アルプス人種(あるぷすじんしゅ)[1]は、かつての自然人類学におけるコーカソイドの下位区分の一つ。

アルプス人種に属すとされるオーストリア人

1899年ウィリアム・Z・リプリーにより北方人種地中海人種と共に定義され、主にヨーロッパ中部(フランス中東部やスイスドイツ南部(フランケンアレマンバイエルン)、オーストリアイタリア北部など)や旧フランス植民地の一部(カナダケベック州など)に住んでいるとされた。

この人種に属する人は「一般に、淡い褐色の毛髪であり、虹彩の色も明褐色で、青色や緑色は極めて少ない。皮膚色は白色をなすが、皮下の血液が透けて見えるほどの色素脱落は示さない。また、顔も丸みを帯び、脚が短くずんぐりした体格である。頭蓋も丸く短い(短頭)。」とされた[2]

アルプス人種は代表的な短頭人種として近代以降知られていたが、20世紀初めにドイツ人類学の大御所であったオイゲン・フィッシャー (Eugen Fischer) らにより、古代のアルプス人種に属する人々は長頭であり、時代が進むと共に短頭に変化したことが明らかにされた。

遺伝子の観点からはY染色体ハプログループR-S28イタロ・ケルト語派に関連)との間に分布の相関が認められる[3]

脚注

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  1. ^ コトバンク アルプス人種
  2. ^ 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)
  3. ^ Eupedia