アズナス
株式会社アズナス(英: asnas Co., Ltd.)は、エイチ・ツー・オー リテイリングの子会社であり、阪急阪神東宝グループ所属企業のひとつである。自社ブランドのコンビニエンスストア「アズナス」を展開していたが、2021年に「ローソン」へのフランチャイズ店舗への転換が決定し、同年内に全店舗が営業終了となった。以降は、株式会社アズナスが旧アズナスから改装されたローソン店舗をフランチャイズ経営している。
種類 | 株式会社 |
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市場情報 | 非上場 |
本社所在地 |
日本 〒531-0072 大阪府大阪市北区豊崎5-6-10 商業ビル2階 |
設立 | 2019年(平成31年)4月18日 |
業種 | 小売業 |
法人番号 | 7120001220561 |
事業内容 | コンビニ・駅売店事業 |
代表者 | 代表取締役社長 佐桑 勇 |
資本金 | 1,000万円 |
決算期 | 3月31日 |
主要株主 | エイチ・ツー・オー リテイリング株式会社(100%) |
外部リンク | https://www.asnas.jp/ |
特記事項:2019年8月1日にエキ・リテール・サービス阪急阪神から事業を分割。 |
歴史・概要
編集1995年(平成7年)4月20日に阪急電鉄十三駅に日本初の駅のホーム上にあるコンビニエンスストアとして1号店を開店したのが始まりである[1]。
阪急電鉄の駅内や駅前を中心に出店して1997年(平成9年)1月時点で9店舗中3店舗が1日平均100万円超を売り上げるなど電車の乗降客の利用が見込める駅でのコンビニエンスストアの強さを発揮した[2]。
2001年(平成13年)に通常のコンビニエンスストアタイプのアズナスの他に、駅の売店に近いより小型店のアズナスエクスプレス(asnas exp)を展開し始め、2009年(平成21年)4月1日時点で62店舗のうちアズナスエクスプレスが26店舗を占めるまで店舗数を増やしている[3]。なお、阪急電鉄グループの第三セクターである北大阪急行電鉄[4]の駅に展開される構内売店は、全てアズナスエクスプレスである。
2007年(平成19年)3月から三井住友カードやNTTドコモ関西と協力して電子マネーのiDを導入して店頭での支払い方法の多様化を図った[5]。
2008年(平成20年)4月1日に阪神電気鉄道の100%出資子会社である阪神ステーションネットから運営を受託してアズナスと一体的な運営を行って来たコンビニエンスストアアンスリー[3]の全8店舗を2009年(平成21年)4月1日には阪神ステーションネットの関係する全従業員16人と共に引継いでアズナスに転換し[6]、阪神電気鉄道の駅構内などにも店舗を展開するようになった。
2010年(平成22年)4月19日に阪神西梅田店へ発光ダイオード(LED)照明116台を導入して環境配慮型の新店舗に改装した[7]ほか、大阪市内の中小企業支援の一環として大阪産業創造館と大阪市が開催した「『おいしく元気に疲労回復!』レシピ開発プロジェクト」に応募してきたレシピを元にした弁当やおにぎりを2011年(平成23年)11月29日から販売する[8]など新たな展開も始めている。
同じ阪急電鉄子会社の総菜製造販売会社いいなダイニングの寿司などを販売している[9]ほか、2011年(平成23年)11月に阪急電鉄や阪神電気鉄道の駅名標デザインの携帯クリーナー付き飲料水を発売したり[10]、2012年(平成24年)2月7日からグループの阪急阪神レストランズが阪急電鉄沿線で運営する「阪急そば」を再現したカップ麺や同そば店の人気メニュー「天たま丼」を発売したり[11]、同月から阪急電車や阪急梅田駅をあしらったハローキティのご当地バージョンを発売したほか、同年5月15日から阪神電気鉄道が自社の線路の高架下に設置した植物工場の阪神野菜栽培所で無農薬のグリーンリーフレタスを使ったサラダを発売して[12]健康志向の女性に人気を博す[13]など阪急阪神グループとしての強みを生かしたオリジナル商品を展開している。
2019年8月1日に、エキ・リテール・サービス阪急阪神からアズナス事業を分割し、エイチ・ツー・オー リテイリングが子会社として2019年4月18日に設立した株式会社アズナスへ事業を譲渡した[14]。
2021年6月24日、エイチ・ツー・オー リテイリングがコンビニエンスストア大手のローソンとの包括業務提携契約の締結を発表し、その内容のひとつとして、2021年7月26日よりアズナス全98店舗を順次ローソンにブランド転換することを表明[15]、転換により株式会社アズナスはローソンのフランチャイズオーナーとなる[16]。以降、順次閉店・転換が進められ、2021年11月24日の「アズナスエクスプレス宝塚」の閉店を以て、アズナスブランドの店舗が完全消滅した[17]。
名前の由来
編集英語の「as soon as[18]」から来ている[3]。1995年(平成7年)4月20日に阪急十三駅の2号線と3号線に挟まれたホームに1号店がオープンした際、その位置ゆえに、乗り継ぐ電車を待つ間のわずかな時間でも買い物ができるという意味で名づけられた。
ロゴは、現在では「asnas」と表記されているが、2003年頃までは、「ASsooNAS[19][20]」と、「as soon as」の意味であることが分かるロゴになっていた(その当時から読み方は「アズナス」であった)。
備考
編集- スルッとKANSAIが発行するICカードPiTaPaを使用した支払いも可能である(PiTaPa機能のないクレジットカードでの支払いはできない)。
- 営業時間は24時間営業ではなく、店舗によって異なるが、大体は朝の7時から夜の11時ないし11時30分である(但し殆どの「アズナスエクスプレス」ではそれよりは閉店時間が早い)。
- 2007年(平成19年)3月より、京阪・南海・近鉄との5社共同事業として電気ガス料金等の収納代行サービスを開始した。
- 一部の店舗では、JR東日本ウォータービジネス開発商品の発売も行われている。
店舗
編集ローソンに転換された株式会社アズナス運営店舗は、「ローソンHA ○○店」(旧アズナス店)、「ローソンHB □□店」(旧アズナスエクスプレス店)の店名となっており、通常のローソン店舗とは一部サービスや取扱商品が異なっている[26]。
過去に営業していた店舗
編集ローソンに転換した店舗は除く。
アズナス
編集- 旧・山田店 - 阪急山田駅前のバスロータリーの北側に営業していたが、駅前の再開発を前に閉店。その後、駅舎改築の完成とともに新店舗が開業。
- 梅田店 - 現・ブックファースト梅田2階店あたり(阪急三番街南館、JR大阪駅連絡通路)で営業。
- 阪急宝塚山手台店 - 2004年2月27日開店、2010年5月21日をもって閉店[27]。
- グランフロント大阪店 - 2014年5月11日をもって閉店。跡地にはファミリーマートうめきたセラー店が出店。
- 夙川店 - 2016年9月27日閉店。
- 三国店
- 三宮店 - 阪急神戸三宮駅1階で営業していたが、駅ビル建て替え工事のため閉店。
- 旧・梅田東口店 - 阪神梅田駅東改札口そば(現在の駅長室がある場所)で営業していたが、阪神百貨店梅田本店建て替え工事に伴い閉店。のち、旧駅長室があった現在地に移転し同じ店舗名で再オープン。2021年10月13日にて再閉店、ローソンに転換。
- エビスタ西宮店(アンスリー時代は西宮店) - 2018年3月11日閉店。
- 千里山店 - 2018年8月31日閉店。
- 阪神西梅田店 - 駅改良工事のため2021年8月31日閉店。
アズナスエクスプレス
編集- 梅田1階店 - 阪急梅田駅構内。
- 上牧店
- 洛西口店
- 梅田西改札内店 - 阪神梅田駅西改札内。駅改良工事のため閉店。
- 姫島店
- 小林店
その他
編集- 「ASsooNAS」当時のアズナスには独自のキャラクターがあり、キャラクターの名前も公募され「テキパクン」という名前になったが、ロゴが「ASsooNAS」から「asnas」に変更されたときに、一旦消滅した。しかし公式ページでは現在でも紹介されており、最近はリーフレットなどで復活している模様である。
- 公表されていないが、阪急西宮ガーデンズ等の商業施設裏には施設従業員専用のアズナス(現:ローソンHBおよびローソンHD)が存在する。
脚注
編集- ^ 日本初の駅ホーム上コンビニがオープンして15年 コンビニエンスストア「アズナス」が4月20日(火)で15周年を迎えます。 (Report). 阪急リテールズ. 30 March 2010.
- ^ “CVSインタビュー アズナス 阪急電鉄流通本部・小林啓輔氏”. 日本食糧新聞 (日本食糧新聞社). (1997年1月14日)
- ^ a b c 阪急阪神ホールディングスグループにおけるコンビニエンスストア事業の統合について (Report). 阪急阪神ホールディングス. 16 February 2009.
- ^ 共同使用駅で、Osaka Metroが施設を管理する江坂駅も含む。
- ^ “コンビニなど「iD」を導入 阪急電鉄、阪神電鉄グループ”. 繊研新聞 (繊研新聞社). (2007年3月3日)
- ^ “阪神のコンビニ「アンスリー」が阪急の「アズナス」へ”. 朝日新聞 (朝日新聞社). (2009年2月17日)
- ^ “パナ電工、LED照明116台、コンビニに納入”. 日経産業新聞 (日本経済新聞社). (2010年4月20日)
- ^ “おいしく、疲労も回復 弁当や総菜を4種類発売 阪急リテールズ あすから”. 交通新聞 (交通新聞社). (2011年11月28日)
- ^ “期限切れショウガ使用で自主回収 阪急子会社”. 神戸新聞 (神戸新聞社). (2009年4月21日)
- ^ “携帯クリーナー付き飲料水発売 阪急リテールズ”. 交通新聞 (交通新聞社). (2011年11月9日)
- ^ “「阪急そば」再現カップ麺を発売 阪急阪神レストランズ”. 交通新聞 (交通新聞社). (2012年2月6日)
- ^ “高架下は「レタス工場」コンビニで販売 阪神電鉄”. 産経新聞 (産経新聞社). (2012年6月13日)
- ^ “鉄道・バス会社 野菜工場、遊休地の活用探る-近鉄・奈良交通”. 日本経済新聞 (日本経済新聞社). (2012年8月1日)
- ^ エイチ・ツー・オー リテイリング グループへのコンビニエンスストア事業及び駅売店事業の譲渡について - エキ・リテール・サービス阪急阪神、阪急阪神ホールディングス 2019年5月28日(2019年5月28日閲覧)
- ^ 株式会社ローソンとの「包括業務提携契約」締結のお知らせ - エイチ・ツー・オー リテイリング株式会社 2021年6月24日(2021年6月24日閲覧)
- ^ 駅ナカコンビニ・駅売店の株式会社ローソンのフランチャイズ店舗への転換について - 株式会社アズナス 2021年6月24日(2021年6月24日閲覧)
- ^ “https://twitter.com/asnas_jp/status/1463643599820800003”. Twitter. 2021年11月25日閲覧。
- ^ 「as soon as S V」の意味は、「SがVするとすぐに」。
- ^ hankyu_exのツイート(987146354395774976)
- ^ 阪急電鉄 - 本日は、4月20日。...、Facebook、2018年4月19日。
- ^ Kitaca・Suica・PASMO・TOICA・manaca・SUGOCA・nimoca・はやかけん
- ^ “アズナスでお買い物しましょ!”. アズナス (2018年12月25日). 2021年3月29日閲覧。
- ^ “利用できるお支払方法”. ローソン. 2021年3月29日閲覧。
- ^ “ご利用可能な決済サービス”. ファミリーマート. 2021年3月29日閲覧。
- ^ “ご利用可能なお支払い方法”. セブン-イレブン. 2021年3月29日閲覧。
- ^ 店舗一覧|アズナス
- ^ アズナスホームページ "Topics"
関連項目
編集- アンスリー(京阪電気鉄道・南海電気鉄道・阪神電気鉄道の駅にあったコンビニエンスストア、京阪については小型食品スーパーマーケットのもより市に転換、南海についてはセブン-イレブンに転換、阪神についてはアズナスに転換後ローソンに再転換)
- K PLAT(ampmとの提携後、近鉄が展開したコンビニ型売店。2013年よりファミリーマート(愛称:「近鉄エキファミ」)に転換)
- ハートイン・デイリーイン(西日本旅客鉄道の子会社が運営するコンビニエンスストア、2014年よりセブン-イレブン(愛称:「セブン-イレブン Heart・in」・「セブン-イレブン KIOSK」)に順次転換中)
- フレンズショップ(山陽電気鉄道の駅構内売店。一部店舗はローソンとの提携による「ローソン+フレンズ」に転換)