インタフェース記述言語
インタフェース記述言語(英: Interface Description Language, IDL)はソフトウェアコンポーネント間のインタフェース記述を目的とするドメイン固有言語の総称である。インタフェース定義言語(英: Interface Definition Language)とも呼ばれる。
概要
編集インタフェースは任意の言語で記述しうる。しかし汎用言語を用いた場合、その言語仕様によってインターフェースの自由度が下がる場合がある。例えばC言語の関数定義を用いてインタフェースを定義した場合、シグネチャの型がC言語のデータ型に制約されてしまう。これを避けるためには既存言語から中立なインタフェース記述に特化した言語を用いればよい。これがインタフェース記述言語である。
言語中立な言語で書かれたインタフェース定義は、異なるプログラミング言語で書かれたソフトウェアコンポーネント間の通信を可能にする。例えば、C++とJavaで書かれたコンポーネント間などに利用できる。また遠隔手続き呼出しでも同様であり、リンクの両端にある異なるOSのシステム間での通信を可能にする。
インタフェースは関数構造とオブジェクト型をしばしば定める。ゆえに IDL はオブジェクト記述に重きを置いたスキーマ記述言語 (SDL) とオーバーラップする部分が多い。例えば Protocol Buffers は rpc
キーワードを用いてRPC関数のインターフェースを定めるため IDL と言える一方[1]、message
キーワードを用いてオブジェクト型を定めるため SDL とも言える。
例
編集- IDL specification language: クイーンズ大学で開発された独自のインタフェース記述言語
- Microsoft Interface Definition Language (MIDL): マイクロソフトによる(DCEに基づいている)
- Open Service Interface Definitions (OSIDs): Open Knowledge Initiativeによる(サービス指向アーキテクチャ向け)
- Protocol Buffers: Google による
- WSDL: SOAPの記述言語
- Thrift IDL: Apache Thrift フレームワーク内で使用
- OpenAPI Specification: REST API を記述
- GraphQL: WebAPI を記述[2]
インタフェース記述言語を使用するシステムの例
編集- ONC RPC: (サン・マイクロシステムズ)
- DCE: (The Open Group)
- System Object Model: (IBM)
- CORBA: (OMG)
- SOAP: (W3C)
- Protocol Buffers: (Google)
- Swagger: OpenAPI で REST API を記述するソフトウェア実装
脚注
編集- ^ "you can define an RPC service interface" Protocol Buffers. Language Guide (proto3). 2023-01-01閲覧.
- ^ “FAQ”. GraphQL. The GraphQL Foundation. 2022年1月24日閲覧。