エゾギク(蝦夷菊、学名Callistephus chinensis)は、キク科園芸植物である。かつてはシオン属 Aster に分類されていたため、一般にアスターと呼ばれているが、現在では1種だけでエゾギク属 Callistephus に分類される。

エゾギク
分類
: 植物界 Plantae
: 被子植物門 Magnoliophyta
: 双子葉植物綱 Magnoliopsida
亜綱 : キク亜綱 Asteridae
: キク目 Asterales
: キク科 Asteraceae
亜科 : キク亜科 Asteroideae
: エゾギク属 Callistephus
: エゾギク C. chinensis
学名
Callistephus chinensis L.
和名
エゾギク
英名
China Aster

概要

編集

中国東北部からシベリア原産の半耐寒性一年草で、草丈は30-100cmに達する。茎は直立し、葉は柄があり、長楕円形で互生、茎・葉共に白い毛が生えている。野生、栽培問わずに自由に交雑する。18世紀に原産地の中国からフランスに持ち込まれ、その後、アメリカを経由して、日本にも伝わった。ヨーロッパではミカエル祭の頃に開花することから、「ミカエル祭の夜」という別名を持つ[1]

花は花径3cmくらいの小輪から10cmを超える大輪まであり、頭花は白・ピンク・赤・藍色などがあり、中心の黄色と美しいコントラストをなす物も多い。花の形には、一重咲きと八重咲き、重ねの厚いぽんぽん咲きがあり、管弁のものもある。

日本では江戸時代から改良が進み、日本のエゾギクは欧米でも非常に評価されている。切り花、特に佛花用として栽培されている。中部地方東北地方北海道など寒い地方では割合よく育つが、暖地では病気が出やすく栽培しにくい。また、連作障害を起こしやすいので、エゾギクを5年ほど植えていない土地に植える必要がある。

出典

編集
  1. ^ 瀧井康勝『366日 誕生花の本』日本ヴォーグ社、1990年11月30日、257頁。