas

ベニカザリドリ Haematoderus

マエカケカザリドリ Querula

アカフサカザリドリ Pyroderus

ハゲガオカザリドリ Perissocephalus

カサドリ属 Cephalopterus

カザリドリ属 Cotinga

キンクロカザリドリ属 Tijuca

ムジカザリドリ属 Lipaugus

ハシブトカザリドリ Porphyrolaema

スズドリ属 Procnias

ムラサキカザリドリ属 Xipholena

ユキカザリドリ属 Carpodectes

カオグロカザリドリ Conioptilon

ハゲクビカザリドリ Gymnoderus

マイコドリ科 Pipridae

ハグロドリ科 Tityridae

カザリドリ科は、新世界亜鳴禽類の2大グループの1つタイランチョウ小目の1科である。ただし小目内の系統関係は解けていない。カザリドリ科の姉妹群についてはマイコドリ科、残りのタイランチョウ小目、ハグロドリ科といった説がある。

ハグロドリ科はタイランチョウ小目内の複数科から近縁な属を集めた科で、カザリドリ科からはハグロドリ属 Tityraカザリドリモドキ属 Pachyramphusワキムラサキカザリドリ属 Iodopleuraモズカザリドリ属 Laniisomaトガリハシ Oxyruncus が移された。カザリドリ科のハグロドリ亜科とされることもあったが (Prum et al. 2000[5])、現在は別科とされる。

Ohlson et al. (2007)[2]はカザリドリ科を4つの大きな系統に分けたが、いくつかの属の系統位置は不確実である。ズグロカザリドリ属は4系統のいずれにも属さない[3]Snoworniscore cotingas 内の基底に位置するが、Rupicola clade に近縁とする説もある[3]

Prum et al. (2000)[5]はカザリドリ科を4亜科に分けたが、そのうちハグロドリ亜科は現在は別科なので、現在のカザリドリ科は彼らの3亜科にからなる。クサカリドリ亜科 PhytotominaeAmpelion clade に、カザリドリ亜科 Cotinginaecore cotingasSnowornis を含む)にあたる。イワドリ亜科 Rupicolinaefruiteaters + Rupicola clade にあたるが、これはおそらく単系統ではない。

ツバメカザリドリ Phibaluraキクイタダキカザリドリ Calyptura の系統位置は不確実であり、国際鳥類学会議 (IOC) やアメリカ鳥学会 (AOU) 南アメリカ分類委員会 (SACC) は科未定としている。

Sibley & Ahlquist (1990) では、タイランチョウ小目をタイランチョウ科1科とし、カザリドリ科はその中のカザリドリ亜科 Cotinginae としていた。

クサカリドリ属はかつて単型科のクサカリドリ科 Phytotomidae とされたことがあった。

属と種

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国際鳥類学会議 (IOC)[6] より。ただし Ohlson et al. (2007)[2]による5つの系統(4つの系統と孤立した1属)に分けた。和名は厚生労働省[7]などより。24属64種。

fruiteaters

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ズグロカザリドリ属

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Ampelioides clade

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Rupicola clade

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core cotingas

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出典

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  1. ^ 竹下信雄, “カザリドリ”, 日本大百科全書, Yahoo!百科事典, 小学館, http://100.yahoo.co.jp/detail/%E3%82%AB%E3%82%B6%E3%83%AA%E3%83%89%E3%83%AA/ 
  2. ^ a b c Ohlson, J.I.; Prum, R.O.; Ericson, P.G.P. (2007), “A molecular phylogeny of the cotingas (Aves: Cotingidae)”, Mol. Phylogenet. Evol. 42: 25–37, http://www.nrm.se/download/18.25ba04a21296cc434f980001045/Ohlson+et+al+2006+Cotingas+MPEV+2006.pdf 
  3. ^ a b c Tello, J.G.; Moyle, R.G.; et al., “Phylogeny and phylogenetic classification of the tyrant flycatchers, cotingas, manakins, and their allies (Aves: Tyrannides)”, Cladistics 25 (5): Pages 429–467, doi:10.1111/j.1096-0031.2009.00254.x 
  4. ^ Harshman, J. (2009), “Pipridae. Manakins”, Tree of Life Web Project, 28 November 2009, http://tolweb.org/Pipridae/67995/2009.11.28 
  5. ^ a b Prum, R.O.; Rice, N.H.; et al. (2000), “A Preliminary Phylogenetic Hypothesis for the Cotingas (Cotingidae) Based on Mitochondrial DNA”, Auk 117 (1): 236–241, http://www.yale.edu/eeb/prum/pdf/Prum_etal_2000.pdf 
  6. ^ Gill, F.; Donsker, D., eds. (2010), “Tyrant Flycatchers & cotingas”, IOC World Bird Names, version 2.6, http://www.worldbirdnames.org/n-flycatchers.html 
  7. ^ 厚生労働省 動物の輸入届出制度 届出対象動物の種類名リスト 鳥類一覧