エギルス・レヴィッツ
エギルス・レヴィッツ(ラトビア語: Egils Levits、1955年6月30日 - )は、ラトビアの政治家、法学者。前大統領[1]。
エギルス・レヴィッツ | |
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Egils Levits | |
2012年 | |
第10代 ラトビア共和国大統領 | |
任期 2019年7月8日 – 2023年7月8日 | |
首相 | クリシュヤーニス・カリンシュ |
前任者 | ライモンツ・ヴェーヨニス |
後任者 | エドガルス・リンケービッチ |
欧州司法裁判所判事 | |
任期 2004年 – 2003年 | |
ラトビア共和国司法相 | |
任期 1993年8月3日 – 1994年9月19日 | |
大統領 | グンティス・ウルマニス |
首相 | ヴァルディス・ビルカフス |
前任者 | ヴィクトルス・スクドラ |
後任者 | ロマーンス・アプシーティス |
個人情報 | |
生誕 | 1955年6月30日(69歳) ソビエト連邦 ラトビア・ソビエト社会主義共和国 リガ |
国籍 | ラトビア |
政党 | ラトビアの道 (1993年 – 1994年) 無所属 |
配偶者 | アンドラ・レヴィテ |
住居 | リガ城(大統領官邸) |
出身校 | ハンブルク大学 |
職業 | 法学者 |
ソビエト連邦末期にラトビア人民戦線に所属し、1990年の独立回復に貢献した。1993年から1994年まで副首相兼司法相、1994年から1995年までハンガリー・オーストリア・スイス大使を務めたのち、欧州人権裁判所判事に任命され、2004年まで在職した。同年以降は欧州司法裁判所判事を務めている[2][3]。
2015年に大統領選挙に立候補したが、ライモンツ・ヴェーヨニスに敗れ次点に終わった。2019年の大統領選挙で当選。
経歴
編集ソビエト連邦占領下のリガに生まれる。父のヨナス・レヴィッツはユダヤ人のエンジニア、母のインゲボルガ・レヴィタはバルト・ドイツ人の詩人で、アイヤ・ゼムザレというペンネームを持っていた。1972年、反ソ連活動を理由に一家そろってソ連を追放され[4]、インゲボルガの親戚のいる西ドイツに移住。ラトビアが独立を回復する1990年まで西ドイツに留まった。
レヴィッツはユダヤ系であるが、インタビューなどでは自らのアイデンティティーをもっぱらラトビア人に求めている[5]。
1980年代末から政治の世界に入り[6]、1989年にラトビア市民会議が発足すると、ラトビア人民戦線所属の代議員となった[7]。その後、クラブ21という政治団体に合流し、1993年には「ラトビアの道」という政党から国会議員に当選した。ラトビア共和国憲法の起草に携わったほか[8]、大統領直属の憲法委員会委員長を務めてきた[9]。また、オーストリア、スイス、ハンガリーなどの大使を歴任した[7]。
法曹界でも、1995年に欧州人権裁判所判事に選任されたほか、2004年以降は欧州司法裁判所判事を務めている。
2011年と2015年の2度、国民連合から大統領選挙に立候補したが、いずれも落選した[10]。3度目の挑戦となった2019年の大統領選挙では[11]、与党連合から支持を得て[12]、5月29日に国会議員による投票で大統領に選出された[13]。
大統領就任式は7月8日、サエイマ(国会)で行われた[4]。その後、レヴィッツはリガの自由の記念碑を訪れ、初代大統領ヤーニス・チャクステの墓に献花し、退任するライモンツ・ヴェーヨニス大統領からリガ城(大統領官邸)の鍵を受け取った[14]。7月10日には初の外遊先としてエストニアのタリンを訪問し、同国大統領のケルスティ・カリユライド、首相のユリ・ラタスと会談した[15][16]。
2022年4月、ウクライナのキエフ北西近郊のブチャでロシア軍による集団虐殺が確認されたと各メディアが報道した[17]。さらに、ウクライナのベネディクトワ検事総長は、キエフ州ボロディアンカでブチャを上回る遺体が見つかったと発表した[18]。4月13日、レヴィッツ、リトアニアのギタナス・ナウセダ大統領、エストニアのアラル・カリス大統領、ポーランドのアンジェイ・ドゥダ大統領はボロディアンカを訪れ、黒焦げになった高層住宅を視察した。また4人は、キエフでウォロディミル・ゼレンスキー大統領と会談し、ウクライナに対する全面的な支持を表明した[19]。
政見
編集国内の政治的問題では、保守的な考えを示してきた。その一方、欧州司法裁判所では、ラトビアの近年の動きについて、難民の受け入れやイスタンブール協定(女性に対する暴力および家庭内暴力の予防と撲滅に関する協定)はラトビア共和国憲法に抵触しないと述べるなどしている[6]。ラトビア経済の強さはヨーロッパ有数であるとして、金融改革には懐疑的である[20]。政党には所属しておらず、今後も無所属で活動する意向を表明している[9][21]。
人物
編集脚注
編集- ^ “Balsojums”. titania.saeima.lv. 20 January 2020閲覧。
- ^ “Izraudzīti Latvijas tiesneši Eiropas Kopienu tiesā” (ラトビア語). Latvijas Vēstnesis. 3 June 2015閲覧。
- ^ “Egils Levits appointed as a judge at the Court of Justice of the European Union”. Ministry of Justice of the Republic of Latvia (1 March 2018). 2 September 2018閲覧。
- ^ a b “Latvia's new president Levits sworn into office; parents are of Jewish origin”. The Times of Israel. (9 July 2019) 18 July 2019閲覧。
- ^ “Levits ir pret īpašumu atgriešanu ebreju kopienai” (ラトビア語). delfi.lv (18 April 2019). 12 August 2019閲覧。
- ^ a b Fridrihsone, Madara (24 February 2019). “Egils Levits – līdz šim vienīgais pretendents uz prezidenta amatu. Kas viņš ir?” (ラトビア語). www.lsm.lv. 10 April 2019閲覧。
- ^ a b Fridrihsone, Madara (25 May 2015). “EGILS LEVITS” (ラトビア語). www.lsm.lv. 10 April 2019閲覧。
- ^ “Saeima adds controversial preamble to Latvia's Constitution”. Public Broadcasting of Latvia (19 June 2014). 3 June 2015閲覧。
- ^ a b Suhoveckis, Gatis (2 June 2015). “Prezidenta kandidāta portrets: Egils Levits”. skaties.lv. 10 April 2019閲覧。
- ^ “EU Court Judge Egils Levits' chances of becoming Latvia's president increase”. Baltic News Network (3 April 2019). 10 March 2019閲覧。
- ^ “Public figures from across the spectrum offer show of support for Levits”. Public Broadcasting of Latvia (19 February 2019). 3 June 2015閲覧。
- ^ “Coalition parties to nominate Levits for Latvia's president” (19 April 2019). 3 June 2015閲覧。
- ^ “Latvian parliament elects former judge Levits president”. Reuters (29 May 2019). 29 May 2019閲覧。
- ^ “Egils Levits becomes Latvian president”. Public Broadcasting of Latvia (8 July 2019). 18 July 2019閲覧。
- ^ “Estonia, Latvia presidents discuss cooperation, including in recycling”. ERR (10 July 2019). 21 January 2020閲覧。
- ^ “President of Latvia Egils Levits will pay his first working visit to Estonia”. www.president.lv (9 July 2019). 21 January 2020閲覧。
- ^ “ウクライナの路上に残される数々の遺体、ロシア後退後の首都郊外ブチャで”. BBC (2022年4月3日). 2022年4月4日閲覧。
- ^ “ブチャを上回る数の遺体発見、キーウ近郊ボロディアンカ ロシア軍の戦争犯罪への非難強まる”. 東京新聞. (2022年4月5日) 2022年4月6日閲覧。
- ^ “東欧バルトの4首脳、戦地訪問 「民間人犠牲」訴追求める”. 共同通信 (2022年4月14日). 2022年4月22日閲覧。
- ^ Avotiņš, Viktors (25 September 2018). “Levits: Risks ir – pazaudēt savu valsti” (ラトビア語). nra.lv. 10 April 2019閲覧。
- ^ “Intervija ar Egilu Levitu, Eiropas Savienības Tiesas tiesnesi”. Rīta Panorāma (LSM). (14 February 2019) 10 April 2019閲覧。
- ^ “Noslēpumainākā kandidāte uz pirmās lēdijas godu” (ラトビア語). delfi.lv (3 June 2015). 10 April 2019閲覧。
- ^ “ラトビア共和国大統領エギルス・レヴィッツ閣下 特別講演会”. 早稲田大学 (2019年10月1日). 2020年2月11日閲覧。
外部リンク
編集- Egils Levits (@valstsgriba) - X(旧Twitter)
- Egils Levits (egilslevitslv) - Facebook
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