エルレードとエルリーン
エルレードとエルリーン(Eluréd and Elurín、太陽の時代498年ごろ[1] - 505年)は、J・R・R・トールキンの中つ国を舞台とした小説、『シルマリルの物語』の登場人物。ドリアスの王ディオルの息子たちで、フェアノールの息子たちによる第二の同族殺害に巻き込まれ、命を落とした。
エルレードはシンダール語とベオル語から成っており、「エルウェの後継者」を意味する。エルリーンはシンダール語で、「エルウェの形見」を意味する。どちらもかれらの曽祖父、ドリアスの王エル・シンゴルへの尊敬を表している。
父はドリアスの王ディオル。母はケレボルンの姪ニムロス。 妹にエルウィング。
エルウェの末裔
編集エルレードとエルリーンは、オッシリアンドで生まれた。ノグロドのドワーフによって、かれらの曽祖父でドリアスの王エル・シンゴルが殺害されると、かれらの父ディオルは祖父ベレンとともに緑のエルフを従えて出陣し、ドワーフたちを打ち倒した。シンゴル王とドワーフの争いの元となった宝玉シルマリルは、かれらの祖母ルーシエンのものとなった。ディオルはシンゴルの世継として、妻のニムロス、息子のエルレードとエルリーン、娘のエルウィングとともメネグロスに移り住んだ。
第二の同族殺し
編集ルーシエンがこの世を去り、ディオルがシルマリルを受け継いだ。フェアノールの息子たちはこれを引き渡すよう要求したが、ディオルは返答しなかった。するとケレゴルムはその兄弟たちを煽りたて、フェアノールの誓言にしたがってドリアスを襲い、これを滅ぼした。ディオルはフェアノールの息子たちのうち、ケレゴルム、カランシア、クルフィンを打ち倒したが、ディオルもまた討ち死にし、妻のニムロスも殺された。エルレードとエルリーンはケレゴルムの配下だったものにさらわれて、森に置き去りにされた。マイズロスはこれを知ると二人の行方を探したが、見つけることはできなかった。二人は餓死したものと考えられている。