ウコンハツ(鬱金初[3]学名: Russula flavida)は、ベニタケ科ベニタケ属に属する中型のキノコである。傘の表面と軸ともに、美しい鬱金色なのが和名の由来である[3][注 1]。食用不適[2]

ウコンハツ
Russula flavida
分類
: 菌界 Fungi
: 担子菌門 Basidiomycota
: ハラタケ綱 Agaricomycetes
: ベニタケ目 Russulales
: ベニタケ科 Russulaceae
: ベニタケ属 Russula
: ヤブレベニタケ節 Sect. Rigidae
: ウコンハツ R. flavida
学名
Russula flavida Frost (ss. Hongo)[1][2]
和名
ウコンハツ

分布・生態

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日本各地、および中国北アメリカに分布する[1]。ただし、日本産のウコンハツは細かい点で北アメリカ産と一致せず、学名は検討を要する状況である[1]

菌根菌[3]。夏から秋にかけて、アカマツコナラなどの針葉樹林や、コナラクヌギなどの広葉樹林、あるいは里山の雑木林の林床に発生する[3][1][2]。群生はぜず、木陰で単生するのが見かけられる[3]

形態

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子実体からなる。傘は径3 - 8.5センチメートル (cm) 、初めまんじゅう形、のちに平らに開いて中央部は窪んで浅い漏斗形になる[1][2]。傘表面は鬱金色(黄金色)で中央部がやや濃くなり、粘性はなくビロード状から粉質である[1][2]。傘裏のヒダは白色のちに汚白色で[1]、ベニタケ科に見られる共通の特徴である[3]。ヒダは柄に対して離生から上生、あるいは直生から垂生し、やや密から疎らに配列する[1][2]は白色[3]。乳液は出ないが、不快な臭いがする[3]

柄は長さ3 - 10 cm、太さ8 - 22ミリメートル (mm) で上下同大または根元がわずかに細くなり、表面は傘上面と同色で、縦皺があり粉状である[1][2]。内部は海綿[2]

担子胞子は7.5 - 9 × 6 - 7.5マイクロメートル (μm) の広卵形で、表面に粗い針状突起と不完全な網目模様があり、アミロイド[1][2]胞子紋は白色[2]

注釈

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注釈

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  1. ^ ウコン(鬱金)とは英語でターメリックともいうショウガ科の多年草のことで、カレーなどの香辛料の原料に使われている[3]

出典

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参考文献

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  • 秋山弘之『知りたい会いたい 色と形ですぐわかる 身近なキノコ図鑑』家の光協会、2024年9月20日。ISBN 978-4-259-56812-2 
  • 今関六也・大谷吉雄・本郷次雄 編著『日本のきのこ』(増補改訂新版)山と渓谷社〈山渓カラー名鑑〉、2011年12月25日。ISBN 978-4-635-09044-5 
  • 前川二太郎 編著『新分類 キノコ図鑑:スタンダード版』北隆館、2021年7月10日。ISBN 978-4-8326-0747-7