オキナワトゲネズミ

ネズミ科トゲネズミ属に分類される齧歯類

オキナワトゲネズミ(沖縄棘鼠、Tokudaia muenninki)は、ネズミ科トゲネズミ属に分類される齧歯類

オキナワトゲネズミ
保全状況評価[a 1]
CRITICALLY ENDANGERED
(IUCN Red List Ver.3.1 (2001))
分類
ドメイン : 真核生物 Eukaryota
: 動物界 Animalia
: 脊索動物門 Chordata
亜門 : 脊椎動物亜門 Vertebrata
: 哺乳綱 Mammalia
: ネズミ目 Rodentia
: ネズミ科 Muridae
亜科 : ネズミ亜科 Murinae
: トゲネズミ属 Tokudaia
: オキナワトゲネズミ
T. muenninki
学名
Tokudaia muenninki
(Johnson, 1946)
シノニム

Tokudamys osimensis muenninki
Johnson, 1946

和名
オキナワトゲネズミ
英名
Okinawa spiny rat

分布

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沖縄島北部[1][2][3][4][5]固有種[a 2]

形態

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体長11.2-17.5センチメートル[1]。尾長9.2-13.2センチメートル[1]。背面の毛衣は黒褐色や黄褐色、腹面の毛衣は灰色や灰白色[1][2][5][a 2]

口蓋孔は上顎第2臼歯の位置かより後方にある[1]染色体は2n=44で[2]性染色体はXY型[1][3][4]

分類

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分子系統学的解析からトゲネズミ属内では最も初期に分化した種だと推定されている[3]

生態

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標高300メートル以上にあるスダジイからなる天然林に生息し[2]、草やシダが繁茂した環境を好む[1][4][a 2]夜行性[2][5][a 2]、昼間は地面に空いた穴や樹洞などで休む[1][2]、と思われていたが、季節により活動時間帯を変えることが判ってきた[6]。夜間でも1-2時間の間隔で活動と休息を繰り返す[1]

食性は雑食と考えられ、植物質(スダジイ、マテバシイ)、貝類ヤンバルマイマイ)、甲殻類などを食べる[1]。飼育下ではキノボリトカゲリュウキュウアカガエルを食べた例もある[1]

繁殖形態は胎生。10-12月に5-10頭の幼獣を産むと考えられている[1][2][5]

人間との関係

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開発による生息地の破壊、イヌやネコ、マングースによる捕食などにより生息数は減少している[1][2][a 2]。またクマネズミとの競合も懸念されている[2]。2007年から自動カメラや情報収集、罠の設置による生息調査が開始され、2008年にノネコの糞からの痕跡確認から7年ぶり、捕獲例としては30年ぶりとなる生息が確認された[2]。日本ではトゲネズミとして1972年に国の天然記念物に指定されている[2][a 2]2016年種の保存法により国内希少野生動植物種に指定されている。[a 3]

絶滅危惧IA類 (CR)環境省レッドリスト[a 2]

沖縄県版レッドデータ 絶滅危惧IA類[5]

参考文献

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  1. ^ a b c d e f g h i j k l m 阿部永監修、阿部永・石井信夫・伊藤徹魯・金子之史・前田喜四雄・三浦慎吾・米田政明 『日本の哺乳類【改訂2版】』 東海大学出版会、2008年、133、171頁。
  2. ^ a b c d e f g h i j k 小原秀雄・浦本昌紀・太田英利・松井正文編著 『動物世界遺産 レッド・データ・アニマルズ4 インド、インドシナ』、講談社2000年、70、163頁。
  3. ^ a b c 金子之史、村上興正 「シリーズ 日本の哺乳類 種名検討編、日本産齧歯類(野鼠及び家鼠)の分類学史的検討」『哺乳類科学』 Vol.36 No.1、1996年、116-117頁。
  4. ^ a b c 山田文雄、鈴木仁、黒岩麻里、村田知慧 「オキナワトゲネズミ再発見と、トゲネズミ研究の最近」『哺乳類科学』Vol.49 vol.1、日本哺乳類学会2009年、134頁。
  5. ^ a b c d e 沖縄県の絶滅のおそれのある野生生物(レッドデータおきなわ)-動物編-』、沖縄県文化環境部自然保護課編 、2005年、23-24頁。
  6. ^ 久高奈津子・久高將和 2017 オキナワトゲネズミは夏期に昼行性,冬期に夜行性を示す 哺乳類科学57(2):235-239.https://www.jstage.jst.go.jp/article/mammalianscience/57/2/57_235/_pdf/-char/ja

関連項目

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脚注

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外部リンク

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