エイヴベリー男爵
エイヴベリー男爵(英: Baron Avebury)は、イギリスの男爵、貴族。連合王国貴族爵位。実業家ジョン・ラボック(銀行家一族ラボック家の一員)が1900年に叙されたことに始まる。
エイヴベリー男爵 Baron Avebury | |
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創設時期 | 1900年1月22日 |
創設者 | ヴィクトリア |
貴族 | 連合王国貴族 |
初代 | 初代男爵ジョン・ラボック |
現所有者 | 5代男爵リュルフ・ラボック |
相続人 | アレクサンダー・ラボック閣下 |
付随称号 | (ラマスの)準男爵 |
現況 | 存続 |
モットー | 与える者が価値を創り出す (Auctor Pretiosa Facit) |
本項では前身となった準男爵位についても触れる。
歴史
編集その祖サー・ジョン・ラボックはロンドン在住の富裕な銀行家であったが、のちに政界に進出してボシニーやレオミンスター各選挙区選出の庶民院議員を務めた[1]。ジョンは議員在任中、グレンヴィル内閣に好意的であったため、準男爵を授けられる運びとなる。1800年4月9日に「(ラマスの)準男爵(Baronet, of Lammas)」を与えられた[1][2][3]。この準男爵位は甥のジョン・ウィリアム・ラボックにも特別継承を認めていたため[2]、ジョンが死去するとジョン・ウィリアムが準男爵を継いだ[3]。これ以降、ジョン・ウィリアムの系統で準男爵位継承が続く。
2代準男爵の孫にあたる4代準男爵ジョンも父祖同様に銀行家・庶民院議員として活動した[4]。彼は1900年1月22日に連合王国貴族の「ウィルトシャー州エイヴベリーのエイヴベリー男爵(Baron Avebury, of Avebury in the County of Wiltshire)」を得て男爵家を興した[3][5]。
その子の2代男爵には子がなく、爵位は甥ジョン(初代男爵の四男ハロルドの長男)が継いだ[3]。
以降はこの系統で存続しており、5代男爵リュルフが男爵家現当主を務める。
銀行家の男爵家紋章に刻まれるモットーは『与える者が価値を創り出す(Auctor Pretiosa Facit)』[5]。
現当主の保有爵位
編集現当主の第5代エイヴベリー男爵リュルフ・ラボックは、以下の爵位を有する[5]。
- 第5代ウィルトシャー州エイヴベリーのエイヴベリー男爵(5th Baron Avebury, of Avebury in the County of Wiltshire)
(1900年1月22日の勅許状による連合王国貴族爵位) - 第8代(ラマスの)準男爵(8th Baronet, of Lammas)
(1806年4月9日の勅許状による連合王国準男爵位)
一覧
編集(ラマスの)ラボック準男爵(1806年)
編集- 初代準男爵サー・ジョン・ラボック (1744–1816)[6]
- 第2代準男爵サー・ジョン・ラボック (1773–1840)[6]
- 第3代準男爵サー・ジョン・ラボック (1803–1865)[6]
- 第4代準男爵サー・ジョン・ラボック (1834–1913) (1900年にエイヴベリー男爵叙爵)[7]
エイヴベリー男爵(1900年)
編集- 初代エイヴベリー男爵ジョン・ラボック (1834–1913)
- 第2代エイヴベリー男爵ジョン・バークベック・ラボック (1858–1929)[8]
- 第3代エイヴベリー男爵ジョン・ラボック (1915–1971)[9]
- 第4代エイヴベリー男爵エリック・レジナルド・ラボック (1928–2016)[10]
- 第5代エイヴベリー男爵リュルフ・アンブローズ・ジョナサン・ラボック (1954-)[11]
爵位の法定推定相続人は現当主の長男アレクサンダー・ラボック閣下(1985-)[5]。
脚注
編集注釈
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出典
編集- ^ a b Williams, M. J. (1986). "LUBBOCK, John (1744-1816), of St. James's Place, Mdx.". In Thorne, R. G. (ed.). The House of Commons 1790-1820 (英語). The History of Parliament Trust. 2023年9月18日閲覧。
- ^ a b "No. 15906". The London Gazette (英語). 1 April 1806. p. 422.
- ^ a b c d e Arthur G.M. Hesilrige (1921). 『Debrett's peerage, and titles of courtesy, in which is included full information respecting the collateral branches of Peers, Privy Councillors, Lords of Session, etc』. Wellesley College Library. London, Dean. pp. 79-81
- ^ Alborn, Timothy L. (23 September 2004) [2004]. "Lubbock, John, first Baron Avebury". Oxford Dictionary of National Biography (英語) (online ed.). Oxford University Press. doi:10.1093/ref:odnb/34618。 (要購読、またはイギリス公立図書館への会員加入。)
- ^ a b c d Heraldic Media Limited. “Avebury, Baron (UK, 1900)” (英語). www.cracroftspeerage.co.uk. Cracroft's Peerage The Complete Guide to the British Peerage & Baronetage. 2022年10月8日時点のオリジナルよりアーカイブ。2023年9月18日閲覧。
- ^ a b c Foster, Joseph (1883). The Baronetage and Knightage of the British Empire. Westminster: Nichols and Sons. pp. 395
- ^ "Avebury 1st Baron cr 1900 (John Lubbock) (Bt 1806)". Who's Who (英語). A & C Black. (要購読、またはイギリス公立図書館への会員加入)
- ^ "Avebury 2nd Baron cr 1900 (John Birkbeck Lubbock) (Bt cr 1806)". Who's Who (英語). A & C Black. (要購読、またはイギリス公立図書館への会員加入)
- ^ "Avebury 3rd Baron cr 1900 (John Lubbock) (Bt cr 1806)". Who's Who (英語). A & C Black. (要購読、またはイギリス公立図書館への会員加入)
- ^ "Avebury 4th Baron cr 1900 (Eric Reginald Lubbock) (Bt 1806)". Who's Who (英語). A & C Black. (要購読、またはイギリス公立図書館への会員加入)
- ^ "Avebury 5th Baron cr 1900, of Avebury Wilts (Lyulph Ambrose Jonathan Lubbock) (Bt 1806)". Who's Who (英語). A & C Black. (要購読、またはイギリス公立図書館への会員加入)