アスター子爵英語: Viscount Astor)は、連合王国貴族子爵位。アメリカの財閥アスター家の一族でイギリスに帰化したウィリアム・ウォルドーフ・アスター1917年に叙されたのに始まる。

アスター子爵
Viscount Astor
紋章記述
Arms:Or a Falcon resting on a Dexter Hand couped at the wrist proper gauntleted Gules in chief two Fleur-de-lys of the last Crest:From a Mount Vert a Falcon rising proper ensigned by three Mullets Gold Supporters:Dexter: a North American Indian; Sinister: a North American fur trapper; each habited accoutred and holding in the exterior hand a Rifle all proper
創設時期1917年6月23日
創設者ジョージ5世
貴族連合王国貴族
初代初代子爵ウィリアム・アスター
現所有者4代子爵ウィリアム・アスター英語版
相続人ウィリアム・アスター閣下
相続資格初代子爵の嫡出直系男子
付随称号アスター男爵
現況存続
邸宅ジンジ・マナー(Ginge Manor)
旧邸宅ヒーヴァー城英語版
クリブデン・マナー英語版
モットー星々へ(Ad Astra)

歴史

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かつての子爵家の邸宅ヒーヴァー城英語版

初代子爵に叙されるウィリアム・ウォルドーフ・アスター(1848–1919)は、アメリカの財閥アスター家の一族でニューヨーク州議会の下院議員や上院議員を務めていたが、1899年イギリスに帰化してイギリス臣民となった[1]。イギリスでは『ペル・メル・ガゼット英語版』と『ペル・メル・マガジン英語版』を所有しつつ、慈善事業に尽くした[1]。その功績で1916年1月26日には連合王国貴族爵位カウンティ・オブ・ケントにおけるヒーヴァー城のアスター男爵(Baron Astor, of Hever Castle in the County of Kent)、ついで1917年6月23日には連合王国貴族爵位カウンティ・オブ・ケントにおけるヒーヴァー城のアスター子爵(Viscount Astor, of Hever Castle in the County of Kent)に叙せられた[2][3]

初代子爵の長男で2代子爵を継承するウォルドーフ・アスター(1879–1952)は、統一党(保守党)の政治家で襲爵前から庶民院議員を務め、襲爵後の1918年から1919年まで食糧省(Ministry of Food)の政務次官、1919年から1921年まで厚生省(Ministry of Health)の政務次官などを務めている[3][4]。また初代子爵の三男ジョン・ジェイコブ・アスター(1886-1971)も保守党の政治家で1956年にヒーヴァーのアスター男爵に叙せられている[5]

2代子爵の息子の3代子爵ウィリアム・ウォルドーフ・アスター英語版(1907–1966)も襲爵前に保守党の庶民院議員を務めた[3][6]

3代子爵の息子の4代子爵ウィリアム・ウォルドーフ・アスター英語版(1951-)も保守党の政治家として貴族院で活動しており、1999年に世襲貴族の議席が92議席に限定された後も世襲貴族枠の貴族院議員に選び残されている。2017年現在の当主も彼である[3][7]

本邸はオックスフォードシャーワンテジ英語版にあるジンジ・マナー英語版[3]。かつての邸宅にはケント州ヒーヴァー村英語版に所在したヒーヴァー城英語版[8]バッキンガムシャーバークシャーの州境に位置するクリブデン・マナー英語版があった[9]

現当主の保有爵位

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現当主ウィリアム・ウォルドーフ・アスター英語版は以下の爵位を保有している[3][7]

  • ケント州におけるヒーヴァー城の第4代アスター子爵 (4th Viscount Astor, of Hever Castle in the County of Kent)
    (1917年6月23日勅許状による連合王国貴族爵位)
  • ケント州におけるヒーヴァー城の第4代アスター男爵 (4th Baron Astor, of Hever Castle in the County of Kent)
    (1916年1月26日の勅許状による連合王国貴族爵位)

歴代当主一覧

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子爵家の旧邸クリブデン・マナー

アスター男爵 (1916年)

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アスター子爵 (1917年)

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脚注

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出典

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  1. ^ a b "Astor, William Waldorf" . Collier's New Encyclopedia (英語). 1921.
  2. ^ Lundy, Darryl. “William Waldorf Astor, 1st Viscount Astor” (英語). thepeerage.com. 2017年12月16日閲覧。
  3. ^ a b c d e f Heraldic Media Limited. “Astor, Viscount (UK, 1917)” (英語). Cracroft's Peerage The Complete Guide to the British Peerage & Baronetage. 2017年12月16日閲覧。
  4. ^ "Astor, William Waldorf Astor, 1st Viscount" . Encyclopædia Britannica (英語) (12th ed.). 1922.
  5. ^ Lundy, Darryl. “Lt.-Col. John Jacob Astor, 1st Baron Astor of Hever” (英語). thepeerage.com. 2017年12月16日閲覧。
  6. ^ Lundy, Darryl. “William Waldorf Astor, 3rd Viscount Astor” (英語). thepeerage.com. 2017年12月16日閲覧。
  7. ^ a b Lundy, Darryl. “William Waldorf Astor, 4th Viscount Astor” (英語). thepeerage.com. 2017年12月16日閲覧。
  8. ^ Hever Castle - History, Rooms & Tours” (英語). Hever Castle (2014年6月9日). 2020年12月26日閲覧。
  9. ^ Arthur G.M. Hesilrige (1921). Debrett's peerage, and titles of courtesy, in which is included full information respecting the collateral branches of Peers, Privy Councillors, Lords of Session, etc. Wellesley College Library. London, Dean. p. 71. https://archive.org/details/debrettspeeraget00unse/page/70/mode/2up 

関連項目

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