イタチタケ
イタチタケ(鼬茸、学名: Candolleomyces candolleanus)は、ナヨタケ科[注 1]ナヨタケ属に属するキノコの一種。森で見られる傘が黄色のキノコで、世界中で見られる。広葉樹の切り株や枯れ木に発生する。
イタチタケ | |||||||||||||||||||||||||||
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Candolleomyces candolleanus
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分類 | |||||||||||||||||||||||||||
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学名 | |||||||||||||||||||||||||||
Candolleomyces candolleanus (Fr.) D. Wächt. & A. Melzer[1] | |||||||||||||||||||||||||||
シノニム | |||||||||||||||||||||||||||
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和名 | |||||||||||||||||||||||||||
イタチタケ(鼬茸) |
名称
編集和名は、「鼬」の漢字を与えているが、イタチタケの語源に語源についてはよくわかっていない[3]。 種小名 candolleanusは19世紀のスイスの菌学者ドゥ・カンドルにちなむ[4]。
地方名は、下のようなものがある[5]。
分布・生態
編集木材腐朽菌[4][6][7](腐生菌[2])。夏(梅雨ごろ)から秋(中秋)にかけて、ナラ、コナラ、クヌギなどの広葉樹林の林内地上や、枯幹、材上や切り株腐木、公園などの切り株に散生か群生する[3]。
形態
編集子実体は、傘と柄からなる。傘は径3 - 7センチメートル (cm) [4]。傘の形は若い時期は卵形から鐘形だが、生長すると中央が中高の扁平になる[6][3]。傘の表は湿ると、淡黄褐色でなめらか[4]。乾燥すると、放射状に裂けやすく、表面は密色~淡褐色で、微細なささくれ状~平滑[6]。
傘の裏のヒダははじめ白色で淡紅色を帯び、直生または湾生していて密[3]。胞子ができて老成するとひだは帯紫褐色になる[6]。若いうちは傘が開くにつれ白色の被膜が傘の縁に付着し、しばらく経過すると、白い毛が傘の縁に付着しているような外見となる[7][4]。胞子は暗紫褐色[7]。
柄は長さ4 - 8 cm、白色で脆く、表面がささくれている[3]。中空で細長く、下方はやや太い[4]。柄につばをつけることはない[7]。
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傘の縁には白い皮膜の名残がつく
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ヒダ
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柄は中空で、ヒダは直生
利用
編集ヒダが白い若いキノコを食用にするが[2]、傘の裏が黒くなった老菌は食用に適さない[3]。肉は薄くて脆いので丁寧に扱って調理する[2]。汁物や炒め物(バター炒め)、鍋物、鉄板焼き、お好み焼きの具などにするとよい[6][3]。柄の太いものを選ぶとよいが、これは薄くもろく壊れやすいためである[7][6]。ただし、毒成分のシロシビン類があり、頭痛、悪寒、平衡感覚の喪失、めまい、血圧降下、幻覚、精神錯乱、暴力など、中枢神経系の中毒を起こす[5]。
脚注
編集注釈
編集出典
編集- ^ “Candolleomyces candolleanus in MycoBank”. 2023年3月11日閲覧。
- ^ a b c d 大作晃一 2005, p. 81.
- ^ a b c d e f g 瀬畑雄三 監修 2006, p. 21.
- ^ a b c d e f g 小宮山勝司、ヤマケイポケットガイド⑮『きのこ』、山と渓谷社、2000年、146頁
- ^ a b 長沢栄史、増補改訂フィールドベスト図鑑13『日本の毒きのこ』、学研、2009年、129・131頁
- ^ a b c d e f 柳沢まきよし、ポケット図鑑『新版 日本のキノコ275』、文一総合出版、2022年、133頁
- ^ a b c d e 今関六也・大谷吉雄・本郷次雄、山渓カラー名鑑『増補改訂新版 日本のきのこ』、山と渓谷社、2011年、210頁
参考文献
編集- 大作晃一『山菜&きのこ採り入門 : 見分け方とおいしく食べるコツを解説』山と渓谷社〈Outdoor Books 5〉、2005年9月20日。ISBN 4-635-00755-3。
- 瀬畑雄三 監修、家の光協会 編『名人が教える きのこの採り方・食べ方』家の光協会、2006年9月1日。ISBN 4-259-56162-6。