エナント酸(エナントさん、enanthic acid)は炭素数7のカルボン酸で、末端にカルボキシル基を持つ。IUPAC名ヘプタン酸 (heptanoic acid) である。腐敗物のような悪臭を持つ油状液体で、腐った油のにおいの成分の一部である。水には溶けにくいが、エタノールエーテルには良く溶ける。消防法による第4類危険物 第3石油類に該当する[2]

エナント酸[1]
識別情報
CAS登録番号 111-14-8 チェック
PubChem 8094
ChemSpider 7803 チェック
UNII THE3YNP39D チェック
DrugBank DB02938
KEGG C17714 チェック
ChEBI
ChEMBL CHEMBL320358 チェック
特性
化学式 C7H14O2
モル質量 130.18 g mol−1
外観 無色の油状液体
密度 0.9181 g/cm3 (20 °C)
融点

-7.5℃

沸点

223℃

への溶解度 0.2419 g/100 mL (15 °C)
磁化率 −88.60·10−6 cm3/mol
危険性
NFPA 704
2
3
0
半数致死量 LD50 6400 mg/kg (経口, ラット)
関連する物質
関連物質 カプロン酸カプリル酸
特記なき場合、データは常温 (25 °C)・常圧 (100 kPa) におけるものである。

香料として使われるヘプタン酸エチルなどのエステルの合成に用いられる。銀杏では酪酸と並ぶ腐臭の主成分である。

タバコの添加物のひとつでもある。

脚注

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  1. ^ Merck Index, 11th Edition, 4581
  2. ^ 法規情報 (東京化成工業株式会社)