ウルズの泉
北欧神話に登場する泉
ウルズの泉(ウルズのいずみ、ウルザルブルン、古ノルド語: Urðarbrunnr)とは、北欧神話に登場する世界樹ユグドラシルの3本に分かれた根のうち、アースガルズに向かう根の直下にある泉である[1]。
名前は運命の女神、ノルンたち(ノルニル)の一柱で、三姉妹の長女ウルズに由来し、泉水は強力な浄化作用を持っている[2]。ユグドラシルは根をニーズホッグをはじめとする蛇たちに、また枝の若芽を4頭の牡鹿にかじられて弱っているのだが[3]、ノルンたちはユグドラシルが枯れないようウルズの泉の水と泥を混ぜたものを常に注いでおり、おかげで樹勢が保たれている[2]。
この泉は神聖視され、そこにアースの神々の法廷があった。毎朝彼らはビフレストを渡ってそこに行った[4][5]。
この他ユグドラシルの伸ばす根のうち、ニヴルヘイムへ伸びる根の下にはフヴェルゲルミルが、また霜の巨人のところへ伸びる根の下にはミーミルの泉がある[1]。
脚注
編集参考文献
編集- G. ネッケル他編『エッダ 古代北欧歌謡集』谷口幸男訳、新潮社、1973年、ISBN 978-4-10-313701-6。
- 菅原邦城『北欧神話』東京書籍、1984年、ISBN 4-487-75047-4。