アップショット・ノットホール作戦
ネバダ核実験場で実施された核実験
アップショット・ノットホール作戦 (英: Operation Upshot-Knothole) は、1953年にネバダ核実験場で実施された核実験である。アメリカ合衆国の核実験としては11番目のシリーズとなる。
特にグレイブル実験には、2万1千人以上の兵士がデザート・ロックIV演習として参加した。この実験では、M65 280mmカノン砲によりW9核砲弾が実射され、この模様は軍の上級幹部に観覧された。
アップショット・ノットホール作戦はアイビー作戦に続いて実施され、本作戦の後にはキャッスル作戦が実施された。本作戦の中では、初めて核砲弾が使用されたグレイブル実験、及びカリフォルニア大学リバモア放射線研究所(後のローレンス・リバモア国立研究所)が初めて実施して失敗に終わった2つの水素化ウラン爆弾の実験("ルース"と"レイ")が特筆すべきものである。重水素により、比較的低速な中性子を発生させ、核分裂反応の効率化を目指すものであった。実験でテストされた熱核兵器用の装置は、その後に実施されたより大規模な”キャッスル作戦”で使用された。
本作戦で実施された各実験は以下の通り。
ビデオ
編集-
アップショット作戦のビデオ
-
アップショット・ノットホール作戦グレイブル実験のビデオ
詳細
編集実験名 | 実施日 | 実施場所 | 核出力 | 備考 |
---|---|---|---|---|
アニー (Annie) |
1953年3月17日 | ネバダ核実験場 | 16キロトン | |
ナンシー (Nancy) |
1953年3月24日 | 24キロトン | ||
ルース (Ruth) |
1953年3月31日 | 0.2キロトン | リバモア研究所が実施した最初の実験(不完全核爆発)。水素化ウランが使用された(水素化ウラン爆弾)。 | |
ディキシー (Dixie) |
1953年4月 | 6日11キロトン | ||
レイ (Ray) |
1953年4月11日 | 0.2キロトン | リバモア研究所が実施した2番目の実験(不完全核爆発)。重水素化ウランが使用された。 | |
バッジャー (Badger) |
1953年4月18日 | 23キロトン | ||
サイモン (Simon) |
1953年4月25日 | 43キロトン | ||
アンコール (Encore) |
1953年5月 | 8日27キロトン | ||
ハリー (Harry) |
1953年5月19日 | 32キロトン | Mark 13を使用。大量の放射性降下物が発生 | |
グレイブル (Grable) |
1953年5月25日 | 15キロトン | W9核砲弾実験(ガンバレル式核分裂兵器) | |
クライマックス (Climax) |
1953年6月4日 | 61キロトン | Mark7インプロージョン方式の核爆弾を使った投下実験。空中98mで起爆した。 |