エンジェルツイート
エンジェルツイート(Angel Tweet)[1]は、日本の競走馬・繁殖牝馬。主な勝ち鞍に2011年の東京2歳優駿牝馬、平和賞。NARグランプリ2011の2歳最優秀牝馬に選出された。
エンジェルツイート | |
---|---|
欧字表記 | Angel Tweet[1] |
品種 | サラブレッド[1] |
性別 | 牝[1] |
毛色 | 鹿毛[1] |
生誕 | 2009年4月17日[1] |
抹消日 | 2013年10月30日[2] |
父 | タイキシャトル[1] |
母 | フシミアイドル[1] |
母の父 | リンドシェーバー[1] |
生国 | 日本(北海道浦河町)[3] |
生産者 | 伏木田牧場[1] |
馬主 |
(株)オリオンファーム[1]、村上卓史[4][5] [注釈 1] |
調教師 |
角川秀樹(北海道) →森下淳平(大井) →角川秀樹(北海道) [1] |
競走成績 | |
タイトル | NARグランプリ2歳最優秀牝馬(2011年)[1] |
生涯成績 | 14戦4勝[1] |
獲得賞金 | 4902万0000円[1] |
勝ち鞍 |
SI:東京2歳優駿牝馬(2011年) SIII:平和賞(2011年) [1] |
馬名は半分所有権を持つ放送作家の村上卓史がTwitterで公募したもので、この公募での2位の名前は「ナウ」であった[4][5]。
戦績
編集2011年7月20日、門別競馬場でのフレッシュチャレンジでデビュー予定も歩様の乱れが見つかり、出走取消[5]。9月のフレッシュチャレンジで改めてデビューし、1着。続くヤングチャレンジカップ1で4着となったあとサッポロクラシックカップを勝ち、南関東に遠征。11月の平和賞では当初騎乗予定の真島大輔が肺疾患で騎乗を取り止め森泰斗の騎乗となり、レースではスタートから逃げを打ってそのまま押し切り重賞初制覇[7][8]。鞍上の森も、これが南関東での重賞初制覇かつ通算700勝目となる勝利であった[4][7][8]。このあと大井競馬場・森下淳平厩舎に移り、移籍初戦の東京2歳優駿牝馬でも再び逃げ切り勝利をおさめ、重賞2勝目[9][10][11]。森下は、これが管理馬の重賞初勝利となった[4][10]。GRANDAME-JAPAN2011の2歳シーズンは対象重賞への出走が東京2歳優駿牝馬のみであったため資格外であったが[11]、2011年度のNARグランプリ各部門の選考では当年度から新設の2歳最優秀牝馬に選ばれ、兄で黒潮盃などを制したオオエライジンがNARグランプリ3歳最優秀牡馬に選出されたことで兄妹でNARグランプリの表彰馬となった[12][13]。
3歳時は、当初はユングフラウ賞から始動予定も57kgの負担斤量を嫌って南関東牝馬クラシック三冠の一冠目である桜花賞に直接向かい[10][13][14]、桜花賞ではスタートが悪く、かつて同じく角川秀樹厩舎に属していたコテキタイの3着[14]。二冠目の東京プリンセス賞は逃げる自分の形に持ち込むがアスカリーブルの2着に終わり、このあと休養。秋は準重賞のムーンライトカップ、年末の東京シンデレラマイルともに二桁着順に終わり、4歳初戦の準重賞ウインタースプリントも15着に終わって、角川秀樹厩舎に戻る。北海道に戻ってからはエトワール賞、北海道スプリントカップ、ノースクイーンカップの3重賞に特別戦1つの4走するも勝ち星を挙げるには至らず、ノースクイーンカップ4着が最後の競馬となって2013年10月30日付で競走馬登録を抹消された。
競走成績
編集以下の内容は、JBISサーチ[6]、netkeiba.com[15]、地方競馬全国協会[2]に基づく。
競走日 | 競馬場 | 競走名 | 格 | 距離(馬場) | 頭 数 |
枠 番 |
馬 番 |
オッズ (人気) |
着順 | タイム (上り3F) |
着差 | 騎手 | 斤量 [kg] |
1着馬(2着馬) | 馬体重 [kg] |
備考 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
2011. 7.20 | 門別 | フレッシュチャレンジ | 新馬 | ダ1200m(良) | 10 | 2 | 2 | 取消 | 岩橋勇二 | 54 | ガニュメデス | 計不 | ||||
9. 8 | 門別 | フレッシュチャレンジ | 新馬 | ダ1200m(重) | 12 | 8 | 12 | 4.0 (3人) | 1着 | 1:13.5(38.6) | -0.1 | 岩橋勇二 | 54 | (ステリーネ) | 482 | |
10.19 | 門別 | ヤングチャレンジC1 | OP | ダ1200m(良) | 13 | 7 | 12 | 5.9 (4人) | 4着 | 1:13.6(38.3) | 0.1 | 岩橋勇二 | 54 | ゲンキ | 484 | |
11. 1 | 門別 | サッポロクラシックC | OP | ダ1200m(良) | 8 | 5 | 5 | 8.4 (4人) | 1着 | 1:12.2(37.4) | -0.8 | 岩橋勇二 | 54 | (コメディルーティン) | 484 | |
11.16 | 船橋 | 平和賞 | SIII | ダ1600m(稍) | 12 | 4 | 4 | 13.8 (7人) | 1着 | 1:42.8(40.9) | -0.5 | 森泰斗 | 54 | (アイキャンディ) | 479 | |
12.31 | 大井 | 東京2歳優駿牝馬 | SI | ダ1600m(良) | 16 | 1 | 1 | 6.1 (2人) | 1着 | 1:40.8(38.7) | -0.2 | 森泰斗 | 54 | (エミーズパラダイス) | 471 | |
2012. 3.21 | 浦和 | 桜花賞 | SI | ダ1600m(良) | 11 | 3 | 3 | 2.0 (1人) | 3着 | 1:44.6(41.0) | 0.8 | 森泰斗 | 54 | コテキタイ | 480 | |
5.10 | 大井 | 東京プリンセス賞 | SI | ダ1800m(不) | 16 | 5 | 9 | 2.1 (1人) | 2着 | 1:54.2(41.0) | 0.7 | 森泰斗 | 54 | アスカリーブル | 476 | |
10. 2 | 大井 | '12ムーンライトC | 準重賞 | ダ1600m(稍) | 15 | 7 | 12 | 5.3 (4人) | 10着 | 1:43.1(41.8) | 1.8 | 森泰斗 | 53 | ピエールタイガー | 487 | |
12.30 | 大井 | 東京シンデレラマイル | SIII | ダ1600m(不) | 16 | 7 | 14 | 8.3 (5人) | 11着 | 1:43.6(42.2) | 1.8 | 本橋孝太 | 55 | ミヤサンキューティ | 487 | |
2013. 1.24 | 大井 | '13ウインタースプリント | 準重賞 | ダ1200m(重) | 15 | 7 | 12 | 6.1 (4人) | 15着 | 1:15.7(41.1) | 2.9 | 森泰斗 | 53 | ミヤサンキューティ | 490 | |
5.23 | 門別 | エトワール賞 | H3 | ダ1200m(良) | 12 | 7 | 9 | 14.1 (5人) | 6着 | 1:14.5(39.4) | 1.0 | 服部茂史 | 55 | ファイアーアップ | 492 | [注釈 2] |
6.13 | 門別 | 北海道スプリントC | JpnIII | ダ1200m(良) | 14 | 3 | 4 | 445.3(12人) | 9着 | 1:13.7(39.1) | 1.5 | 岩橋勇二 | 54 | セレスハント | 496 | |
7.10 | 門別 | 輝け日高胆振農業特別 | A1A2-1 | ダ1700m(稍) | 10 | 8 | 10 | 4.4 (3人) | 3着 | 1:48.2(38.1) | 0.8 | 桑村真明 | 55 | サクラエクスプロー | 490 | |
7.23 | 門別 | ノースクイーンC | H2 | ダ1800m(良) | 9 | 8 | 8 | 8.1 (3人) | 4着 | 1:57.2(39.8) | 1.0 | 桑村真明 | 56 | クラキンコ | 486 |
引退後
編集引退後は伏木田牧場に買い戻されて繁殖牝馬となった[16]。初年度にシニスターミニスターと交配されて2015年3月12日に初仔(メテオバローズ)を出産したが[17]、写真家の内藤律子によれば、その出産の際に仔馬が肛門を破って出てくるという事故が発生[16]。離乳後に肛門の再建手術を行い、1年空胎ののちパイロを交配して2017年に2番仔(エンジェルパイロ)を出産も、この時にも肛門が傷つく事故が起こった[16]。出産事故が相次いだことや2番仔が牝馬であったことから繁殖生活から引退し、村上が自前で引き取った[16]。
なお2016年の交配の際には、「園田のファン向け」としてオオエライジンと4分の3同じ血統になるキングヘイローとの交配も計画されていた[17]。
産駒一覧
編集生年 | 馬名 | 性 | 毛色 | 父 | 馬主 | 管理調教師 | 戦績 | 供用 | 出典 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
初仔 | 2015年 | メテオバローズ | 牡 | 鹿毛 | シニスターミニスター | 猪熊広次 | 大井・森下淳平 | 31戦9勝 | (引退) | [18] |
2番仔 | 2017年 | エンジェルパイロ | 牝 | 黒鹿毛 | パイロ | 伏木田達之、村上卓史 | 27戦6勝 | (引退) | [16][19][注釈 3] |
血統表
編集エンジェルツイートの血統 | (血統表の出典)[§ 1] | |||
父系 | ヘイロー系 |
[§ 2] | ||
父 *タイキシャトル 1994 栗毛 |
父の父 Devil's Bag1981 鹿毛 |
Halo | Hail to Reason | |
Cosmah | ||||
Ballade | Herbager | |||
Miss Swapsco | ||||
父の母 *ウェルシュマフィンWelsh Muffin 1987 鹿毛 |
Caerleon | Nijinsky II | ||
Foreseer | ||||
Muffitys | Thatch | |||
Contrail | ||||
母 フシミアイドル 2002 鹿毛 |
*リンドシェーバー 1988 鹿毛 |
Alyder | Raise a Native | |
Sweet Tooth | ||||
*ベーシイド | Cool Moon | |||
Polondra | ||||
母の母 フシミラッキー1985 黒鹿毛 |
*ブレイヴェストローマン | Never Bend | ||
Roman Song | ||||
フイメール | *フォルティノ | |||
ヨドフジ | ||||
母系(F-No.) | アストニシメント(GB)系(FN:7-c) | [§ 3] | ||
5代内の近親交配 | アウトブリード | [§ 4] | ||
出典 |
脚注
編集注釈
編集- ^ JBISサーチのプロフィールではオリオンファームの単独記載であるが、本記事ではJRA-VANと日本軽種馬協会での言及に基づいてオリオンファームと村上の共有と記載する。
- ^ 当初は5月16日(この時点の馬場状態は稍重、枠順は1枠1番、馬体重は494kg)の予定だったが、濃霧による打ち切りにより順延。
- ^ JBISサーチのプロフィールでは馬主の項目は伏木田達之の単独記載であるが、本記事では内藤律子HPでの言及に基づいて伏木田と村上の共有と記載する。
出典
編集- ^ a b c d e f g h i j k l m n o p “エンジェルツイート”. JBISサーチ. 公益社団法人日本軽種馬協会. 2021年8月20日閲覧。
- ^ a b c “エンジェルツイート 出走履歴”. 地方競馬全国協会. 2021年8月20日閲覧。
- ^ “エンジェルツイート 馬情報”. 地方競馬全国協会. 2021年8月20日閲覧。
- ^ a b c d “第46回 放送作家 村上卓史さん”. 私の競馬はちょっと新しい. JRA-VAN. 2021年8月20日閲覧。
- ^ a b c d “【第6回】村上卓史(むらかみたかふみ)”. 馬主って、こんなに楽しい. 公益社団法人日本軽種馬協会 (2012年2月23日). 2021年8月20日閲覧。
- ^ a b “エンジェルツイート 競走成績”. JBISサーチ. 公益社団法人日本軽種馬協会. 2021年8月20日閲覧。
- ^ a b “北海道のエンジェルツイートが逃げ切り/平和賞”. netkeiba. Net Dreamers Co., Ltd. (2011年11月16日). 2021年8月20日閲覧。
- ^ a b “【平和賞】道営エンジェルツイート重賞初制覇!”. スポニチアネックス - ギャンブル. スポーツニッポン (2011年11月17日). 2021年8月20日閲覧。
- ^ “エンジェルツイートが逃げ切り/東京2歳優駿牝馬”. netkeiba. Net Dreamers Co., Ltd. (2011年12月31日). 2021年8月20日閲覧。
- ^ a b c “【東京2歳優駿牝馬】エンジェルツイート移籍初戦V”. スポニチアネックス - ギャンブル. スポーツニッポン (2012年1月1日). 2021年8月20日閲覧。
- ^ a b “第35回東京2歳優駿牝馬”. web Furlong 2011. 地方競馬全国協会. 2021年8月20日閲覧。
- ^ “フリオーソ、4度目の地方年度代表馬を受賞”. netkeiba. Net Dreamers Co., Ltd. (2012年1月11日). 2021年8月20日閲覧。
- ^ a b “オオエライジン距離合わず5着”. zakzak 競馬. SANKEI DIGITAL INC. (2012年2月9日). 2021年8月20日閲覧。
- ^ a b “第58回桜花賞”. web Furlong 2012. 地方競馬全国協会. 2021年8月20日閲覧。
- ^ “エンジェルツイートの競走成績”. netkeiba. Net Dreamers Co., Ltd.. 2021年8月20日閲覧。
- ^ a b c d e 内藤律子 (2019年5月15日). “エンジェルパイロと母の物語”. 内藤律子HP. 2021年8月20日閲覧。
- ^ a b c “名牝の血を伝えるエンジェルツイート 11年NAR2歳最優秀牝馬”. スポニチアネックス - ギャンブル. スポーツニッポン (2015年8月11日). 2021年8月20日閲覧。
- ^ “メテオバローズ”. JBISサーチ. 公益社団法人日本軽種馬協会. 2021年8月20日閲覧。
- ^ “エンジェルパイロ”. JBISサーチ. 公益社団法人日本軽種馬協会. 2021年8月20日閲覧。
- ^ a b c “エンジェルツイート 血統情報:5代血統表”. JBISサーチ. 公益社団法人日本軽種馬協会. 2021年8月20日閲覧。
- ^ a b c d e “エンジェルツイートの5代血統表”. netkeiba. Net Dreamers Co., Ltd.. 2021年8月20日閲覧。
- ^ “フシミラツキー”. JBISサーチ. 2021年8月24日閲覧。
外部リンク
編集- 競走馬成績と情報 netkeiba、KEIBA.GO.JP、JBISサーチ