オキサゾリジン
オキサゾリジン(Oxazolidine)は、3つの炭素原子と1つの窒素原子、1つの酸素原子から構成される五員環化合物である。酸素原子とNH基は、それぞれ1位と3位にある。オキサゾリジン誘導体では、酸素原子と窒素原子の間には常に炭素原子がある[1][2]。オキサゾリジンを構成する全ての炭素原子は、オキサゾールやオキサゾリンと比べて、還元型である。オキサゾリジンジオン等のいくつかの誘導体は、抗てんかん薬として用いられる。
Oxazolidine | |
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oxazolidine | |
別称 1,3-oxazolidine | |
識別情報 | |
CAS登録番号 | 504-76-7 |
PubChem | 536683 |
ChemSpider | 467457 |
MeSH | C064210 |
ChEBI | |
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特性 | |
化学式 | C3H7NO |
モル質量 | 73.0938 g/mol |
特記なき場合、データは常温 (25 °C)・常圧 (100 kPa) におけるものである。 |
ビスオキサゾリジン
編集ビスオキサゾリジンは、2つのオキサゾリジン環を持つ化合物であり、ポリウレタン塗装の調整剤等に用いられる。環は、湿気のあるところでは加水分解されてアミンとヒドロキシル基を生じ、これらはジイソシアネートと反応して被膜を形成する[3]。ポリウレタン系でビスオキサゾリジンを用いることで、イソシアネートと湿気の間で不測の反応が生じ、二酸化炭素が放出されることを防ぐ。
2つのオキサゾリジン環の間の結合部分の選択は、この用途に用いるのに大きな影響を与える。固い結合はポリウレタンの硬度を上げ、柔らかい結合は被膜に伸縮性を与える。
イソオキサゾリジン
編集イソオキサゾリジンでは、窒素原子と酸素原子がそれぞれ1位と2位を占める。
これは、イソオキサゾールの飽和アナログである。
関連項目
編集- イミダゾール - 酸素原子が窒素原子に置き換わったアナログ
- チアゾール - 酸素原子が硫黄原子に置き換わったアナログ
- ベンゾオキサゾール - 酸素原子が他の芳香族環に融合したもの
- ピロール - 酸素原子の欠けたアナログ
- フラン - 窒素原子の欠けたアナログ
- オキサゾリン - 1つの二重結合を持つアナログ
- オキサゾリジンジオン - 2つのケト基(カルバミン酸エステルとラクトン)を持つもの
- オキサゾリジンオン - 1つのカルバミン酸エステルを持つもの
- 1,3-ジメチル-2-イミダゾリジノン
出典
編集- ^ “SID 3881507 -- PubChem Substance Summary”. The PubChem Project. United States National Center for Biotechnology Information. 13 December 2005閲覧。
- ^ Dr Neil G Carter OXAZOLIDINE DILUENTS: REACTING FOR THE ENVIRONMENT Industrial Copolymers Limited
- ^ Emission control chembytes e-zine 2001.