らーめん缶
概要
編集「麺屋武蔵」の店主が新潟県中越地震のボランティアに参加した際の経験から発案した製品であり、フジタカと企画会社UMAI FUが2007年に企画・発売した「札幌らーめん缶(醤油味、味噌味)」がその走りである。麺は小麦粉ではなくこんにゃくを使用しているために伸びる事がなく、缶の上部には折りたたみフォークを添付している[1]。
発売時には、フジテレビのスーパーニュースにて秋葉原にあるカフェメイリッシュのスタッフに試食させ、放映時には未入荷だったが「秋葉原で大人気のラーメン缶」と紹介された。
その後、おでん缶等のメーカーの天狗缶詰[2]をはじめ、富士見食品[3]、はかた寿賀や[4][5]など他社も同様の缶食品で追随した。麺にこんにゃくを用い、缶に折りたたみフォークがシュリンクパックされている等、基本的な仕様は他社のものもほぼ共通している。
フジタカ・UMAIも冷やしラーメン、東京屋台風、博多とんこつ風、味噌バター、スープカレーなど各種ラインナップを拡充[6][7][8]。蕎麦(関東風・関西風)、うどん(きつね・カレーうどん・けんちん汁)など他の麺類を模した物も発売された[7][9][10]。天狗缶詰も中華そば(とんこつ醤油)、冷やし麺(柚子風味)のほかにカレーうどんやスープパスタ(ホワイトクリーム、トマト、ボンゴレビアンコ)を展開した[2][11]。
なお、2021年に一風堂監修の「コクと旨味の一風堂とんこつラーメンスープ」がJR東日本クロスステーションウォータービジネスカンパニーから発売され、秋冬商品として駅ナカの自動販売機などで流通したが、こちらは缶スープであり具材や麺は入っていない[12][13]。
その後、2024年に製麺メーカーの株式会社丸山製麺と、缶詰メーカーの株式会社三星が協業で「業界初の小麦麺を使用したらーめん缶」として、『らーめん缶「醤油らーめん」』を発売した。既存商品とは異なり、麺に小麦粉を用いながら、独自製法で伸びにくい麺を実現していることを主な特徴としている。[14]
販売店
編集フジタカ・UMAI製のものは地域のたばこ店でのたばこ売上減少の代替手段として、主にたばこ店の自動販売機を中心に各地で販売された。その一部の設置先はフジタカの公式サイトに掲載されていた。
その他、他社製品も含めて一部のコンビニエンスストアなどでも販売されている。また、災害時用の非常食として売られていたこともある。
秋葉原界隈ではおでん缶ブームの影響もあり、自動販売機のほか[15]、パソコンショップなどの店頭で売られていたことがある。
2024年10月現在、フジタカ・UMAI製のらーめん缶シリーズは発売終了しており自動販売機には投入されていない。天狗缶詰、富士見食品の製品も2021年までに終売している[3][16]。なお、丸山製麺製のらーめん缶は同社のECサイトにて販売されている。[17]
出典
編集- ^ 北村 (2007年4月13日). “こんにゃく麺はラーメンなのか?チチブ電機で「札幌らーめん缶」を販売開始!”. ASCII.jp. 2023年3月24日閲覧。
- ^ a b “天狗缶詰、「ラーメン缶」3品新発売 人気市場に応える”. 日本食糧新聞電子版 (2007年7月30日). 2023年3月24日閲覧。
- ^ a b “catchNAVI!~あなたの知らない珍自販機の世界~ - キャッチ!”. 中京テレビ (2021年2月3日). 2023年3月24日閲覧。
- ^ 宇田川 (2007年7月18日). “替玉付きの“とんこつ”ラーメン缶がまもなく登場!そのお味は?”. ASCII.jp. 2023年3月24日閲覧。
- ^ 宇田川 (2007年11月27日). “ピリ辛風味の坦坦麺と鶏ガラしょうゆ味の大江戸ラーメン缶が12月デビュー!”. ASCII.jp. 2023年3月24日閲覧。
- ^ “自販機から「冷やしらーめん缶」 - コミミ口コミ”. www.asahi.com (2007年7月20日). 2023年3月24日閲覧。
- ^ a b "「らーめん缶」で「ご当地シリーズ」を展開 「うどん缶」では「けんちん汁のうどん缶」が登場" (Press release). UMAI. 13 November 2007. 2023年3月24日閲覧。
- ^ "「札幌らーめん缶 味噌バター風味」並びに「札幌らーめん缶 スープカレー」を発売します" (Press release). UMAI. 17 December 2007. 2023年3月24日閲覧。
- ^ "らーめん缶・うどん缶の次は「そば缶」 JR東日本のKIOSK・NEWDAYSで「駅そば風味」を発売" (Press release). UMAI. 4 March 2008. 2023年3月24日閲覧。
- ^ "人気の「らーめん缶」に続き「うどん缶」を発売 日常に、非常時に、選べる楽しさを追加" (Press release). UMAI. 1 September 2007. 2023年3月24日閲覧。
- ^ 宇田川 (2007年11月13日). “アキバ新缶詰が12月デビュー! 今度は「パスタ缶」だ!”. ASCII.jp. 2023年3月24日閲覧。
- ^ "あの「一風堂」が、エキナカの自販機に登場!!「コクと旨味の一風堂とんこつラーメンスープ」10月12日(火)発売" (Press release). JR東日本クロスステーション. 5 October 2021. 2023年3月24日閲覧。
- ^ “JR東の“自販機豚骨スープ”コンポタの1.5倍売れる人気で再販決定 なぜ自販機で豚骨の発想に至ったのか聞いてみた”. ねとらぼ (2022年10月8日). 2023年3月24日閲覧。
- ^ “業界初・小麦麺を使った即食可能の『らーめん缶』がラーメンブランド『ヌードルツアーズ』より発売”. プレスリリース・ニュースリリース配信シェアNo.1|PR TIMES (2024年10月9日). 2024年10月17日閲覧。
- ^ “秋葉原の自販機大調査”. デイリーポータルZ (2007年6月25日). 2023年3月24日閲覧。
- ^ “みんな大好き!ラーメンを缶詰にした歴史あり!?”. 天狗缶詰株式会社 (2021年11月4日). 2023年3月24日閲覧。
- ^ “ヌードルツアーズ通販サイト│らーめん缶 1ケース24缶入り”. 株式会社丸山製麺. 2024年10月17日閲覧。
外部リンク
編集- ラーメン缶開発秘話(2007年6月16日、アキバ・キーマンインタビューNo.12、ASCII.jp)
- フジタカ
- フジタカ「札幌らーめん缶」 - ウェイバックマシン(2010年3月2日アーカイブ分)