ほるぷ出版
株式会社ほるぷ出版(ほるぷしゅっぱん)は、東京都千代田区に本社を置く日本の出版社。主に国内作家の絵本や海外絵本の翻訳出版を行っている。そのほか学校や図書館向けに学習資料などの出版も行っている。
入居する瑞鳥ビル | |
種類 | 株式会社 |
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本社所在地 |
日本 〒102-0073 東京都千代田区九段北1-15-15 |
設立 | 2010年4月1日 |
業種 | 情報・通信業 |
法人番号 | 8010001131744 |
事業内容 | 児童図書・学習関連図書の出版・販売 |
代表者 | 吉川廣通 (代表取締役社長) |
資本金 | 8,400万円(2012年) |
主要株主 | 株式会社静山社ホールディングス 100% |
外部リンク | https://www.holp-pub.co.jp/ |
特記事項:初代法人は1969年、2代法人は1999年設立 |
かつては出版取次大手の日本出版販売のグループ企業であったが、2012年8月以降はソフトウェア基盤技術事業を中心とするアプリックスIPホールディングス(現・アプリックス)の傘下を経て、2017年3月31日より、同業の静山社と同じく静山社ホールディングスが親会社となっている。
会社概要
編集児童書の出版を主な事業とする出版社。2011年までに2度の倒産をしており、現存する「ほるぷ出版」は登記上3代目にあたる。社名の「ほるぷ」は「家庭の図書室づくり」を意味する「Home Library Promotion」の頭文字を取ったものとなっている[1]。
2011年9月に役員人事の大幅な入れ替えがあり、当時のフレックスコミックス株式会社[注 1]代表取締役社長であった平井清隆が社長を兼任する事となった[注 2][2]。同年11月には本社事務所がフレックスコミックスと同住所へ移転[3]。更に、2012年2月1日からはフレックスコミックスが発行する漫画単行本の発売元がほるぷ出版となる[4]。また、2012年8月にフレックスコミックスがガイアホールディングス(現・アプリックス)株式会社の子会社となった際には、これまでの連携関係があったために同時に同社の子会社となっている[5][6]。その後2014年1月1日付けで新社長としてスタジオ・ハードデラックス[注 3]株式会社代表取締役の高橋信幸が社長を兼任し、前社長の平井清隆は退任している[7]。
このように日本出版販売株式会社傘下を離れた後は相次いで漫画系に関わりの深い人物が社長に就任するなど以前とは状況が変わっているが、アプリックスIPホールディングス傘下となってからも日本放送協会(NHK)が運営するウェブサイトにて連載された児童・少年少女向けオンライン小説の順次書籍化を発表するなど[8]、依然として児童書の出版が中核事業となっている。
なお児童書訪問販売の有限会社全国ほるぷ[注 4]などといった現存する多数の「ほるぷ」を社名に持つ訪問販売・出版会社は、ほるぷ出版(初代)の倒産を機に当時の親会社であった株式会社ほるぷとほるぷ出版(初代)の元社員が独立・起業したもので、現在のほるぷ出版(3代目)とは資本上の関係はない。
沿革
編集親会社・初代
編集- 1964年6月 - 中森蒔人が義兄から引き継いだ書店[注 5]の経営規模を拡大するため、書籍売掛販売の株式会社図書月販を設立(後に株式会社ほるぷに商号変更し、百科辞典・児童書の訪問販売が中心となる)。
- 1969年 - 日本出版販売株式会社(日販)から図書月販に役員を派遣開始。
- 1969年 - ほるぷによって、株式会社ほるぷ出版(初代)が東京都千代田区麹町3-2に設立される。初代代表取締役に荒井正大が就任。
- 1973年 - ほるぷと同所の新宿区新宿2-19-13へと移転。
- 1982年 - 中森蒔人(ほるぷ代表取締役)が代表取締役就任。
- 1985年 - ほるぷの株式の過半数を日本出版販売とその関係者が所有し、以降日販の支配下に入る。
- 1986年 - ほるぷの経営難からリストラが行なわれ、全社員が退社する。同時に代表取締役も交代した。
- 1986年 - 文京区富士見へ移転。
- 1999年12月28日 - ほるぷ・ほるぷ出版(初代)が自己破産。児童書出版事業を株式会社ほるぷ出版(2代目)に譲渡。
2代目
編集- 1999年 - 有志の出版社29社の出資を受け、株式会社ほるぷ出版(2代目)設立[10]。
- 2003年2月 - 日本出版販売の傘下に入り、正式に日販グループへと参加する。
- 2006年11月 -「復刊ドットコム」を運営する株式会社ブッキングが、ほるぷ出版の一事業部となり書籍のオンデマンド印刷を開始(ブッキング事業)。
- 2009年4月1日 - ブッキング事業を、ほるぷ出版から再独立したブッキングに譲渡[11]。
- 2010年 - 児童書出版事業を、ほるぷ出版(3代目)に譲渡[10]。
- 2011年10月4日 - 特別清算手続を申し立て、倒産[10]。
3代目
編集- 2010年4月1日 - 株式会社ほるぷ出版(3代目)設立[6]。
- 2011年7月21日 - この日を以って日本出版販売がほるぷ出版の全株式を売却したため、日販グループを離れる[12]。
- 2012年2月1日 - フレックスコミックス発行書籍の発売元として、漫画単行本レーベル〈Flex Comix〉の出版を開始[4]。
- 2013年10月15日 - フレックスコミックス発行書籍の発売元として、漫画単行本レーベル〈ポラリスCOMICS〉の出版を開始[16]。
- 2014年1月1日 - 高橋信幸(スタジオ・ハードデラックス株式会社代表取締役)が社長に就任[7]。
- 2016年10月3日 - アプリックスIPパブリッシング、フレックスコミックス、ほるぷ出版の共同株式移転により、中間持株会社アプリックス出版ホールディングス株式会社を設立[17]。
- 2017年2月23日 - アプリックスIPホールディングスの取締役会でほるぷ出版の株式譲渡を議決、同年3月31日付でフェニックス・ホールディングスへ発行済み全株式を譲渡すると発表[18]。
主な出版物
編集- シリーズ書籍
- 名著複刻全集シリーズ(製作:ほるぷ出版 刊行:日本近代文学館)
- 世界の名画
- さんすうだいすき(遠山啓・2017年現在日本図書センターより復刻版を刊行)
- 日本の歴史(家永三郎監修)
- おんがくぐーん(林光監修)
- ほるぷノンフィクション絵本
- 日本児童文学大系 全30巻
- 日本の詩・世界の詩
- 世界伝記大事典 全17巻(マグロウヒル社提携、京都大学人文科学研究所監修)
- 世界の教科書=歴史シリーズ 全28巻
- 日本の原爆文学(「核戦争の危機を訴える文学者の声明」署名者 世話人グループ監修)
- 写真記録 日本の侵略:中国 朝鮮
- アフリカ難民 悲しみの大地から(伊藤正孝)
- 写真記録 被爆者(森下一徹・写真)
- 日本の24時間(R.スモーラン/D.コーエン編)
- 科学者からの手紙 全9巻
- ほるぷ幼年文庫
- 「赤い鳥」複刻版(製作:ほるぷ出版 刊行:日本近代文学館)
- 日本の文学(市古貞次/小田切進編)
- ポップアップ絵本
- 絵巻平家物語(木下順二・文 瀬川康男・絵)
- いわさきちひろ全集 全11巻
- 名著複刻日本児童文学館
- 初版本複刻 竹久夢二全集 全57冊
- 小林多喜二文学館 全18巻(蔵原惟人/手塚英孝/小田切進 編)
- 三原色の絵の具箱(松本キミ子/堀江晴美共著)
- 聖書物語 全2巻
- 数学マイウエイ 全8巻
- 数学の広場(遠山啓)
- ほるぷ現代Books 全11冊
- 学習資料集(全国民主主義教育研究会編)
- ほるぷ平和漫画シリーズ
- 英国情報局秘密組織チェラブ(作:ロバート・マカモア/訳:大澤晶)
- パーシー・ジャクソンとオリンポスの神々(作:リック・リオーダン/訳:金原瑞人・小林みき)
- クレメンタイン シリーズ(作:サラ・ペニーパッカー/絵:マーラ・フレイジー/訳:前沢明枝)
- 声にだすことばえほん シリーズ(文:齋藤孝)
- ちいさなハムスターのロラ シリーズ(文:カール・ノラック/絵:クロード・K・デュボワ/訳:河野万里子)
- なかよしおばけ4人組 シリーズ(作:ジャック・デュケノワ/訳:大澤晶)
- ねこのダヤン シリーズ(作:池田あきこ)
- 海外作家書籍
- エロール・ル・カインの絵本(ケイト・グリーナウェイ賞受賞作家)
- ジョン・バーニンガムの絵本(ケイト・グリーナウェイ賞、エミール/クルト・マッシュラー賞受賞作家)
- バーバラ・クーニーの絵本(コルデコット賞受賞作家)
- 雑誌
- QUIZ JAPAN(発行:セブンデイズウォー)
- 玩具
脚注
編集注釈
編集出典
編集- ^ 【玉川高島屋店】 ほるぷ出版創業50周年『子どもにも大人にもずっと愛される絵本』フェア2019年9月下旬まで - 紀伊国屋書店(2019年9月18日)
- ^ a b “ほるぷ出版、平井清隆氏が新社長に就任”. メディア産業の総合専門紙-文化通信. 文化通信社 (2011年9月29日). 2014年2月25日閲覧。
- ^ a b “ほるぷ出版:最新ニュース”. ほるぷ出版. ほるぷ出版. 2012年12月9日時点のオリジナルよりアーカイブ。2014年2月25日閲覧。
- ^ a b “Twitter / FlexComix: 【コミックス】FCコミックス発売元変更に伴うお知らせ ...”. フレックスコミックス営業企画課 (@FlexComix) - X(旧Twitter) (2011年12月9日). 2014年2月25日閲覧。
- ^ a b “ガイアHD(3727)ほるぷ出版を6.4億円で取得”. サーチナ(Searchina). SBIサーチナ (2012年8月9日). 2014年2月25日閲覧。
- ^ a b c “株式会社ほるぷ出版の株式取得(子会社化)に関するお知らせ” (PDF). アプリックスIPホールディングス. pp. 1 - 3 (2012年8月9日). 2014年2月25日閲覧。
- ^ a b “ほるぷ出版、新社長に高橋氏”. メディア産業の総合専門紙-文化通信. 文化通信社 (2014年1月20日). 2014年2月25日閲覧。
- ^ “NHKネットコミュニケーション小説・初の書籍化 梨屋アリエ「空を泳ぐ夢をみた」発売のお知らせ”. プレスリリース/ニュースリリース配信サービス【@Press:アットプレス】. ソーシャルワイヤー (2012年8月24日). 2014年2月25日閲覧。
- ^ “組合側の勝利和解/ほるぷ争議/会社が解決金支払い”. しんぶん赤旗|日本共産党. 日本共産党中央委員会 (2002年5月11日). 2014年2月25日閲覧。
- ^ a b c “(株)HMB企画”. 山城紙業(株). 山城紙業. 2016年6月23日時点のオリジナルよりアーカイブ。2014年2月25日閲覧。
- ^ “ブッキング、CCC子会社で再出発”. 新文化 出版業界紙. 新文化通信社. 2014年2月25日閲覧。
- ^ “第64回定時株主総会招集ご通知” (PDF). 日本出版販売. p. 6 (2012年6月13日). 2014年2月25日閲覧。[リンク切れ]
- ^ “2012/08/09”. ACA株式会社. ACA. 2014年2月25日閲覧。
- ^ “会社概要:ほるぷ出版”. ほるぷ出版. ほるぷ出版. 2012年9月7日時点のオリジナルよりアーカイブ。2014年2月25日閲覧。
- ^ “新レーベル「メテオCOMICS」、11月12日創刊!”. COMIC メテオ. アプリックス (2012年10月24日). 2014年2月25日閲覧。
- ^ “ポラリスCOMICS・創刊応援キャンペーン<第1弾>!開始”. COMIC ポラリス. アプリックス (2013年9月20日). 2014年2月25日閲覧。
- ^ “アプリックスIPホールディングス、中間持株会社設立 ”. 2017年4月14日閲覧。
- ^ “連結子会社(孫会社)の異動(株式譲渡)及び特別損失の計上に関するお知らせ” (PDF). アプリックスIPホールディングス (2017年3月28日). 2017年4月14日閲覧。
外部リンク
編集- ほるぷ出版
- ほるぷ出版 (@holppub) - X(旧Twitter)