エイヤフィヨルズル
座標: 北緯65度51分 西経18度08分 / 北緯65.850度 西経18.133度
エイヤフィヨルズル、エイヤ・フィヨルド(アイスランド語: Eyjafjörður, 「島のある峡湾」の意[1])は、アイスランド中北部にあるフィヨルド。中北部では最長のフィヨルドである。この周辺は、レイキャヴィーク周辺に続きアイスランドで2番目に人口が多い地域となっている。この地名は、湾内にフリース島(アイスランド語: Hrísey)という大きな島があることに由来する。
自然地理
編集エイヤフィヨルズルは細長く遠浅で、湾口から湾奥まで約 60 km の奥行きがある。幅が最も広くなっている地点は、フィヨルドの湾口にあたるそれぞれシグルネース(アイスランド語: Siglunes)、ギョーグルタウ(アイスランド語: Gjögurtá)と呼ばれる地点の間で、幅 25 km となっている。しかし、縦に長く伸びたフィヨルドの大部分では、通常 6-10 km 幅となっている。2つの小フィヨルドが、エイヤフィヨルズルの西側から枝分かれしており、それぞれオゥラフスフィヨルズル(アイスランド語: Ólafsfjörður)、ヒェジンスフィヨルズル(アイスランド語: Héðinsfjörður)と呼ばれている。
エイヤフィヨルズルは両岸を丘陵や山地に囲まれているが、西側のトロトラ半島(アイスランド語: Tröllaskagi)にある山地のため、西岸の方が東岸よりかなり高い。フィヨルドの外側の部分では、急勾配の丘陵がまっすぐ海へと落ち込んでいるため、岸に沿った低地が無い。フィヨルドをさらに南に下ったところでは、両岸に沿って細長い低地が存在している。この低地は、西岸側の方がより広くなっている。
何本かの谷がエイヤフィヨルズルから続いている。その多くは西側にあり、代表的なものはヘルグアウル谷(アイスランド語: Hörgárdalur)とスヴァルヴァーザル谷(アイスランド語: Svarfaðardalur)の2つである。ダールスミンニ(アイスランド語: Dalsmynni)はエイヤフィヨルズルの東側にある唯一の谷である。しかしながら、エイヤフィヨルズルにある最大の谷は、フィヨルド部から南へとまっすぐ延びている谷であり、この谷もまたエイヤフィヨルズルと呼ばれる。それは長く幅広で、アイスランド最大の農業地域の一つが存在している。
湾には多くの川が流れ込んでおり、代表的なものにエイヤフィヤルザル川(アイスランド語: Eyjafjarðará)、フニョウスク川(アイスランド語: Fnjóská)、ヘルグ川(アイスランド語: Hörgá)がある。
湾の中央にあるフリース島(アイスランド語: Hrísey)はアイスランド沿岸にある島々の中で2番目に大きい島であり(1位はヘイマエイ島)、「エイヤ・フィヨルドの真珠」と呼ばれることもある。
住人
編集エイヤフィヨルズル地域は、南西アイスランドにある大レイキャヴィーク圏に次いで、アイスランドで2番目に人口の多い地域である。この地域の総人口は、2008年の時点でおよそ24,000人である(ただしシグルフィヨルズル(アイスランド語: Siglufjörður)にある同名の町(en)とグリムス島(アイスランド語: Grímsey)を除く――それらの地域はしばしばエイヤフィヨルズルに関連づけられるが、地理的な意味では所属しているとは言えない)。
最大の町はアークルエイリ(アイスランド語: Akureyri)であり、この地域の他の町に比べ群を抜いて大きい。他の集落には、ダールヴィーク(アイスランド語: Dalvík)、オゥラフスフィヨルズル(アイスランド語: Ólafsfjörður)、フリース島(アイスランド語: Hrísey)、アウルスコウグスサンドゥル(アイスランド語: Árskógssandur)、ホイガネース(アイスランド語: Hauganes)、ヒヤルトエイリ(アイスランド語: Hjalteyri)、フラプナギル(アイスランド語: Hrafnagil)、スヴァルバルズスエイリ(アイスランド語: Svalbarðseyri)、グレーニヴィーク(アイスランド語: Grenivík)などがある。これら集落のほとんどが漁業や農業で生計を立てているのに対し、アークルエイリは産業の中心地であるだけでなく、現在成長中の大学(アークルエイリ大学)がある町でもある。