エコウィル
エコウィル(ECOWILL)とは、2003年[1]から2017年9月[2]まで日本で販売されていた家庭用コージェネレーションシステムの愛称である。
概要
編集都市ガスやLPガスを燃料とするガスエンジンで発電を行い、その際に発生する排熱を給湯などに利用する家庭用コージェネレーションシステムで、「エコウィル」はその愛称だった。電力各社がオール電化でガスの市場を侵食している事に対抗し、逆に電気の市場にガスが乗り込む格好になっていた。ガス会社ではオール電化と比べ、常時即座に大量の熱湯を供給可能な事、電気使用量が減り光熱費の削減を図れる事、発電時の排熱を有効利用するため、二酸化炭素排出量が少なく環境に優しい事をPRしていた。
エコウィルは、ノーリツや長府製作所などが製造する給湯器ユニットと、本田技研工業やパーパスが供給する発電機ユニットからなるシステムで、各ガス会社より販売されていた。「省エネ大賞」会長賞(平成15年度)、エコプロダクツ大賞推進協議会会長賞(平成16年度)などを受賞している。
各ガス会社での新規申し込み受付は2017年9月30日で終了し、本田技研工業の発電システムも同年12月で提供を終了した。
メリット・デメリット
編集メリット
編集- 発電で発生した排熱を直接有効利用できるため、排熱を利用しない火力発電や原子力発電と比べてエネルギー利用率が高かった(エコウィル92%、火力発電37%)[3]。
- 自宅で発電をするため、送電ロスがほぼない。
- ガス会社によっては、専用料金メニューを用意しておりガス料金の割引を受けられる。
- 発電した分、電気使用量が減る(年間約40%削減[4])ため、電気料金が安くなる。
- 補助熱源機を組み合わせて使用するため、湯切れの心配がない。
- 補助金制度があった。2009年度の補助金を比較すると、エコキュート42,000円、エコジョーズ22,000円に比べ、エコウィルは124,000円と多くの補助金が出た。
デメリット
編集補助
編集住宅・建築物高効率エネルギーシステム導入促進事業の対象となるため、導入にあたって国からの補助金を受けることが出来た。また、一部の地方自治体では導入にあたっては、補助金あるいは助成金を受けられた。
製造メーカー
編集脚注
編集- ^ “ガス事業における技術開発年表”. 日本ガス協会. 2020年11月7日閲覧。
- ^ “エコウィル 商品情報”. 大阪ガス. 2020年11月7日閲覧。
- ^ コージェネレーションが省エネ/エコな理由(2011年8月26日時点のアーカイブ) - 本田技研工業
- ^ エコウィルの特徴:経済性(2012年1月25日時点のアーカイブ) - 東京ガス