アンダーセン空軍基地(アンダーセンくうぐんきち、: Andersen Air Force Base)は、アメリカ合衆国海外領土であるグアムジーゴから北東に約6.4kmの場所に位置するアメリカ空軍の基地である。西太平洋地域で唯一、アメリカ空軍戦略爆撃機が展開可能な基地となっている[3]

アンダーセン空軍基地
Andersen Air Force Base
IATA: UAM - ICAO: PGUA
概要
国・地域 アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
所在地 グアムの旗 グアムジーゴ
種類 軍用
運営者 アメリカ合衆国空軍の旗 アメリカ空軍
開設 1944年
標高 188.3 m (618 ft)
座標 北緯13度34分52秒 東経144度55分28秒 / 北緯13.58111度 東経144.92444度 / 13.58111; 144.92444
公式サイト www.andersen.af.mil
地図
アンダーセン空軍基地の位置
アンダーセン空軍基地の位置
UAM/PGUA
アンダーセン空軍基地の位置
滑走路
方向 ILS 長さ×幅 (m) 表面
06L/24R 3,218×61 コンクリート/舗装
06R/24L 3,409×61 コンクリート/舗装
出典:FAA[1],official site[2]
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2009年10月にグアム海軍基地英語版とともに、マリアナ統合管区英語版を構成する施設となっている[4]

概要

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第二次世界大戦中の1944年12月3日に、日本本土空襲のためのB-29爆撃機用の基地として、ノース・フィールドの名称で設置された。第二次世界大戦後の1949年10月7日、太平洋上で事故死した米陸軍航空隊のジェームズ・ロイ・アンダーセン英語版(James Roy Andersen)准将にちなみ、アンダーセン空軍基地へ改称された[5][6]

1965年にアメリカ合衆国が軍事介入したベトナム戦争では、アメリカ本土からB-52飛行隊が移駐し、ベトナム民主共和国までの遠距離爆撃作戦(北爆)の拠点となった[7]

2016年8月からは、B-52の一部を置き換える形でB-1爆撃機の配備が始まった。朝鮮民主主義人民共和国による核爆弾弾道ミサイル開発への抑止力、中華人民共和国による南シナ海進出への牽制力を強化する目的とされている[8]。同年以降は、しばしば基地から朝鮮半島方面の飛行が行われ、自衛隊大韓民国国軍との共同訓練も行われている[9]

2020年4月17日、アメリカ軍は動力的戦力運用構想の一環としてB-52のグアム配備見直しを行い、前日までに配備されていた5機をノースダコタ州マイノット空軍基地に移動させたことを発表した。今後は、アメリカ本土からの運用が行われる[10]

所在部隊

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ルイジアナ州バークスデール空軍基地から前方展開したB-52H(奥の機体はKC-135R)

アンダーセン空軍基地には、以下の部隊が所在している[11][12][13]

第11空軍隷下
  • 第36航空団英語版
    • 第36作戦群英語版
      • 第36作戦支援中隊
    • 第36緊急対応群
      • 第36機動対応中隊
      • 第554レッドホース中隊
      • 第644戦闘通信中隊
      • 第736警備中隊
    • 第36整備群
      • 第36遠征航空機整備中隊
      • 第36整備中隊
      • 第36弾薬中隊
    • 第36医療群
      • 第36医療運用中隊
      • 第36医療支援中隊
    • 第36任務支援群
      • 第36施設中隊
      • 第36通信中隊
      • 第36契約中隊
      • 第36福利厚生中隊
      • 第36兵站即応中隊
      • 第36警備中隊
第16空軍英語版隷下
アメリカ空軍遠征センター英語版隷下
第4空軍隷下
  • 第624地域支援群英語版
    • 第44飛行場業務中隊
    • 第624航空宇宙医学小隊
    • 第624地域支援群作戦分遣隊アルファ
    • 第724航空衛生ステージング小隊
グアム空軍州兵英語版
  • 第254基地航空群
    • 第254レッドホース中隊
    • 第254警備中隊
アメリカ海軍太平洋艦隊ヘリコプター海洋戦闘航空団司令官隷下
アメリカ宇宙軍宇宙作戦軍団英語版隷下

脚注

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出典

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  •   この記事にはパブリックドメインである、アメリカ合衆国連邦政府が作成した次の文書本文を含む。空軍歴史調査局(英語版).
  •   この記事には現在パブリックドメインとなったAndersen Air Force Baseからの記述が含まれています。
  1. ^ FAA Airport Form 5010 for UAM (PDF) . Retrieved 15 March 2007
  2. ^ Andersen Air Force Base web page
  3. ^ Why Is North Korea So Fixated on Guam?”. popularmechanics.com (2017年8月9日). 2017年9月24日時点のオリジナルよりアーカイブ2017年9月24日閲覧。
  4. ^ History of Joint Region Marianas”. Cnic.navy.mil. 2012年10月17日時点のオリジナルよりアーカイブ2014年4月25日閲覧。
  5. ^ Andersen AFB”. www.globalsecurity.org. 2020年9月25日閲覧。
  6. ^ Historian”. www.andersen.af.mil. 2020年9月25日閲覧。
  7. ^ 青木謙知「アメリカ空軍の基地」『世界の航空戦力 アメリカ空軍』、イカロス出版、2018年10月、120頁、ISBN 978-4-8022-0421-7 
  8. ^ “米軍がグアムにB1戦略爆撃機を配備、「地球規模の攻撃能力」で中朝ににらみ”. 産経ニュース. (2017年6月26日). オリジナルの2016年8月9日時点におけるアーカイブ。. https://archive.ph/tD9t0 
  9. ^ “米戦略爆撃機、今度は朝鮮半島に飛来 北朝鮮ICBMに対抗”. CNN. (2017年7月8日). https://www.cnn.co.jp/world/35103967.html 
  10. ^ 米空軍、戦略爆撃機をグアムから撤収”. 産経新聞 (2020年4月19日). 2020年4月19日閲覧。
  11. ^ Units”. Andersen Air Force Base. US Air Force. 2020年2月4日閲覧。
  12. ^ Continuous Bomber Presence Mission”. Andersen Air Force Base. US Air Force. 2020年2月2日閲覧。
  13. ^ Units”. Schriever Air Force Base. US Space Force. 2020年8月2日閲覧。
  14. ^ 319th Operations Group reactivates RQ-4 squadron”. 27 March 2020閲覧。

参考文献

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  • Maurer, Maurer. Air Force Combat Units Of World War II. Washington, D.C.: U.S. Government Printing Office 1961 (republished 1983, Office of Air Force History, ISBN 0-912799-02-1).
  • Ravenstein, Charles A. Air Force Combat Wings Lineage and Honors Histories 1947–1977. Maxwell Air Force Base, AL: Office of Air Force History 1984. ISBN 0-912799-12-9.
  • Fletcher, Harry R. (1989). Air Force Bases Volume II, Active Air Force Bases outside the United States of America on 17 September 1982. Maxwell AFB, Alabama: Office of Air Force History. ISBN 0-912799-53-6.

外部リンク

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