ようそろは、航海用語でを直進させることを意味する操舵号令である。転舵(または転舵命令)のあと、今向いている方向でよしというときに発することが多い。

漢字では「宜候」または稀に「好候」とも書き、「よーそろー」と発声する。これは「宜く候(よくそうろう)」のウ音便である。

英語では、(Keep her) steady!(船の進路をそのまま保て)に相当する[1][2][3]

船を左右に進める号令瀬戸内水軍航海術の伝承を受け継いでいる。進行方向から子丑寅の順で右回りに12等分に方位を区分し、右に舵をとる場合は「面舵」。これは「卯舵」(うかじ)→うむかじ→おもかじ、と訛ったものが由来[4]。左も同様に申戌亥の酉の方向に見立てて、号令は「取舵」である。

元々は、船首に立ち水路を見極める船頭が、後部に居る舵手に対して、直進か左右への転舵かを指示する際にそれぞれ「宜候」「取舵」「面舵」と呼んだ[4]

なお、バックに相当する特別な号令はなく、そのまま「後進」である("後退"は敗北につながるため)。

脚注

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  1. ^ 英和海洋辞典 English-Japanese Ocean Dictionary, 船と航海 Ships and Navigation
  2. ^ ようそろの英語・英訳 - 英和辞典・和英辞典 Weblio辞書
  3. ^ ようそろの英訳英辞郎 on the WEB:アルク
  4. ^ a b マッキーのものしり事典(次点) マッキーの「海の常識」第3回目「面舵、取舵、ようそろ!」”. 2013年5月26日時点のオリジナルよりアーカイブ。2008年4月29日閲覧。 - 海上保安庁伏木海上保安部

関連項目

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外部リンク

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