ウェスタ
ローマ神話に登場する健康、家庭を司る女神
ウェスタ(Vesta)は、ローマ神話に登場する炉、家庭、家族を司る処女の女神である。処女神とされ、のちにギリシア神話のヘスティアーと同一視された。俗ラテン語・英語などでの発音はヴェスタ(ベスタ)。
神体
編集フォルム・ロマヌムのウェスタ神殿の神体は像であるとの俗説もあったが、詩人オウィディウスが、ウェスタの神体は物ではなく燃え続ける火であることを記している。
ウェスタの巫女
編集→詳細は「ウェスタの処女」を参照
古代ローマでは国は大規模な家族と考えられたため、国家体制の鎮護神としてウェスタ崇拝も行われた。
ウェスタ神官 (vestalis) は貴族階級の少女より選ばれ、神官たる間は処女が義務付けられ、この規律を犯したものには生き埋めによる死罪が課せられた。伝説によるローマの建国者ロームルスの母レア・シルウィア(名前には複数の説あり)もウェスタ神官であったとされる。
このウェスタ神官長 (vestalis maxima) はローマで最も権威を持った聖職者で、劇場などでも女性でありながら最上級の席が割り当てられた。