インディクティオラテン語: indictio)とは、古代ローマ中世の記録に使われた、15年周期年代単位査定周期)である。15年紀と呼ばれることもある。

西暦年を15で割って余りが13のときを第1インディクティオ、14のときを第2インディクティオなどと数え、余りが12のときは第15インディクティオと数える。サイクル自体は番号付けされていないので、その年を特定するためには他の紀年が必要である。このため、いわゆる西暦や執政官の名前(共和政期)、皇帝の在位年数・世界創造紀元東ローマ帝国)などと併用されていた。

最初は3世紀後半のエジプト属州農業地税の記録で使われていた。287年に始まった時点では5年サイクルで318年で26サイクル目に到達した。しかし314年までには15年サイクルが現れている。ビザンチン年代記"Chronicon Paschale"によると最初の年は312-313年933年コプト文書には1サイクル早い297-298年と書かれている。4世紀後期までには地中海世界全域で文書の記録に使われていた。

参照

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  • Yiannis E. Meimaris, Chronological systems in Roman-Byzantine Palestine and Arabia(Athens, 1992), 32-34
  • Chronicon paschale 284–628 AD, trans. Michael Whitby, Mary Whitby(Liverpool, 1989), 10.
  • Leo Depuydt, "AD 297 as the beginning of the first indiction cycle", The bulletin of the American Society of Papyrologists, 24(1987):137-9.
  • Roger S. Bagnall, K. A. Worp, The chronological systems of Byzantine Egypt(Zutphen, 1978).
  • Bonnie Blackburn, Leofranc Holford-Strevens, The Oxford companion to the year(Oxford, 1999), 769-71.
  • V[enance] Grumel, "Indiction", New Catholic encyclopedia.
  • S. P. Scott [Justinian I], "Forty-seventh new constitution" [Novella 47], The civil law [Corpvs jvris civilis](1932; reprinted New York, 1973), 16(in 7):213-15.

関連項目

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