アニタ・エクバーグ
アニタ・エクバーグ(Anita Ekberg, 1931年9月29日 - 2015年1月11日[1][2])は、スウェーデン出身の女優である。
アニタ・エクバーグ Anita Ekberg | |
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アニタ・エクバーグ(1956年) | |
本名 | Kerstin Anita Marianne Ekberg |
生年月日 | 1931年9月29日 |
没年月日 | 2015年1月11日(83歳没) |
出生地 | マルメ |
死没地 | ロッカ・ディ・パーパ |
国籍 | スウェーデン |
職業 | 女優、モデル |
主な作品 | |
『戦争と平和』 『甘い生活』 |
来歴
編集1931年、スウェーデンのマルメで8人兄弟の6番目として生まれる[3]。ミス・ユニバースのスウェーデン代表となったことがきっかけでアメリカへ渡り、ユニバーサル・スタジオと契約して女優となる[4]。最初はお色気要員として雑誌のカバーガールをこなしながらB級映画やコメディに出演していたが、フランク・シナトラやユル・ブリンナーなど大物スターと親密になり、『戦争と平和』ではヘンリー・フォンダの妻役を射止めた[4]。フェデリコ・フェリーニにも気に入られイタリアに渡ると、『甘い生活』に出演し、グラマーなアメリカの女優シルヴィア役で一躍スターの仲間入りを果たす[4]。黒いドレスを着たまま噴水(トレヴィの泉)に入るシーンが有名で、フェリーニはアニタを「神からの贈り物」と呼んだ[4]。
その後フェリーニの作品に何本か出演したが[4]芳しい評価は得られず、1968年に脱税容疑で起訴され、1960年代末からはイタリアのB級作品に数多く出演するも、人気が返り咲くことはなかった。1970年代の後半になると、スクリーンから姿を消すことになる[3]。
『甘い生活』で共演したマルチェロ・マストロヤンニと恋愛関係にあった時期もあり[4]、1987年のフェリーニ作品『インテルビスタ』では本人の役で出演。往年とは別人のように肥満して、若い頃の姿を見て涙ぐむ自分自身を演じている[4]。そして、やはり本人役を演じたマストロヤンニを相手に『甘い生活』のダンス場面を再現して見せた[4]。
2015年1月11日、イタリア・ローマ南東部のロッカ・ディ・パーパで死去[5][6]。2度の離婚を経験し、晩年はローマ郊外で愛犬と暮らしていたが[4]、足を骨折した後遺症で自力で歩けなくなっており、数年間車椅子と入院生活を送っていた[7][3]。また、入院中に自宅から宝飾品や家具が盗まれたり、火事に遭って大きな損害を受けるなどして経済的に困窮し[3][4]、2011年12月にフェリーニ財団に資金援助を求めていたことが報じられていた[5]。
主な出演作品
編集- ミシシッピーの賭博師 The Mississippi Gambler (1953)
- 凸凹火星探検 Abbott and Costello Go to Mars (1953)
- 熱砂の舞 (1956)
- 底抜けコンビのるかそるか (1956)
- 戦争と平和 War and Peace (1956)
- 地獄の翼 (1956)
- パリの休日 Paris Holiday (1958)
- ローマの旗の下に Nel segno di Roma (1958)
- 甘い生活 La Dolce Vita (1960)
- ボッカチオ'70 Boccaccio '70 第2話「アントニオ博士の誘惑」 (1962)
- 腰抜けアフリカ博士 Call Me Bwana (1963)
- テキサスの四人 4 for Texas (1963)
- イタリア式愛のテクニック (1966)
- 火曜日ならベルギーよ If It's Tuesday, This Must Be Belgium (1969)
- フェリーニの道化師 I Clown (1970)
- インテルビスタ - Intervista (1987)
- リュシアン 赤い小人 Le Nain rouge (1998)
『007/ロシアより愛をこめて』の巨大広告
編集映画『007 ロシアより愛をこめて』(1963年)では、トルコのイスタンブールにやってきたジェームス・ボンド(ショーン・コネリー)が、MI6の現地主任のケリム(ペドロ・アルメンダリス)と共に、ケリムの宿敵・クリレンクを狙撃する。
映画『腰抜けアフリカ博士』の巨大広告にあるアニタ・エクバーグの大きな口に隠し扉があり、そこから脱出しようとする敵をAR-7ライフルで仕留め、ボンドは「女の口はこわい」とつぶやいて去る。
脚注
編集- ^ “「甘い生活」主演、アニタ・エクバーグさん死去”. ハフポスト (ザ・ハフィントン・ポスト・ジャパン). (2015年1月11日) 2020年8月1日閲覧。
- ^ “スウェーデン人女優アニタ・エクバーグさん死去(ローマAFP時事)”. 時事ドットコム. 時事通信社. (2015年1月11日). オリジナルの2015年1月17日時点におけるアーカイブ。 2015年1月17日閲覧。
- ^ a b c d “La Dolce Vita star Anita Ekberg dies”. BBC News (2015年1月11日). 2015年2月3日閲覧。
- ^ a b c d e f g h i j YUKI TOMINAGA (2020年8月13日). "イタリア映画界の巨匠、フェデリコ・フェリーニに愛された5人のミューズ。". VOGUE JAPAN. コンデナスト・ジャパン. 2024年4月19日閲覧。
- ^ a b “Anita Ekberg, International Screen Beauty, Dies at 83”. NYTimes (2015年1月11日). 2015年2月3日閲覧。
- ^ “女優A・エクバーグ死去、フェリーニ監督作「甘い生活」に出演”. ロイター. トムソン・ロイター. (2015年1月13日) 2024年4月20日閲覧。
- ^ “アニタ・エクバーグさんが死去 女優”. 日本経済新聞 (2015年1月11日). 2015年2月3日閲覧。