オオハシ科(おおはしか、学名 Ramphastidae)は、鳥類キツツキ目の科である。

オオハシ科
シロムネオオハシ
分類
ドメイン : 真核生物 Eukaryota
: 動物界 Animalia
: 脊索動物門 Chordata
亜門 : 脊椎動物亜門 Vertebrata
: 鳥綱 Aves
: キツツキ目 Piciformes
亜目 : キツツキ亜目 Pici
下目 : オオハシ下目 Ramphastides
上科 : オオハシ上科 Ramphastoidea
: オオハシ科 Ramphastidae
学名
Ramphastidae Vigors1825
タイプ属
Ramphastos
和名
オオハシ(大嘴)
英名
Toucans

オオハシ(大嘴)またはきょしちょう(巨嘴鳥)と総称される。小型のものはチュウハシ(中嘴)とも呼ぶ。

特徴

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分布

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中南米カリブ諸島は除く)に生息する。

アルゼンチン北部、エクアドルエルサルバドルガイアナグアテマラコスタリカコロンビアスリナムニカラグアパナマブラジルフランス仏領ギアナ)、ベネズエラベリーズペルーボリビアホンジュラスメキシコ南部。

形態

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全長30–60cm[1]。最大種はオニオオハシで全長66cm。

は大型で、薄い角質で覆われ、中が中空で多数の骨質の支えがある。嘴が大型化した原因については不明だが、細い枝の先にある果実を採食できる、警告色個体識別に役立つなどの説がある。

最近の研究によると、オニオオハシでは、嘴内の微細な血管を通じ、体内の熱を逃がす「ラジエーター」の役割をしている。

生態

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熱帯雨林に生息する。一部の種では夜間に樹洞の中で休む。

食性は植物食傾向の強い雑食で、主に果実を食べるが、昆虫、小型爬虫類、鳥類の卵や雛なども食べる。

樹洞に卵を産む。雌雄交代で抱卵する。育雛も雌雄共に行う。

系統と分類

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系統樹は Moyle (2004)[2]などより。

オオハシ下目
オオハシ上科

ゴシキドリ科 Capitonidae

オオハシゴシキドリ科 Semnornithidae

オオハシ科

チュウハシ属 Pteroglossus

ミドリチュウハシ属 Aulacorhynchus

コチュウハシ属 Selenidera

ヤマオオハシ属 Andigena

オオハシ属 Ramphastos

ハバシゴシキドリ科 Lybiidae

オオゴシキドリ科 Megalaimidae

オオハシ下目は伝統的にオオハシ科とゴシキドリ科に分けられてきたが、ゴシキドリ科は側系統であり4科に分割された。このうち、(狭義の)ゴシキドリ科とオオハシゴシキドリ科を独立科とせずオオハシ科に含める説がある。しかし、オオハシ類とゴシキドリ類の形態上の顕著な相違点から、別科とすることが多い。

分類

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国際鳥類学会議 (IOC)[3][4] による。

人間との関係

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開発による生息地の破壊などに伴い生息数は減少している種もいる。

オオハシをモチーフとした星座(きょしちょう座)がある。

脚注

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  1. ^ 浦本昌紀, “オオハシ”, 日本大百科全書, Yahoo!百科事典, 小学館 
  2. ^ Moyle, R.G. (2004), “Phylogenetics of barbets (Aves: Piciformes) based on nuclear and mitochondrial DNA sequence data”, Mol. Phylogenet. Evol. 30: 187–200 
  3. ^ Gill, F.; Donsker, D.; Rasmussen, P., eds. (2021), “Multilingual Version”, IOC World Bird Names, version 11.1, https://www.worldbirdnames.org/new/ioc-lists/master-list-2/ 12 May 2021閲覧。 
  4. ^ Gill, F.; Donsker, D., eds. (2010), “Taxonomic Updates”, IOC World Bird Names, version 2.6 Draft, http://www.worldbirdnames.org/updates-tax.html 

参考文献

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関連項目

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