カグー
カグー (学名:Rhynochetos jubatus) は、鳥綱ジャノメドリ目カグー科カグー属に分類される鳥類。本種のみでカグー科カグー属を構成する(単型)[8]。別名カンムリサギモドキ[7]。
カグー | |||||||||||||||||||||||||||
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カグー Rhynochetos jubatus
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保全状況評価[1][2][3] | |||||||||||||||||||||||||||
ENDANGERED (IUCN Red List Ver.3.1 (2001)) ワシントン条約附属書I
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分類 | |||||||||||||||||||||||||||
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学名 | |||||||||||||||||||||||||||
Rhynochetos jubatus Verreaux & Des Murs, 1860[3][4] | |||||||||||||||||||||||||||
和名 | |||||||||||||||||||||||||||
カグー[5][6][7][8] | |||||||||||||||||||||||||||
英名 | |||||||||||||||||||||||||||
Kagu[3][4][5][7][8] |
分類
編集形態
編集全長55センチメートル[7]。頭部から後方へ、羽毛が伸長(冠羽)する[7]。種小名jubatusは「鬣のある」の意[6]。全身は明灰色で、背は褐色を帯びる[7]。翼には黒、白、褐色の斑紋が入る[5][8]。
虹彩は赤い[8]。鼻孔は、角質状の覆いで保護されている[8]。嘴や後肢は、頑丈で長い[8]。嘴は、下方へ湾曲する[5]。趾は小型で、趾の間には水かきがない[8]。嘴や後肢の色彩は赤い[5][7]。
卵は長径6.2センチメートル、短径4.5センチメートル[8]。殻は淡褐色で、暗褐色や灰色の斑紋が入る[8]。雛の綿羽は褐色で、黄色い斑紋が入る[8]。幼鳥は、全身が褐色みを帯びる[7][8]。
生態
編集標高1,400メートル以下にある、森林に生息する[7]。地表棲で、飛翔することはできない[8]。夜行性や半夜行性と考えられているが、抱卵期を除いて昼間の方が活動するという報告もある[8]。名前は生息地での呼称で、鳴き声に由来する[6][8]。外敵に襲われると、冠羽を逆立たり翼を広げて威嚇する[8]。
昆虫、ミミズ、陸棲の巻貝Placostylus bavayiなどを食べる[5][8]。足踏みをして獲物を探し、地中にいる獲物は嘴で掘りだして食べる[8]。
繁殖様式は卵生。繁殖期になると雌雄が向かい合って冠羽を逆立てたり翼を広げ、相手の周囲を徘徊するなどして求愛する[8]。繁殖期の夜間や薄明時にオスが鳴いた後に、メスが鳴くことを数回繰り返し10分以上鳴き交わすこともある[8]。地面の窪みに葉や枝を敷いた巣を作り、5 - 12月に1回に1個の卵を産む[8]。雌雄交代で、抱卵・育雛を行う[7][8]。抱卵期間は35 - 40日[5]。雛は孵化してから3日で巣から離れる[8]。孵化してから、3 - 4か月で独立する[7]。
人間との関係
編集羽毛が装飾品として利用される事もあった[5]。
ニューカレドニアの国鳥である。
森林伐採や鉱業開発などによる生息地の破壊や、人為的に移入されたイヌ・ネコ・ブタなどによる捕食などにより生息数は減少している[3][5][7][8]。特にイヌによる捕食は脅威とされており、一例として1993年には発信機をとりつけた個体21羽のうち17羽がイヌに殺されている[3]。人為的に移入されたルサジカRusa timorensisによる植生の変化や、感染症による影響も懸念されている[3]。野生個体の生態調査、飼育下繁殖個体の放鳥などの対策が進められている[3][7]。1975年のワシントン条約発効時から、ワシントン条約附属書Iに掲載されている[2]。1991年における生息数は、654羽以上と推定されている[7]。
出典
編集- ^ I, II and III (valid from 28 August 2020)<https://cites.org/eng> (downroad 11/28/2020)
- ^ a b UNEP (2020). Rhynochetos jubatus. The Species+ Website. Nairobi, Kenya. Compiled by UNEP-WCMC, Cambridge, UK. Available at: www.speciesplus.net. (downroad 11/28/2020)
- ^ a b c d e f g h BirdLife International 2019. Rhynochetos jubatus. The IUCN Red List of Threatened Species 2019: e.T22692211A156666402. https://doi.org/10.2305/IUCN.UK.2019-3.RLTS.T22692211A156666402.en. Downloaded on 28 November 2020.
- ^ a b c Kagu, sunbittern, tropicbirds, loons, penguins, Gill, F & D Donsker (Eds). 2020. IOC World Bird List (v10.2). https://doi.org/10.14344/IOC.ML.10.2. (Downloaded 28 November 2020)
- ^ a b c d e f g h i j Robert Hudson 「ミフウズラ類と他の近縁グループ」丸武志訳『動物大百科 7 鳥I』黒田長久監修 C.M.ペリンズ、A.L.A.ミドルトン編、平凡社、1986年、172-175頁。
- ^ a b c 正富宏之 「ヒレアシ、カグー、ジャノメドリ、ノガンモドキ、ノガンの仲間たち」『動物たちの地球 鳥類I 6 タンチョウ・ヤンバルクイナ・バンほか』第6巻 18号、朝日新聞社、1991年、188頁。
- ^ a b c d e f g h i j k l m n o 百瀬邦和 「カグー(カンムリサギモドキ)」『動物世界遺産 レッド・データ・アニマルズ7 オーストラリア、ニューギニア』小原秀雄・浦本昌紀・太田英利・松井正文編著、講談社、2000年、80、175頁。
- ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q r s t u v w x y 森岡弘之 「カグー科の分類」『世界の動物 分類と飼育10-II (ツル目)』黒田長久、森岡弘之監修、東京動物園協会、1989年、90-91頁。
- ^ “【野毛山動物園だより】生き物ってオモシロイ!!|今月のどうぶつ:カグー”. エコチル横浜版 (アドバコム). (2019年12月2日) 2020年5月1日閲覧。